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小松菜奈、“理想の女性”ヒロインは苦手「振り切れた役のほうが抵抗がない」

 衝撃作『渇き。』での女優デビューからエキセントリックな役柄がピッタリのイメージがある小松菜奈だが、ここ最近では『バクマン。』『黒崎くんの言いなりになんてならない』など青春ストーリーでのヒロイン役も好評。モデルとして若い世代からのカリスマ的な人気を誇りながら、女優業ではマーティン・スコセッシ監督の『沈黙 -サイレンス-』で世界デビュー。そんな多彩な活躍を見せる“枠”に収まらない新鋭に、女優業への意識と自身の立ち位置について聞いた。ヒロイン役を演じた最新出演作『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』についても語る。

ドラマ出演へも意欲を見せた小松菜奈「ついていけないんじゃないかなって…でも挑戦してみることが大事」(写真:逢坂 聡)

ドラマ出演へも意欲を見せた小松菜奈「ついていけないんじゃないかなって…でも挑戦してみることが大事」(写真:逢坂 聡)

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◆プレッシャーと焦りもあって気持ちの切り替えが大変

――『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』はファンタジー要素のあるラブストーリーで、小松さん演じる愛美は大きな秘密を抱えた役です。映画のなかに“ある仕掛け”があって、演じるのがとても難しそうだなと思いました。
【小松菜奈】 その通りです。本当に難しかったですね(笑)。撮影が順撮りではなかったので、気持ちの切り替えも大変で……。リハーサルを何度もやって、監督と一緒に気持ちを整理しながら撮っていきました。

――冒頭から、高寿(福士蒼汰)にひと目惚れされた愛美がなぜか泣き出すという謎めいたシーンがありましたが、撮影はいかがでしたか?
【小松菜奈】 現実にはありえないシーンなので、最初はなかなか感情移入できなかったんです。実際に駅のホームで撮影したので、電車が来ないうちに撮らなければいけないし、天候の関係もあるし……。そういうプレッシャーと焦りもあって、泣けなくなってしまって。それがすごく悔しくて、カットがかかったあと素で泣いてしまいました。本当に難しかったです。

――泣くシーンはほかにもたくさんあったので、気持ち的に大変だったのでは?
【小松菜奈】 泣くシーンのあとにデートのシーンがあるときは、重い気持ちのままデートに行かないように気合いで切り替えていました(笑)。でも、デートのシーンで京都の街を歩いていると、自然と楽しい気持ちになれて。役としてというより、自分たちが本当に楽しんだほうが自然な笑顔になるので、どれだけ素直に楽しめるか……と思いながらデートしていました。福士さんがすごく優しくて、妹みたいに接してくれていたので、一緒にいて本当に楽しかったです。

◆男性から見た“理想の女性像”は苦手分野(笑)

――監督は“今まででいちばん小松さんをかわいく撮りたい”とおっしゃっていましたが、どんなリクエストが?
【小松菜奈】 愛美は、男性から見た理想の女性像のようなところがあって。最初はそれに合わせるのが難しくて、「どうしよう、どうしよう」ってずっと悩んでいたんです。どちらかというと苦手分野なので(笑)。私はもともとの声が低いので、撮影中は監督から「語尾を上げて」「声を高くして」とか言われていました。衣装もフワッとした感じで、かわいくマフラーを巻いたり、スカートやワンピースを着たり。普段の自分とは全然違う服装なので新鮮でしたね。今までは女の子らしい役でも衣装は制服だったりしたんですけど、今回は初めて大学生を演じたので、ちょっと大人になれた気がしました(笑)。

――女の子らしい役は“苦手分野”なんですか?(笑)
【小松菜奈】 はい(笑)。『バクマン。』もそうだったんですけど、フワッとした感じの、男性の理想像みたいな役って難しくて……。普段の自分とは全然違うので、ふとした瞬間に素の自分に戻りそうになっちゃうんです。逆に『ディストラクション・ベイビーズ』くらい振り切れた役のほうが抵抗もないし、どんどんアイデアがわいてくるというか。でも、今回みたいな役も、難しいからこそ楽しい部分もあるんです。どうしたらかわいく見えるかを考えて、独自の仕草を生み出してみたり(笑)。

――アイディアを出すのが好きなんですね。
【小松菜奈】 その場その場で生まれるものがすごく好きなんだと思います。だから私、リハーサルがあんまり得意じゃないんです。本番になるとみんな感情をむき出しにしてきて、そこで化学反応が生まれる。その瞬間が最高に楽しいです。

◆映画をたくさんやりたい、ドラマにも挑戦してみたい

――これまでエキセントリックな役だったり、コミカルでかわいらしい役だったり、本当に幅広い役柄を演じてきましたが、作品選びはどんなふうに?
【小松菜奈】 いまは特別に“こういうことをやる”って決めなくてもいいのかなと思っていて。とにかくいろいろな役を演じて、全部違う顔を見せられたらいいなって思います。観ている人が「菜奈ちゃんって本当はどんな子なんだろう?」って思ってくれるような、カメレオン的な感じ。柔軟性のある女優さんになりたいので、お芝居をひとつに固めず、それぞれの役でどれだけおもしろいことができるかっていうのを大事にしたいです。

――お芝居が大好きなんですね。今のところテレビドラマよりも映画が中心ですが、映画にこだわりがあるんですか?
【小松菜奈】 映画が大好きだし、映画をたくさんやりたいという気持ちが強いです。映画は2ヶ月くらいキャスト、スタッフみんなで一緒にいて、全員でひとつになって作品を作っていくので、私に合っている気がするんです。感情の切り替えがすぐにできないタイプなので、ドラマとかの早いスピードで撮る現場にはついていけないんじゃないかなって……。でも、だからこそ挑戦してみることも大事ですよね。やってみたらドラマも楽しいって思うかもしれないし、そうなったらうれしいです。

――来年にはマーティン・スコセッシ監督の『沈黙 -サイレンス-』が公開されますが、海外にも目を向けているんですか?
【小松菜奈】 この作品で初めて海外のスタッフさんとご一緒させていただいたんですが、日本とはかなり勝手が違いました。1ヶ月半、台湾で撮影したんですが、そのうち1ヶ月間休みだったり(笑)。入り時間も決まっていなくて、電話がかかってきたら現場に向かうみたいな……。気持ちをキープするのが大変な現場だったんですけど、それがすごく新鮮でした。機会があれば、また海外の作品にもどんどん挑戦したいです。

――海外国内問わず、ご一緒してみたい監督っていますか?
【小松菜奈】 たくさんいますが、最近思ったのは呉美保監督です。以前、CM撮影でご一緒させていただいたことがあって、『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』を観たんです。2本ともすごく素敵でした。いつか呉監督の映画に出演できたらいいなと思っています。
(文:加藤 恵)

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