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大学探検シリーズ:大学探検シリーズVol.6 「いつかオワコンになっちゃうの?ゆるキャラたちのベストな生き方って?」


今の日本はゆるキャラブーム。日本各地でご当地キャラクターが続々と誕生し続けています。テレビを観ても買い物に行ってもあちこちで目にするけど、そもそもゆるキャラの使命ってなんだったっけ? 時代の波に乗るゆるキャラの在り方と、それにまつわる地域活性化について、追手門学院大学の河合博司教授(地域文化創造機構長)に聞いてみました!


ウチらの地元を救うかも? ゆるキャラのスゴいところを教えて教授!

 ゆるキャラブームはみなさんもご存じのとおり。2000年代後半から「国宝・彦根城築城400年祭」のイメージキャラクター“ひこにゃん”、「平城遷都 1300年祭」の“せんとくん”らをきっかけにじわじわと認知され、熊本県のくまモンが全国的にブレイク。中には見た目がビミョーだったり、キャラクター設定が引くほどシュールなコもいますが、そんな“ユルさ”がウケてファンを増やし続けています。

ゆるキャラが地域活性化に貢献しているポイントは、なんといってもそのバックボーン。その土地の歴史や名産などをルックスや名前のモチーフにしているコが多いので、キャラクターを見たり聞いたりするだけで、その土地のコトを知ることができるんです。初めて名前を聞いた地域でも、好きなゆるキャラを通すと急に親近感が湧いてくるもの。さらに、観光名所や名産のアピールだけではなかなか届かなかった人たちに、地域のことを知ってもらえるチャンスが来るかも! そんな期待を背負ってゆるキャラたちは頑張っているんです。

ゆるキャラをオワコンにしないためには?

 このブームについて、河合教授は「ゆるキャラがまちおこしの一つの手段であることは間違いありません」と認めつつも、「最近ではキャラクター自体がクローズアップされすぎて、背景にあるものが見過ごされがち。ブームというのは一過性のもので、いつかは終わってしまう」と指摘します。ここまで地域活性化に貢献しているのに、オワコンになるのはもったいない! ゆるキャラたちはこれからどうすればいいの? そんな疑問に、河合教授はひとつのヒントをくれました。「地域の特性をどう生かしながら、息長く広めていくかが大切ではないでしょうか」。

ちなみに、同大学の地元である大阪・茨木市にも、古くから伝わる民話「茨木童子」から誕生したキャラクター『いばらき童子』がいるんだそう。「いばらき童子は悪ガキが酒呑童子の子分となった鬼。“なんで鬼?”と疑問が湧きますよね。“ゆる”ではなく“ワル”キャラですから。でもそこには、ストーリー(地域文化)あるからこそ、地域の人々の世代を超えた交流が始まる。こうして歴史を語り継ぎ、未来へとつなげていくんです。昨年、今年と新作狂言『茨木童子』を茂山千三郎作・演出、子供たち・学生も参加して公演したのも、こうした想いからです。キャラにはそんな役割もあります」。そうやってキャラクターを通して地域を学び、人と交流し、地域を好きになっていってもらえたらステキですね。

追手門学院大学にも「ゆるキャラ」と「まちおこし」の専門学部が!

 ちなみに、同大学にもゆるキャラが存在するんだそう。はかま姿で同大学出身の作家・宮本輝氏の著作で大学が舞台となった小説『青が散る』を手にした「おうてもん」君。現在、20台以上あるスクールバスのうち3台にラッピングされていて、遭遇したらその日はラッキーデイ!と喜ぶ学生もいるとか。おうてもん君も、大学の顔として頑張ってるんですね。

そんな同大学には来春、未来のまちおこしプロデューサーを輩出する「地域創造学部」が誕生します。ミッションはズバリ『地域の「ニーズ」をキャッチし、地域の「宝物」を発見し、地域の「アンテナ」になる』。地域活性化にかかわる実践的な授業を行うので、社会に出てから即戦力として活躍できる学部です。

「大学が持つ知的な蓄積資源を活用しながら、利害や意見が衝突しがちな地域で、高等教育機関ならではの“調整役”も可能です。学生たちも地域の人々に学びながら、双方向な関係で地域発展に貢献する、まさしく時代にフィットした新しい学部だと考えています」と河合教授。ゆるキャラブームに続く、10年後の地域活性化企画は、この学部の学生や卒業生から生まれるのかも!

追手門学院大学

 1966年、大阪北部に誕生し、文系の総合高等教育機関として5学部8学科、学生数6500人を擁する総合大学・大学院。これまでに4万人を超える社会有為の人材を世に送り出している。学部を超えた共通プログラムとして「基盤教育機構」「グローバルキャリアコース」のほか、2014年度からは「スポーツキャリアコース」をスタート。
2015年度からは「地域創造学部」を新設、全6学部となり、多様なプログラムを実践。常に新たな教育の在り方を、時代に合った人材育成を模索し、実現している。2016年、大学創立50周年を迎える。

追手門学院大学
〒567-8502 大阪府茨木市西安威2-1-15
広報課:072-641-9590

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