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藤田麻衣子『“涙活女王”が語る恋する女子のリアルな日常とは?』

「草食系女子のカリスマ」藤田麻衣子が、10月29日にメジャー1stアルバム『one way』をリリースした。恋する女子の代弁者として、女性から絶大な支持を集める彼女。『one way』はそんな女子たちのリアルな日常がたくさんつめこまれた作品となっている。

やっと“愛”についての歌が書けた

  • 『one way』(初回完全限定盤)

    『one way』(初回完全限定盤)

――昨年の日本武道館でのフリーライブからもう1年も経つんですね。
藤田麻衣子3月にメジャーデビューしたタイミングでは、変化を実感できてなかったんですけど、2ndシングルのときに各地でプロモーション、インストアライブをやって、ああ、メジャーの忙しさってこういう感じか!と新鮮でした。インストアも、昔から応援してくださってる方はもちろんなんですけど、「最近知りました」って言ってくれる方も多くて、嬉しくなりましたね。

――相変わらずお手紙はたくさんいただきますか?
藤田そうですね。みなさん、自分自身のことを書いてきてくれます。近況報告みたいな。こういう時にこの曲を聴いてました、これと気持ちを重ね合わせて聴いていました、というエピソードを添えて。私もそうですけど、きっとお手紙を書くとすっきりするんだと思います。

――女性はやっぱり話を聞いてもらえるだけで気持ちが落ち着きますからね。前回のインタビューで、そんな女性と男性の考え方の違いみたいなことをお聞きしましたけど、アルバムを聴きこんでいくと女性、男性、それぞれの視点があって面白いですね。
藤田いつも歌詞から書いていくんですけど、男性が主人公だと愛がある歌になるんですよ。別れたあとも、相手のことをずっと思いやっているような、温かい歌。でも、女性が主人公だと私の気持ちが反映されるからか(笑)、ひとりよがりで嘆いているような歌が多いですね。思いをぶつけているような、どうしても苦しい歌になりがちです。男性だと客観的に見えるということもあると思いますけど。

――今回のアルバムでは、「金曜日、君のいない初雪」「オレンジ」が男性目線で書かれていますね。「金曜日〜」は切ない歌詞なのに、曲調がすごく爽やかで驚きました。
藤田インディーズの時からフルアルバムには必ず曜日をテーマにした楽曲を収録していて、今回が7日間のうち6日目です。曜日シリーズが、ずっとミディアムテンポだったので、曜日シリーズ=耳なじみのいいミディアムテンポの曲となりました。

――最初のところのマグカップに残ったマニキュアのエピソードはすごくドキッとします。
藤田金曜日と冬をテーマにするというのは決まっていたんですけど、じゃあどんな歌にしようかなって考えていた時に、家にあったマグカップが目に入ったんです。私はピアノを弾くので爪は伸ばせないので、3、4日に1回、寝る前に自分でマニキュアを塗るのが習慣なんです。でも、よくうっかり忘れてコップとか触っちゃって、もう「きゃー」って(笑)。ふと、このコップに残っているマニキュアっていつつけたんだろう、洗っても時間が経ってもマニキュアだけは残るんだなって考えてたら、わーっとストーリーが浮かんできて、一気に書きました。

――かたや「オレンジ」はかなりストレートなラブソングですよね。
藤田実は自分ではまだ愛について確信的な気持ちを持てていないので、これまで歌詞には「愛」っていう言葉を意図的に使ってこなかったんですよ。でも、周囲がどんどん結婚していって、友達夫婦とかを見ていると、ああ、これが愛なんだなって思う瞬間があって。やっとこういう詞が書けました。

振り回されるほうが好きかもしれない(笑)

  • 『one way』(期間限定盤)

    『one way』(期間限定盤)

――女性目線の歌は、男性に振り回される主人公が多いですよね。確かに最近の男性ははっきりしないタイプの方が多いのかな、と感じることもありますけど(笑)。アルバムのタイトルになっている「one way」もそういう男性に翻弄される女性を歌っていますよね。
藤田「one way」は“一方通行”という意味なんですけど、私は一方通行って片思いだけじゃなくて、両想いでもたくさんあるなって思うんです。Ustreamの番組でファンの方の“一方通行エピソード”を募集したんですけど、いつも以上にお便りがきて、「みんなどれだけ一方通行なんだ!」と実感しました(笑)。やっぱりはっきりしない人、多いですよね! 「one way」のシチュエーションで言うと、バイバイって言ったあとに、私は相手の姿が見えなくなるまで見つめてるのに、向こうは振り返ってくれない……自分のほうが気持ちが大きいんじゃないかなって、本当に寂しくなるんですよ。他にもそういう瞬間っていっぱいあると思うんですけど、そういう場面を切り取った歌です。

