今年は嵐と井上真央が司会に、AKB48とテリー伊藤が紅白応援隊に決定し、大晦日に向け盛り上がっている『紅白歌合戦』。毎年各方面で大きな反響を呼んでいるORICON STYLEの恒例企画を今年もやっちゃいます!ライターさんほか様々な人の意見を参考に、編集部が独断と偏見で選んだこの出場歌手予想。果たして、今年は何組的中するだろうか……?!
  • ――本当に色々あった1年の締めくくりの紅白。例年以上に注目が集まりそうですが、テーマが「あしたを歌おう。」ですが、このテーマに込められた意味から教えて下さい。
    【原田】 心に突き刺さる色々なことがあった年の『紅白』でやることって、一体何だろう…そう考えたときに、今年は色々あった1年を振り返るのことはもちろん大事ですが、それを一歩進めて次の希望を、という空気が伝わるものにしたいと思い、その未来志向でいきたいという部分を「あした」という言葉で表現しました。『紅白歌合戦』は12月31日、その明日というと1月1日で、ひとりで観ている人も家族で観ている人も、明日からリスタート、再出発、そういう気持ちを持って、番組を共有していただきたいという思いを込めました。

    ――今年の“紅白情報”第1弾として、放送時間の延長、過去最長になるということが発表されましたが、これはある程度中身が決まっていることを踏まえての時間延長なのでしょうか?
    【原田】 具体的に決まっているというわけではありません。ただ歌手のみなさんにとっては、3月の東日本大震災直後に世の中全体がエンターテインメント自粛、というムードになったあと、4月、5月になると逆に被災地の方から「歌に勇気付けられました」というメッセージをもらい、それで「必要とされていたんだ」「歌が求められてるんだ」ということを実感して、原点に立ち返って、歌を歌わなければいけないんだ、という使命感に燃えた方がたくさんいらっしゃったと思います。今年の年末に生放送で歌っていただく楽曲は、その歌手の皆さんにとって大きな意味を持っていると思いますし、メッセージを込めたいという方もいらっしゃるでしょう。そういう部分をきちんと伝えるためにも、1秒でも多くの放送時間を確保することによって、番組側としてその気持ちにお応えできるのではないかという判断です。

    ――いつもの年に比べて、色々な人が、色々な思いを抱え観る『紅白』になると思いますが、そういう意味で人選、選曲にも注目が集まりそうですね。
    【原田】 3月以降、急に結婚する人が増えたり、久しぶりに離れて暮らす親やおばあちゃんに連絡を取ったという人が多いという話を聞きますし、今年の年末は親や友達に会いに故郷に帰ってみようという人も多いと思います。そういった触れ合いの媒介役として番組が機能してくれると嬉しいです。

    ――今年は“原点回帰”とお聞きしましたが……?
    【原田】 第二次大戦後、日本がまさに復興を遂げているときに、ラジオでやった『紅白音楽試合』(昭和20年12月31日)という番組が『紅白歌合戦』のルーツなんです。その5年後、昭和26年1月3日からテレビで『紅白歌合戦』がスタートして、そこから数えて62回目。歴史的なレールは違いますが、打ちひしがれた日本中の人々に、何かしら元気を贈ろうという意味合いでスタートした番組が『紅白』なんです。今年は出演者の決定や選曲も含めて、そういう気持ちでやらなければいけないと思っています。

    ――今年の音楽シーンで原田さんが気になったこと、良かったものってありますか?
    【原田】 色々なライブを観に行くにつけ、そこで感じたのが、お客さんのライブの楽しみ方が、表現力豊かで、一体感が伝わってきたということです。

    ――ライブを楽しもうとか共有しようという空気がすごく伝わってきますよね。
    【原田】 特にベテランの方のライブは、ライブハウスで観ているような熱気で、アーティストとお客さん双方が盛り上げようとしている姿がすごく印象的でした。プログラミングされた演出ではなく、その1曲1曲に魂を込めて届けようとして、お客さんにもそれを共有しようという気持ちがすごくあるし、みんな“生”を共感したいんだなあと、客席にいて感じました。

    ――その“生”を共有するということに拘っている方も多いですし。
    【原田】 原由子さん(サザンオールスターズ)が新聞で連載されているコラム(「あじわい夕日新聞」(朝日新聞・夕刊) 隔週金曜日掲載)で、“歌の遠心力”ということをおっしゃってまして、ひとつの歌というのはそのアーティストさんの周りで回っているのかもしれない。でも、百人、千人、1万人と会場が大きくなればなるほど、どんどん外の力が広がってきて、巨大なエネルギー体になると。そんなエネルギーをみなさんが楽しんでいる風景を、毎週のようにライブ会場で観ました。音楽を楽しみたいという気持ちをお客さんが持っていて、それが昔より強くなっているのではないでしょうか?音楽を個々で楽しみたいというより、お祭り気分でみんなで楽しみたいという人が増えたのでしょうか。そういう意味でライブを楽しむ側も表現している、ということです。

    ――昨年同様、CDの売上げ、ライブの動員も好調なK-POP勢ですが、昨年1組も出場しませんでした。今年はどうなるのか、気になっている人も多いと思います。
    【原田】 K-POPだからとか、演歌だから、ロックだから、ダンスミュージックだからといってカテゴライズしてセレクトしているわけではなく、その年の『紅白』のステージで歌っていただくのにベストな方に出演をお願いしています。そういう意味でいうと、日本中で愛された楽曲や歌手のかたで、みなさんに求められている方でしたら、例えば外国の方であろうと、関係ないという考え方です。

    ――8月に放送され“夏の紅白”といわれている『思い出のメロディー』が、企画といい、出演者といい、年末の紅白のヒントになっているのでは?という感じもしますが。
    【原田】 大きな番組で今年は生放送でしたし、関係は確かに深いとは思いますが、ただここ数年あの番組と『紅白』の企画性がリンクしていたり、連続性があったりということはありません。むしろ我々スタッフ側が構成や演出力、企画力をみがく場として繋がりが深いです。

    ――実際に『紅白』の演出にも影響するのでしょうか?
    【原田】 『思い出のメロディー』といっても30代のエースの級のディレクターたちが演出をやっていて、古い曲が題材ですが、それを今の人にどういう切り口でプレゼンすれば新鮮に聴こえるのだろうとか、どういうふうに見せていったら今の曲として実感してもらえるのだろうか、ということを考えてやっています。そういう精神が『紅白』を演出するときにもつながっていると思います。ディレクターは白組担当、紅組担当に分かれますから、不思議なもので勝たなくちゃって思うんですよ。絶対に負けられないと思うんですよ(笑)。

    ――ポップス枠、演歌枠といった枠の増減に関してはいかがですか?
    【原田】 老若男女の視聴者に向けて、というスタンスは変わりませんので、大幅な増減はないと思います。その姿勢を貫いてきたことが、今の時代の中で非常に個性的な番組になっていると思います。

    ――暴力団排除条例が施行され、これも出演者の選出の際に影響があるという見方をする人が多いですが、その件に関してはどうお考えですか?
    【原田】 それは今までもやっていましたので、昨日今日始まったわけではありません。

    ――今年はチャリティーソングが多かったですが、そういう企画・コーナーみたいなものは考えていらっしゃるのでしょか?
    【原田】 確かに今年を象徴するようなムーブメントのひとつとは思いますが、再現性が難しい作品も多いと思います。普段の『紅白』でさえ、NHKのスタジオも楽屋も全部埋まって、ひとつもないという状態ですので(笑)。

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