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<連載>吉本百年物語 ほんとうのエピソード(2)漫才と落語

■漫才と落語

 創業から10年ほどで、吉本が大阪のお笑い界を統一できたのは、ほとんどの寄席小屋を傘下に収めたこととともに、落語家の組織を一つにまとめたからでした。

「吉本百年物語」5月公演〜キミとボクから始まった〜より 伝説の漫才師「エンタツ・アチャコ」を演じる二人 (写真左=花菱アチャコ)中川家・礼二、(写真右=横山エンタツ)130R・板尾創路

「吉本百年物語」5月公演〜キミとボクから始まった〜より 伝説の漫才師「エンタツ・アチャコ」を演じる二人 (写真左=花菱アチャコ)中川家・礼二、(写真右=横山エンタツ)130R・板尾創路

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 大阪のお笑い界は昭和のごく初期までは落語が中心でした。映画や芝居にもなり、演歌にまで歌われた初代桂春團治をはじめ、五代目笑福亭松鶴、初代桂ざこば、初代桂枝雀、初代露の五郎、二代目桂三木助、二代目林家染丸など、現在もおなじみの名前の先代や先々代の人たちが、吉本の寄席の高座に上がり客席を笑いに包んでいたのです。また、吉本では「花月落語研究会」という特別公演を毎月企画し、優秀者を表彰したり、ファン投票をするなどして落語を大いに盛り上げていました。

 ところが、産業の近代化によって、都市へと人が集まる時代になると、落語はわかりづらい芸になってしまいます。大阪ならではの商家や花街を舞台にし、江戸や明治という古い時代を背景にした上方落語は、地方からやってきた新しい大阪市民が楽しむには、少し難しいものでした。そんな時代背景に加え、昭和9年(1934年)の初代桂春團治の死は、落語人気の凋落に拍車をかけました。

 一方で、当意即妙に新しい話題を盛り込み、民謡や音頭なども入った陽気な漫才(まだ万歳と書いた時代です)の笑いは、誰にもわかりやすく、徐々に落語をしのぐ人気になっていきます。しかし、エンタツ・アチャコの演じた仲のいいサラリーマンが道端で立ち話をしているような漫才は、最初は受け入れられませんでした。しゃべくり漫才として大ヒットしたきっかけは、野球とラジオ放送という最先端の話題を取り入れた「早慶戦」のヒット、いや特大ホームランからでした。

 「吉本百年物語」5月公演〜キミとボクから始まった〜
 (次回掲載は8月25日)文・前田憲司

 「吉本百年物語」(1)吉本発祥のナゾ

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  • 「吉本百年物語」5月公演〜キミとボクから始まった〜より
  • 「吉本百年物語」5月公演〜キミとボクから始まった〜より
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