――俳優、声優として活躍されている小野賢章さんが女性を翻弄するMVも話題ですよね。いきなりキスシーンから始まりますし。藤田さんからは何かリクエストはあったんですか?
藤田期待させておいて振り向かない男性に苦しめられる女性が主人公なんですけど、監督さんには「気を持たせる仕草とかで観てるほうもドキドキしたい」とお願いしたんですね。そしたらカメラを一緒にいる女性の視点で撮っていくという手法になりました。観てると「本当にひどい男だな」って思いつつドキドキしちゃう感じに仕上がって、すごく気に入っています。

――藤田さん自身は男性に振り回されたいタイプですか?
藤田振り回されるほうが好きかもしれない(笑)。たくさん愛をくれる人っていますけど、あんまりもらいすぎても縛られているような気持ちになっちゃって、ドキドキできない。すごい振り回されるのはイヤですけど、ちょっとぐらい振り回されてたい、ってちょっとワガママかな。そういうときの感情が好きなんだと思います。でも、好きな人がいると、男の人が振り回そうと思ってる以上に勝手に女の子が振り回されちゃいますよね。

――女性向け恋愛ゲームアプリのテーマソングになっている「恋煩い」も、まさにそういう女性が主人公ですね。
藤田そうですね。この曲の男性は「みんなにいい顔をしちゃう人なの?」って言われてるんですけど、誠実な人でも、自分が好きだと、ちょっと他の子と話してるだけでも「あの子と仲良いんだ……」って被害妄想みたいに感じちゃうこと、あるじゃないですか。そういうリアルな恋心を歌詞にしたので、こういうことあるなって思ってもらえたら嬉しいですね。

――恋愛をテーマにした曲以外のお話も聞かせてください。「つぼみ」は昨年10月の武道館のために作られた曲ですが、制作はかなり苦労されたとか。
藤田2006年にインディーズで初めてCDを出した時から7年経っていたんですね。7年を歩いてきて、今自分が一番伝えたいことはなんだろう? って考えていたら、気負いすぎてすごい悩んじゃったんですよ。武道館前日の23時くらいまでずっと書き直し続けてました。でも、いろんな場面で自分も踏み出してきた瞬間があったから、「自分を信じて一歩踏み出して」というメッセージを伝えたい、というテーマは決まっていたので、苦しみながらもなんとか書き上げました。

“涙活”は心を癒すマッサージのようなもの

  • 『one way』(通常盤)

    『one way』(通常盤)

――改めてお話を聞いてくると、本当に藤田さんは女性の心に寄り添って、リアルな思いを代弁してくれる存在だなって思います。ファンの方がライブで涙されるというのもうなずけますね。“涙活”イベントに出演されたときのお話も聞かせていただけますか? 個人的には涙=特別な場所で流すものという認識なので、“涙活”に行く方々ってどういう感情があるのかなってすごく気になるんですけど。
藤田私は“涙活”って聞いたときに、中学校のときのことを思い出したんですよ。当時、友達と“あの映画すごい泣けるらしいから行こうよ!”とか言ってたのと重なりました。あの頃泣ける映画を見に行った私みたいに、涙を流してすっきりしたいんだなって。言いたいことをストレートに言える方、泣きたいときに泣ける方よりも、ちょっと塞いでしまったり、泣きたいんだけどつい我慢しちゃうって方が、心のマッサージに行くような感じなのかなって。

――藤田さんご自身も涙腺弱いんですよね。
藤田弱いです。毎日のように流れてるので、日々すっきりしてます(笑)。実はイベントのMCで「私は今日、皆さんが一滴も涙が流れなくてもいいって思ってるんです」って話したんですよ。泣くこと自体が大切なわけではなくて、泣くことでリラックスして、いろんな感情を共有して、日ごろの疲れを忘れたりとか、ちょっと楽になれたりすることが重要ですから。だから、選曲をするとき、“泣ける曲”ではなくて、こういうシチュエーションだからこういうことがある、といったタイプの曲を選びました。実際に披露するときは自分自身のエピソードを話して、こういう気持ちで書きましたって伝えて……みんな集中しているから、自分も気持ちがさらに入るし、もらい泣きしないようにするのが大変でした。かなり修行でしたね。

「one way」【MUSIC VIDEO】

関連リンク

藤田麻衣子『普通の女の子が「草食系女子のカリスマ」になった理由』
藤田麻衣子オフィシャルサイト(外部サイト)
藤田麻衣子オフィシャルブログ(外部サイト)

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