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TAKUYAと初作詞提供したミッツ・マングローブが対談!AARONの新作秘話について語る

 AARONの新曲『MOISTURIZING』を手がけたTAKUYAとミッツ・マングローブ。TAKUYAのインスピレーションが、自分以外のアーティストに歌詞を提供するのは初めてというミッツに白羽の矢を立てたのだ。AARONも「新しい何かが自分の中に入ってきた」と語る今回の楽曲。その成り立ちとAARONへの想いを2人がじっくり語ってくれた。

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“イケメンにこだわりのある人=ミッツ”にTAKUYAが作詞をオファー!

――まずは今回TAKUYAさんがAARONさんに楽曲を提供することになったきっかけから教えていただけますか?
TAKUYA 以前、台湾でリリースした楽曲の日本語版のシングルを佐久間正英さんがプロデュースしてたんですね。そのつながりで2年前の『a-nation』にAARONが出ることになったとき、佐久間さんが参加し、バンドに僕が誘われて……。ちょうど佐久間さんの病気が発覚したときだったので、万が一のときのために僕にバンドマスターをやって欲しいと頼まれて、それがAARONとの最初の出会いでした。その後、次にリリースするときは楽曲をお願いしますみたいなことをなんとなく言われいて。だから、佐久間さんが生きていたら、僕が曲を書いて佐久間さんがプロデュースをしたんじゃないかなとは思うんですが、もうそれは叶わないので……。(佐久間さんは、2014年1月16日にスキルス胃がんのため死去)そういう意味では、なんとなく僕が佐久間さんの遺志を受け継いだみたいな感じがあって、結構プレッシャーがありました。

――AARONさんのライブを観に、台湾まで行ったそうですが。
TAKUYA そもそもAARONのことをよく知らなかったので、『a-nation』で共演した年の年越しライブを台中まで観に行きました。その後も彼が来日するたびに会って、だんだんどういう人なのか知っていったり、歌声を分析したりする期間があって。そこから実際に昨年の9月くらいからAARONに対する作曲期間を設けて曲を作り始めました。
ミッツ・マングローブ じゃあ、曲数も結構作ったんだ?
TAKUYA そう。「MOISTURIZING」が7曲目。これが出てきたとき、手応えありだなって思って、さあ作詞どうしよう? って思ったんです。僕は、AARONみたいなイケメンにリスナーの人が何を期待しているのかっていうところは、まったく通ってきてないんですね(笑)。だから、これはイケメンに詳しいというか、こだわりのある人に書いてもらうべきだなって思ったんです。それで誰だ? って考えているとき、スタッフから「TAKUYAさん、ミッツさんと知り合いじゃないんですか?」っていう意見が出てきて。
ミッツ オシャレなことはゲイカルチャーから出てくるみたいに思ってるんですって。だから、私もすごいプレッシャーで。ただ、この話をいただいたとき、確かにすごく面白そうとは思ったんですね。今まで自分の曲では歌詞を書いているけど、人に提供したことはなかったので、「やります」って。でも、とりあえず曲を聴かせてって返事したんです。

――実際に聴いてみてどうでしたか?すごくオシャレな曲だと思うんですけど。
ミッツ オシャレですよね。TAKUYAさんからも「いい男に言わせたいセリフを書いて」って言われて。曲を聴いてから“天気雨”っていう情景は、わりとすぐに浮かんだんですよ。それで1回勢いで書いたものをTAKUYAさんに送って、戻ってきた返事をもとにまた書いてっていうやりとりを何度もやりました。
TAKUYA 夜中に、ああでもない、こうでもないってメールのやりとりしてね。
ミッツ 酔っ払いながらやってるからどんどん関係ない話になっていったけど(笑)。でも、そういうのが実はすごく大事。そこでTAKUYAさんが描きたい世界っていうのが、もっとリアルに見えるようになったので。だから、すごく楽しかったけど、結構苦労したかもしれないです。
TAKUYA “天気雨”というワードは割とすぐ出たんだけど、さてタイトルどうしようかと……。ちょっとシャレたタイトルにしたいっていうことをミッツに言っていて、最終的にこの「MOISTURIZING」っていう言葉が出てくるまでに数日かかりました。そこからは早かったです。

――「MOISTURIZING」はジャジーなテイストもある楽曲ですが、なぜ、こういう作品をAARONに歌わせたいと思ったんですか?
TAKUYA 最初は台湾になじむ感じの、もうちょっとJ-POPなバラードから書き出して。そこからUKロックや80’Sのようなものなど、いろいろ書いていくなかで、やっとたどり着いたのがこの曲。僕も自分で書いていて、当たりはこれだったか! って驚きましたけどね。

