ORICON STYLE

2009年11月18日
エースのカードを次々と繰り出す“攻め”の13曲

 まばたきする間もないぐらいのアグレッシブな態勢と、息を呑むほどに流麗かつ強靭なアプローチで、エースのカードばかりを次々に繰り出してくる“攻め”の13曲。20周年ラウンドを越えて新たなステージに力強く足を踏み込んだB'zは、これまで以上に守ることを知らない勇壮さと飽くなきチャレンジ精神をもって、すさまじくエネルギッシュでタフなアルバムを創り上げた。

 いったい、何がこれほどまでにふたりを駆り立てるのか?かねてから“成熟”という言葉を好まず、“少しぐらいアオいほうがいい”と語り続けてきた彼らだが、今作『MAGIC』はB'zのフロンティア魂が痛烈なまでに、120%のパワーで炸裂しているのだ。

 もちろん、その予兆がなかったわけではない。「イチブトゼンブ/DIVE」、そして「MY LONELY TOWN」という2作のシングル盤では、彼らが新たな創造的シーズンを迎えていることが、非常に強い意志をもった形で伝わってきていた。しかし、そこでわれわれが想像しえたこと以上の斬新さと鮮鋭さを兼ね備えた、いわば“B'zのニュー・スタンダード”とも呼べる楽曲たちが、本アルバムからは高らかに鳴り響いている。可能性を探求し続ける、そしてそれを体現し続ける――。言葉にするのは簡単だが、それを遂行することの凄さは、『MAGIC』を聴いてこそ理解できることだ。

胸を撃ち抜き、心を惹き付けてやまない

 それを象徴するのは、やはりタイトル・チューンである「MAGIC」だろう。他力本願的に使われる“マジック”という表現を、“自分自身の力でしか起こしえない、奇跡のような現実”という形に昇華させて謳ったこの楽曲は、まさに日和ることを知らないB'zの精神性と行動力が、そのまま焼き付けられているのだから。この楽曲と、アルバムの導入部となるギター・インストゥルメンタル曲の「Introduction」から溢れる気迫は、『MAGIC』というアルバムに彼らが注ぎ込んだ気概をもっとも端的に物語っている、といえるのではないだろうか。

 多彩なギタープレイと豊かなメロディー、そして“人と人との繋がり”を深奥な筆致で紡いだ詞世界とソウルフルなボーカル――。そこで織り成された楽曲は、どれもが胸を撃ち抜き、心を惹き付けてやまないものばかり。で、そのうで、1曲特筆しておきたい作品がある。それは、「TINY DROPS」だ。ピアノを基調としたメロウなナンバーだが、切なくも美しいギターの音色、B'zとしては珍しい“レクイエム”的な歌世界は、どうしようもないぐらいに胸が締めつけられ、なんともいえないぐらいの感涙を誘われる。圧倒的な“攻め”のアルバムであることは確かだが、その中にも“深くジェントリーな豊潤さ”を湛えていることは、ぜひお伝えしておきたいところだ。

 新しい夜明け、そして新たなるステージ。21年目のB'zが全身全霊をかけて創り出した、音楽のマジック。そのリアルさに夢中になれることに、あなたは至福を感じることだろう。

(文:竹内美保)
RELEASE
MAGIC【初回限定盤DVD付】

MAGIC【初回限定盤(DVD付)】
B'z
発売日:2009/11/18[アルバム] 価格:¥3,780(税込)
VERMILLION RECORDS 品番:BMCV-8029
DVD[収録時間:67分]レコーディングやライブなどを追ったドキュメントムービーを収録。

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MAGIC【通常盤】
B'z
発売日:2009/11/18[アルバム] 価格:¥2,940(税込)
VERMILLION RECORDS 品番:BMCV-8030

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PROFILE

松本孝弘
3月27日生まれ。大阪府出身
ギター及び、作曲、プロデュースを担当

稲葉浩志
9月23日生まれ。岡山県出身
ボーカル及び、作詞を担当

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