Spotifyのバイラルチャート首位に突如登場「秒針を噛む」 歌っている“zutomayo”とは何者?
Spotisy Weekly Viral TOP20(9月21日〜9月27日)
スピード感のあるNeo J-POP、言葉のセンスも高評価
「ずっと真夜中でいいのに。」の「秒針を噛む」は、ピアノ伴奏が印象的な、スピード感のあるNeo J-POP。とても今っぽいサウンドに仕上がっているのだが、ツイッター上ではそれに加えて、言葉のセンスも高く評価されている。そもそも「ずっと真夜中ならいいのに。」というユニット名も、「秒針を噛む」という曲のタイトルも、どことなく意味ありげで、裏読みしたくなる気持ちに駆られる。
ユニットを組む3人がそれぞれTwitterでリスナーを刺激
最初のツイートでわかったことは、「ずっと真夜中でいいのに。」は複数が参加するユニットであり、その中心(ボーカル)が“ACAね”という女の子らしいこと。さらに彼女のツイートと時を同じくして、「編曲と一部作曲を担当しました」「映像を担当しました」というコメントが、ニコニコ動画などで活躍するシンガー・ソングライターのぬゆりと、映像クリエーターのWabokuから発信される。
つまり「ずっと真夜中でいいのに。」はその3人のユニットなのだが、相互の関係がすぐにはわからない方法で情報提供されていた。お互いにつぶやく時間だけを合わせて、それぞれのツイッターでMV公開の報告したのだろう。ぬゆりが持つ約5万のフォロワー、Wabokuが持つ約1.8万のフォロワーは、大いに好奇心を刺激されたことだろう。
ユニット名よりも楽曲「秒針を噛む」がSNSで拡散
楽曲が公開されて6日後になると、早くも自称コスプレイヤーによる、「秒針を噛む」のアカペラ歌唱音源が登場。この頃から徐々に、「歌ってみた」のツイートが目に付くようになる。そして6月17日に、「LINE MUSICで(BGM)設定したいのに、まだ配信されていない」ことを嘆くツイートが出現。「秒針を噛む」という曲に熱狂的なファンがつき、歌ってみたい、スマホでいつでも聴けるようにしたいという熱量が高まっていく。
その点については、ツイッターの折れ線グラフを見てもわかる。6月から7月の間は、ユニット名よりも曲名のほうが多くツイートされているのだ。たぶん、
「秒針を噛む、いい曲!」
といった、ユニット名を省いたシンプルなつぶやきで、楽曲の情報拡散に一役買ったのだろう。こうした序盤の盛り上がりはおよそ1か月間、7月初旬まで続く。その後は徐々にツイート数も落ち着いていくが、次に大きく盛り上がったのが8月下旬だった。
YouTubeからサブスクサービスへ話題が波及
そこから間髪入れず、8月30日にiTUNES Store、レコチョク、Apple Music、LINE MUSIC、Spotifyで楽曲配信を開始。これにより、それまでYouTubeでしか聴くことができなかった曲が、配信でも聴けるようになり、情報拡散の勢いが増加。およそ1か月後のSpotifyの好結果に繋がったわけだ。
現時点で「秒針を噛む」は、Spotify内の12のオフィシャルプレイリストにリストイン。さらにリスナー制作のプレイリストに至っては、その数すでに1000を超えているという。考えてみれば、ここに至るまでの間、ユニットのことや“ACAね”自身については、ほとんど情報が出回っていない。にも拘わらずこの注目度の高さは、やはり楽曲の魅力と考えざるを得ないだろう。
当然、次に注目されるのは、“ACAね”とはいったいどんなルックスの女の子なのか、ということだ。聴く者すべての心に、歌詞の意味を裏読みさせてしまう言葉使いの主が、どんなビジュアルなのか。11月14日に1st mini Albumが発売されることが、先ごろYouTube上で発表されたので、目にするチャンスもそう遠くないはずだ。