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抜け目がなくて感心する「スター・ウォーズ」最新作『ローグ・ワン』:レビュー

 「スター・ウォーズ(SW)」シリーズ最新作、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が16日、全世界同時公開される。昨年、10年ぶりに『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年)の約30年後を描いた『スター・ウォーズ フォースの覚醒』が公開され、日本でも興行収入100億円を超える大ヒットを記録したが、『ローグ・ワン』はシリーズの原点、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977年)の直前を描いたものになる。

 「遠い昔、はるかかなたの銀河系で…」ではじまる『エピソード4』の前説。そこにつづられていた、「戦闘のさなか、反乱軍のスパイは、帝国の究極兵器デス・スターの設計図を盗むことに成功した」という一文を映像化。SWファンにとっては長い間、モヤモヤとしていた――反乱軍のスパイって誰? どうやって盗み出したの?――が解明されてすっきりするだろうし、単なるスパイアクションとして観ても十分楽しめる完成度の高い作品になっている。

 登場人物も『ローグ・ワン』で初めて出てくる新キャラクターばかり。スカイウォーカー家(アナキン、ルーク、レイア)の物語を描くSWシリーズとは一線を画して「アナザーストーリー」「もうひとつのスター・ウォーズ」とうたっているのもそのためだ。

 主人公ジン(フェリシティ・ジョーンズ)は、幼い頃に家族と離別し、一人で生き延びるため、窃盗や強盗、傷害や書類偽造等、あらゆる犯罪に手を染めてきたてきたアウトロー。彼女のもとに、お目付け役の反乱軍の情報将校キャシアン(ディエゴ・ルナ)、フォースを信じる盲目の戦士チアルート(ドニー・イェン)とその相棒ベイズ(チアン・ウェン)、元帝国軍のパイロット、ボーディー(リズ・アーメッド)、元帝国軍の警備ドロイドK-2SO(アラン・テュディック)といった仲間が集まり、「反乱軍のスパイ」としてデス・スターの設計図を奪うというミッションに挑むことになる。

 彼女たちがいかなるチーム戦を繰り広げるのか。人間ドラマも丁寧に描かれる一方で、SWシリーズ中、最も高い人気を誇るダース・ベイダー(声:ジェームズ・アール・ジョーンズ)を登場させ、シリーズ作品に深いところでリンクさせている。物語は美しい放物線を描き『エピソード4』へと吸い込まれていく。オリジナルを一切傷つけないホールインワンはある種のカタルシスをもたらすに違いない。で、『エピソード4』が観たくなる。本当に、抜け目がない。



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