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温かな声援に包まれたメモリアルライブ

  Mr.Childrenの約2年半ぶりとなる全国ドームツアー『MR.CHILDREN TOUR 2012 POPSAURUS』の8公演目、5月10日に行われた大阪・京セラドーム公演は、彼らがミニアルバム『EVERYTHING』でデビューしてからちょうど20年を迎える当日、つまり20周年記念日に行われた。決して短くはない20年という月日を、常に日本を代表するバンドとして走り続けてきたMr.Childrenが、この特別な区切りの日を約4万人のファンと共に迎えたのだった。

 オープニングから立て続けに、誰もが知っているヒットソングやライブ定番曲が演奏され、フルスロットルで加速していくパフォーマンスのなか、桜井和寿が「最高の夜にしてくれますかーっ!」と、高揚した声で叫ぶと、大歓声が起こった。その歓声のなかには「ええで〜」なんていう、大阪ならではの声も。中盤のMCで、彼は「大阪のお客さんはすぐに話しかけてきたり、突っ込んできたりするから油断も隙もあったもんじゃない」なんて言っていたけれど、そんな温かな声援がとても嬉しそうだった。また、桜井だけでなく、田原健一、中川敬輔、鈴木英哉も、ファンのみんなが笑顔になって大声で歌っている姿や大歓声に触れて、目の前にはこんなにも多くの観客がいるのに、自分たちの歌は1人ひとりの元へと伝わっている1対1の歌になっているんだと感じることができたんじゃないだろうか。

“新曲”の一部も披露!

 実は、この日、桜井は“新曲”の一部を披露した。もともとは披露する予定はなかったのだが、現在Mr.Childrenは新しいアルバムを制作中で、しかも名曲ぞろいだということをMCでうっかり言ってしまったばっかりに、ファンにせがまれて歌うことになってしまったのだった。まだ歌詞もちゃんとできていない未完成のラブソングを歌う彼の姿を観ながら、桜井は今までもこんなふうにアコギをつま弾きながら曲を作ってきたんだな、そして、これからもみんなの元へと届く歌を作っていくんだなと思った。

 約3時間半のライブで演奏した27曲は、桜井の言葉(MC)を借りれば「みんなが喜んでくれる曲」ばかりだった。そこに、今までライブではやったことがなかった曲やここのところのライブでは演奏してなかった曲などが盛り込まれると、みんながCDで何度も何度も聴いていた歌が、人生の思い出のなかに寄り添っている曲が、目の前にいる今のMr.Childrenを浮かび上がらせるメニューになった。時を超え、聴き手の今の思いと重なり合い、新しい解釈を生んでくれたり、歌がより身近に感じられたり。「蘇生」に刻んだ<何度でも何度でも僕は生まれ変って行ける〜>の歌詞のように、リリースから時間が経った曲も新しい曲も同じ場所で違和感なく鳴り響かせることができるMr.Childrenの音楽。彼らが20年間という月日のなかで私たちに届けてくれた音楽は、ライブという場所で進化・成長するのだということを、そして、その進化と成長がMr.Childrenというバンドの新しい音楽を作ってくれるエネルギーになっているのだということを、2012年5月10日にデビュー20周年のメモリアルなライブで4人は再確認したに違いない。

(文:松浦靖恵/写真:石渡憲一)

PROFILE

Mr.Children(ミスターチルドレン)
1989年、桜井和寿(Vo&G)、田原健一(G)、中川敬輔(B)、鈴木英哉(Dr)の4人により結成。
1992年5月10日、小林武史プロデュースによるミニアルバム『Everything』でデビュー。徐々に注目を集めるようになり、1993年11月10日、シングル「CROSS ROAD」で大ブレイク。ミリオンセラーを達成。

1994年9月1日、アルバム『Atomic Heart』で300万枚のセールスを記録。日本のトップアーティストへと登りつめる。
その後も桑田佳祐とのコラボシングル「奇跡の地球」「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」「名もなき詩」など数々の名曲を生む。
2009年11月11日、ライブDVD『Mr.Children Tour 2009〜終末のコンフィデンスソングス〜』をリリース。1位を獲得。
2010年5月10日、ライブDVD『Mr.Children DOME TOUR 2009〜SUPERMARKET FANTASY〜IN TOKYO DOME』をリリース。1位を獲得。
2010年11月10日、DVD『Mr.Children / Split The Difference』をリリース。1位を獲得。
2010年12月1日、アルバム『SENSE』をリリース。1位を獲得。
2012年4月18日、シングル「祈り〜涙の軌道/End of day/pieces」をリリース。1位を獲得。
2012年5月10日、アルバム『Mr.Children2005-2010<micro>』『Mr.Children2005-2010<macro>』をリリース。

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