ORICON STYLE

2008年03月26日
最強のミュージックマンが音楽を語る!! vol.6
ユニバーサル ミュージック株式会社MILESTONE CROWDS レーベルヘッド 古賀 良氏
profile

古賀 良 氏
1999年 メリルリンチ証券会社 東京支店 投資銀行部門入社。2002年 徳間ジャパンコミュニケーションズ入社。2004年 ユニバーサル ミュージック(ユニバーサル シグマ)入社。宣伝部を経て、プロダクトマネジメント部にてTERIYAKI BOYZやWaTのアーティスト担当を務める。2008年1月1日 ユニバーサル ミュージックとして5つ目の新邦楽レーベル「MILESTONE CROWDS」レーベルヘッド就任。

「人間発電所」/ILLMATIC BUDDHA MC’S 「人間発電所」/ILLMATIC BUDDHA MC’S

 大学時代に聴きまくった「ひたすらにカッコイイ」この1曲も、「人生に影響を与える」程重要な1曲になるとは当時思いもしませんでした。大学卒業後勤めていた証券会社を辞め、好きな音楽を仕事にしようと思ったものの中々決断ができなかった2002年秋、車の中でかかっていたJ-WAVE「SOUL TRAIN」で久しぶりにこの曲がリクエストされ懐かしく聴いていました。リクエストをしたリスナーが「RYUさん、歌詞の『気持ちがレイムじゃモノホンプレイヤーになれねえ』の『レイム』って何ですか?」という質問をしていたのに対して、番組MC RYUさんの「『レイム』ってのは『中途半端』って意味だよ!何でもさ『中途半端』な気持ちじゃ本物にはなれないってこと!」って言葉が自分に言われているようで、最終的にレコード会社への転職を決めました。国道6号線の千葉(松戸)と東京の境目辺りで聴いたのも鮮明に覚えています。「人間発電所」+「RYUさんの言葉」が人生に影響を与えたと言ったほうがより正確かもですね。目指せ、モノホンプレイヤー!

『SPACY』/山下達郎 『SPACY』/山下達郎

 世代的にはどうしても「クリスマス・イブ」ぐらいからオンタイムになるのですが、’77年(当時私は2歳)にリリースされた本作を知るきっかけになったのは、A面1曲目に収録されている「LOVE SPACE」が、渋谷organ barのDJ須永辰緒氏のMIX TAPEに収録されていたから。それから『SPACY』以外のアルバムも聴きましたが、My favoriteという意味では『SPACY』。特に「LOVE SPACE」のイントロ(佐藤博氏による黒鍵連打)は、本当に聴いていてワクワクさせる昂揚感があります。音楽の仕事をするようになった今でもイントロに拘るのは、もしかしたら「LOVE SPACE」の影響かもしれません。

『THE SIDEWINDER』/LEE MORGAN 『THE SIDEWINDER』/LEE MORGAN

 Jazzを初めて「カッコイイ」と思った曲が、タイトル曲の「THE SIDEWINDER」。多分高校生だったと思います。兄が新宿のJazz Bar「DUG」で大学4年間バイトをしていた影響で、中学3年あたりから大量のJazzを聴かされていましたが、あまり興味を持つことも無かった中、「THE SIDEWINDER」はヒットでした。どうして惹かれたのかと問われても明確な答えはありませんが、調べてみると「8ビートで演奏する歯切れのいいブルース」とのこと・・(すみません)。ただ、この盤をあの時聴いていなかったら、今では大好きなJazzが好きになることも無かったかもしれません。音楽を好きになるのはタイミングだったりしますから。音楽自体ではありませんが、フランシス・ウルフが撮影し、リード・マイルスがデザインする本作含むBLUE NOTE盤のジャケットは、全てといって過言でない程、本当に素晴らしい!

株式会社EPICレコードジャパン代表取締役社長小林 和之

小林 和之 氏

1956年神戸市生まれ。ミュージシャンとしての活動を経て1982年3月(株)EPIC・ソニー(現 EPICレコー ドジャパン)に入社、制作ディレクター、プロデューサーとして数々のアーティストを担当。 2002年2月(株)ソニー・ミュージックエンタテインメントの組織改編と共に(株)EPICレコードジャパンが設立され、 同年10月同社代表取締役に就任し、現在に至る。

夜空の星/加山雄三 夜空の星/加山雄三

 僕は1956年神戸で生まれ育ちました。小学校3年の冬、当時怪獣モノにはまっていました。街の映画館にメチャクチャ楽しみにしていた『怪獣大戦争』(東宝)を母親に連れられて行ったのです。併映になっていたが『エレキの大将』。そのタイトルバックで加山雄三がエレキを演奏しながら「夜空の星」を歌う姿と音に、生まれてから今まで経験のない稲妻のようなものが心の中に走り回り、そして劇中のGO!GO!エレキ合戦でこの曲を歌うシーンがあって涙が出てきたのを今でも思い出します(笑)

『Deja vu』/クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング 『Deja vu』/クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング

 中学校2年の時、県の水泳強化選手でした。過度の練習でその年の冬に急性腎炎で3月〜6月まで入院生活を送り、退院しても運動は一年間とめられていたので学校に行く気がなく1年間、休学をしてしまいました。
学校も行かず本と深夜放送を愛する内向的な1年だったのですが、ある日街角に貼られた一枚の映画ポスターに水溜りに戯れる全裸の女性の場面があり、内容よりも不純な期待でその映画を観に行きました。オープニングとエンディングに流れたのがCSN&Yのタイトル曲「ウッドストック」。小3のエレキショック以来2度目の電流が体に走り、その帰りに貯めてあったお金を全部叩いて『デジャ・ヴ』を手に入れ、その後はライブアルバム『4ウェイ・ストリート』の流れで完全にアメリカンロックの虜になっていったのです。1970年万国博覧会開催された年です。

『まずいリズムでベルが鳴る』/大澤誉志幸 『まずいリズムでベルが鳴る』/大澤誉志幸

 ディレクターは曲アレンジをすると勘違いして入ったエピックソニーで、僕がデビュー前から手がけた初めてのアーチストのデビューアルバム。当時、大澤さん、渡辺音楽出版の大プロデューサーであった木崎賢治さん(現バンプオブチキン、プロデューサー)と作詞を初めてやる銀色夏生さんの4人で、ほぼ毎日エピックの窓のないブースでギターを弾きながら曲打ち合わせした超入れ込んだ作品です。アレンジャーは故大村雅朗氏。サザンソウルのテイストをもった声と曲とアレンジは斬新かつ新鮮で、83年日本の音楽業界に一石を投じたと今でも確信しています。彼はメチャクチャ、クールでかっこよかった!
ちなみにオリコン初登場89位でした。