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<連載>吉本百年物語 ほんとうのエピソード(4)慰問演芸団で中間搾取?

■慰問演芸団で中間搾取?

 昭和も10年代になると、吉本興業の事務員の服装も洋服になり、帳簿も大福帳から帳面に姿を変えていったといいます。一方で戦時の影が少しずつ国内でも感じられるようになります。吉本が昭和10年(1935年)から発行を始めた「大衆娯楽雑誌 ヨシモト」にも、こんな勇ましい歌が発表されています。その名も「吉本行進曲」。

「吉本百年物語」7月公演〜笑う門には、大大阪〜より 夫婦漫才師「ワカナ・一郎」を演じる(写真左=ミスワカナ)藤林美沙、(写真右=玉松一郎)山崎邦正

「吉本百年物語」7月公演〜笑う門には、大大阪〜より 夫婦漫才師「ワカナ・一郎」を演じる(写真左=ミスワカナ)藤林美沙、(写真右=玉松一郎)山崎邦正

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 1.大衆娯楽の旗じるし 起ちてて新興ヨシモトの 東に西にゆくところ きけ大衆の支持の声 我等の意気は天を衝く 進め今日の先駆者よ

 2.諸芸百華のヴアラエテイ 粋を集めし精鋭の 技と熱との凝るところ 見よヨシモトの芸の園 百花は絢らん乱れ咲く 競え演芸豪華陣

 3.娯楽日本のパイロット 我等は若き鷹の群れ 力をあわせ翔くところ うたわんかなヨシモトの 勝利のうたをもろともに たたかえ明日の開拓者

 7月公演の舞台でもこの歌が歌われますが、どこかに戦時を感じさせる歌詞です。そして、戦地への慰問演芸団「わらわし隊」の派遣が始まったのもこの数年後のことでした。

 昭和14年6月18日の大阪日日新聞夕刊に「慰問演芸團を繞る 中間搾取?の説 保安課で吉本興業を取り調べ」という記事が掲載されています。慰問団に支払われる公費を中間搾取しているのではないかという疑惑が報じられたものですが、これに対し見出しよりも大きな文字で「遺憾な噂だ 絶對中間搾取ぢゃない 吉本興行部では語る」との記事も。

 しかるべき利益は得ているが、中間搾取などと揶揄されるものではないと完全反論。今も吉本の芸人さんが面白おかしく、ギャラからピンハネされているとネタにして笑わせていますが、昔も今もそんな話題が尽きなかったようです。

 「吉本百年物語」7月公演〜笑う門には、大大阪〜より
 (次回掲載は8月27日)文・前田憲司

 「吉本百年物語」(1)吉本発祥のナゾ
 「吉本百年物語」(2)漫才と落語
 「吉本百年物語」(3)東京の吉本

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