――最近の音楽には、あまりないタイプの楽曲ですよね。
ミッツ 確かに盲点だと思う。でも、私自身は、最近結構90年代に行ってるんですよ。あの時代にはバブルが弾けたあとのオシャレさみたいなのもあったし、90年代での70年代ブームみたいなのもあった。いろんな要素が一番クロスオーバーしてるのって、90年代中盤くらいだと思ってるんです。TAKUYAさんも、まさにその時代のスターで、私がこの曲を聴いたときに浮かんできたのは山口智子さん。彼女って、絶対に男に臭いセリフを吐かせないような女性のようなイメージでしょ? 90年代は女性が強くなりすぎちゃった時代で、彼女はその象徴的な存在。だけど、女性も最終的には頑張ることに疲れてきて、結局、やっぱり甘えたいとか思うじゃない? だったら、そんな女性もヒザからガクガクっと崩れちゃうようなことを男性に言わせようって思ったんです。まぁ、“MOISTURIZING”も言っちゃえば下ネタなんだけど(笑)、そもそも天気雨っていう状況が浮かんだときに、すごいエロい感じがしたんです。なんとなく幸せって感じている日常の中に、ザッと雨が降る。その一瞬の出来事で突拍子もない方向に自分の身をゆだねちゃうのっていいなって思って。そういうシチュエーションになる可能性って、どの女の人もゼロではないと思いますからね。
TAKUYA 僕も今までいろんな作品を作ってきましたけど、すごいな、天才だなって思いました。英語の並べかたや変化のさせ方もIQ高いなって思った。
ミッツ 英語っていうのもTAKUYAさんからのアイディアとしてあったんですよ。AARONが英語が堪能だから。それもなんとなく踏まえて、でもJ-POPにありがちな文法の間違った英語は、もういいんじゃない? っていう気持ちもずっと前からあったので、ちゃんと英語の歌として聴けるようなフレーズも入れたかったんです。あとは、やっぱりカタコトの日本語ならではの色っぽさってあるじゃないですか? しかも、中国語圏の人特有の日本語なまりっていうのがあって、特に台湾の人は独特で……それが私は欲しかった。だから、歌詞を書きながら自分で歌ってみて、台湾の中国語なまりだったらどういう感じになるかっていうのは、ちゃんとシミュレーションしたんです
TAKUYA ほら、天才でしょ? 僕は、かなりこだわるほうなんだけど、僕以外で、こんなに発音とかまでこだわってくれる人に初めて出会えましたよ。僕は個人的には筒美京平さんを目指しているので、その際の相方を見つけたなっていう気分ですね。

――じゃあ、今回の歌詞をミッツさんに依頼したことは、TAKUYAさんにとってもいい出会いになったんですね。
TAKUYA はい。また、いい曲ができたらお願いしようと思ってます。

“イケメン”はアイドル歌謡の絶対的な条件!そういう憧れがあった(ミッツ)

――レコーディングは、日本でやったんですか?
TAKUYA 日本と台湾、両方でやりました。あとで聞いたら、レコーディング期間はAARONがすごく緊張していたみたい。夜とか、“一緒にカラオケとか行かないのかな?”って思っていたんですが、意外にストイックに過ごしていて、“どうしたんだろう?”って思っていたので(笑)。
ミッツ すごく難しいと思うもの、この曲。日本人が歌っても呂律回らなくなりそう。でも、中国語圏の人が歌ったら、こう聴こえるぞっていうのを想定しながら作るのはすごく面白かったし、それが本当にその通りに出来上がったんですよ。だから、AARONの歌を聴いたとき、“これこれ!”っ思いました。

――実際にミッツさんもレコーディングに立ち会われたそうですね。歌い方の指示もしたんですか?
ミッツ いえ、そんなには。あまりいろんなこと言われると、混乱しちゃうと思うから。こんな感じですっていうのは、仮歌を録ったときに伝えました。
TAKUYA だけど、結構言ってたよ(笑)。
ミッツ そう?あ、確かに「もっと悪い男になって歌って!」とか言ったかも(笑)。

――この曲って、“突然の恋に一緒に溺れてみようよ”っていうようなイメージだと思うんですね。そういうことを言えちゃう主人公だけに、ちょっと強引な肉食系。なおかつカッコよくないといけないっていうか。
ミッツ そう。カッコよくないと意味ないの。それってアイドル歌謡っていうジャンルの中で絶対的な条件だと思うから。“お前に言われたくないよ!”っていう人が言ったら、絶対にダメなのよ。私は自分の中に、ずっとそういう憧れがあって、「あなたは無理よ」って母親に言われて育ったんですね。だから、今回の歌詞で、自分では叶えられなかった夢が昇華したっていうフシもあるかもしれない(笑)。

――ちなみに、実際に会ったときのAARONさんの印象はどうでしたか?
ミッツ 顔が小さかった! それに想像していた以上に立体的な顔をしてましたね。鉛筆でいうと2Bで描いたみたいな顔っていうか。それに比べると、私は、たぶんHとか2Hの鉛筆だなって(笑)。
TAKUYA やっぱり大陸的というか、ワールド仕様だよね。彼も台湾だけじゃなく、アジア全域で勝負している人だから、いろんなサイズ感が日本スタンダードじゃなく世界基準なんだと思う。

――TAKUYAさんは今回カップリングの「SKYWALKERS」も手がけていらっしゃいますが、先ほど、AARONさんのために7曲作ったと言っていましたが、アルバムも視野に入れているんでしょうか?
TAKUYA 僕はそこまでやりたいと思って、今も作曲を続けています。

――じゃあ、そのときはミッツさんの出番も。
TAKUYA もちろん! すごい尊敬してるから。でも、忙しいからね、ミッツは。なるべく余裕を持ってオファーします。
ミッツ わかんないよ。これで全部出しきっちゃって、もう何も出てこないかもしれないじゃない?(笑)。
TAKUYA いや、ミッツみたいに考えて出せる人は、才能はなくならないよ。
ミッツ そうなのかなぁ? でも、今回は幸運なことにAARONが、とってもインスピレーションを掻き立てられる人だったからできたのかもしれない。

――ということは、イケメンじゃないと書けないかもしれないってことですか?
ミッツ あ、ダメかもね(笑)。

(文:高橋栄理子)
AARON オフィシャルサイト(外部サイト)

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