『倫敦(ロンドン)から来た男』などで知られるハンガリーの映画作家、タル・ベーラ監督が22日、約8年ぶりに来日し、東京・駐日ハンガリー大使館で会見を行った。今年2月の『ベルリン国際映画祭』で銀熊賞と国際批評家連盟賞をダブル受賞した最新作『ニーチェの馬』を「最後の作品」と公言しているタル・ベーラ監督は「34年間、映画を作り続けてきて、それは私にとっても長い道のりでした。人間を理解して、人生に寄り添い、自分が見ている世界を人々に伝えようとしてきました。私の映画はすべて自分の中から始まっている深淵なものです。言いたかったことは語り尽くしました」と話した。 全国の映画館で、映画の新たな上映方式DCP(デジタルシネマパッケージ)の導入が進み、35mmフィルムでの上映が無くなる日が近いと言われる昨今。それは、「カラーフィルムよりもモノクロのほうがカラフルに見えるから」と意図的にモノクロの35mmフィルムで撮り続けてきたタル・ベーラ監督が映画作りをやめてしまう理由と関係があるのかに、注目が集まった。
2011/11/23