ORICON STYLE

2007年10月17日

秋の夜に心をつかむ歌が、きっとここにある!

ドラマ主題歌特集 2007秋

 今回のクールの特徴は“続編”が比較的少ないこと。近年のひとつの主流になっていた人気シリーズの新エピソードやかつてのヒットドラマのリメイクが影を潜め、新機軸のドラマがスタートする点にある。まるで、まっさらなキャンバスに新しい絵が描かれていくようなワクワク感。そして、それを後押しするのがストーリーと同じくきらめきに満ちたテーマ曲の数々だ。秋の夜に心をつかむ歌が、きっとこの中にある。

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『タキツバベスト』

『タキツバベスト』

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キーワードは“アーティストのコラボ”
 この秋のドラマ主題歌における注目すべきキーワードが“アーティストのコラボ”だ。まずはフジテレビ系“月9”『ガリレオ』の主題歌「KISSして」。なんと主役の2人、福山雅治と柴咲コウの組み合わせによるサウンドプロジェクトが実現した。ボーカルを柴咲、プロデュース、アレンジ、ギター、バックボーカルを福山が担当した“超豪華版”だ。福山サウンドを構築するメンバーに柴咲が参加したことから名づけられたプロジェクト名KOH+(コープラス)が意味するように、この“化学反応”は非常に興味深い。福山色の濃いロックンロールに柴咲のアクロバティックなボーカルが絶妙に絡んでくる楽しさ満点の1曲に仕上がった。

 前クールでは竹内まりやとのコラボで話題を呼んだ原由子が、3ピースピアノバンド風味堂と新たなユニット“ハラフウミ”を組んだ。ほのぼのとしたなかにも深い味わいのある音楽を追求するアーティスト同士による“地に足のついた”音づくりが心にじわじわと感動をもたらす。ハラフウミが奏でるフジテレビ系『スワンの馬鹿!〜こづかい3万円の恋〜』の主題歌「夢を誓った木の下で」はそんな温かい空気感に包まれた曲。ポケットにいつも入れて歩きたい音楽。

 ポルノグラフィティの新藤晴一が作詞、歌う藤木直人が作曲をした「Tuning Note」は日本テレビ系土曜深夜ドラマ『ハリ系』の主題歌。絵本の世界をイメージさせる心温まるファンタジードラマを彩る曲ということもあり、心の通い合いをギターのチューニングに置き換えて表現した手法が光る。イントロのハーモニクスを用いた始まりから一気に世界へ引き込んでいく力に溢れた作品である。

 タッキー&翼も意外なアーティストとコラボレーションをキメた。その相手は藤井フミヤ・藤井尚之兄弟。フミヤ作詞・尚之作曲による「Daydreamer」はテレビ朝日系『京都地検の女』の主題歌。この季節に溶け込みそうなほど、ピッタリとフィットしたミディアムテンポのバラードは、タキツバの新たな一面を垣間見せてくれる。デビュー5周年記念のベストアルバム『タキツバベスト』の通常盤・赤にのみ収録される。

 さらに、TBS系『歌姫』の主題歌「青春(SEISYuN)」はTOKIOと長渕剛によるタッグ。中島みゆきや甲斐よしひろらとのコラボでミュージシャンとしての幅を広げてきたTOKIOが、魂の歌とも言える長渕流ロックナンバーをどう表現していくのか、大いに楽しみにしたい。

 
 

主題歌で実績を持つアーティストが勢ぞろい”
 主題歌でヒットの実績を持つアーティストもズラリと並んだ。コブクロは日本テレビ系『ドリーム☆アゲイン』の主題歌「蒼く 優しく」を完成させた。夢をモチーフに自分らしさと向き合うことをしたためた、彼らならではの懐の広い、スケールの大きな楽曲。ストリングスの音色と2人の声が折り重ねて行く“詩”の世界は圧巻の一言。彼らの名を一躍浸透させた「ここにしか咲かない花」がヒットするきっかけとなった日テレ土曜9時ワクとのジョイントで、再び日本中に感動の輪を広げることとなりそうだ。

 1作ごとに勢いを増しているロックバンドUVERworldは日本テレビ系『働きマン』の主題歌「浮世CROSSING」を担当。縦横無尽に駆け抜けていくかのような疾走感とビートが聴く者にパワーとエネルギーを与えていく。それでいながらキャッチーなメロディーと印象深いフレーズがしっかりと根幹を形成しており、ファン以外へも浸透する可能性は大。これまで以上の注目度とセールスを期待できそうな作品だ。

 上戸彩主演のフジテレビ系『暴れん坊ママ』の主題歌を歌うのはmihimaru GT。その作品はなんと、1988年に全世界でヒットしたカイリー・ミノーグの「I SHOULD BE SO LUCKY」をミヒマル流に新解釈した“リニューアル”ナンバー。ユーロビートの名曲に、彼らのアッパーなポップスセンスがミックスされた耳なじみのよい“新作”が心を弾ませる。

 新機軸ドラマが多いなか、絶大な支持を受けての続編登場となったのが、フジテレビ系『医龍 Team Medical Dragon 2』。主題歌を担当するのは前シリーズに引き続きAI。今シリーズのために書き下ろされた「ONE」は彼女のボーカルを際立たせる極上のバラード。エモーショナルになりすぎず語るように歌うAIのボーカルが心に染みる逸品だ。

 KAT-TUNも新曲がドラマ主題歌となるアーティスト。メンバーの赤西仁主演の日本テレビ系『有閑倶楽部』でオンエアされるこの作品にも既に大きな注目が集まっている。

 
 

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初の主題歌を歌うのは・・・
 一方で、今回が初の主題歌というアーティストもいる。1組目はAqua Timez。映画主題歌やCMソング、アニメテーマなどでその歌心を綴ってきた彼らだが、意外にもドラマタイアップは今回が初。「小さな掌」は仲間由紀恵・泉ピン子主演で話題を呼ぶTBS系『ジョシデカ!―女子刑事―』の主題歌だ。ありがとうという“感謝”の言葉と前に進むという“未来”への希望を込めた、力強さと優しさに溢れた曲だが、彼ららしいメッセージが爽やかに心に吹き込んでくる。

 w-inds.もドラマ主題歌に挑戦する1組。テレビ朝日系『オトコの子育て』の主題歌となる「Beautiful Life」は外国人作家を起用したアップテンポでダンサブルなナンバー。新しいタイプのホームコメディーにw-inds.のキレのある歌がどんな色を添えるのか、乞うご期待。

 CMソング&本人出演でセンセーショナルなデビューを飾ったERIKAも初のドラマ主題歌「Destination Nowhere」を歌う。テレビ朝日系金曜ナイトドラマ『モップガール』の主題歌となったこのナンバーはロック色の強かった前作に比べ、メッセージ色を強めながらも透明感を湛えたミドルテンポの佳作。今作でも話題を巻き起こすのだろうか。

 最後に、明石家さんま・長澤まさみ主演で話題を呼ぶTBS系日曜劇場『ハタチの恋人』の主題歌「恋ってカンジ!?」を紹介。英国出身の女性ボーカル3人+バックバンド4人編成のバンド、ザ・ピペッツの日本デビュー作に収められているこの曲は、60年代の洋楽フレーバーを携えた親しみやすい作品。かつての洋楽ファンには懐かしく、現代のJ-POPファンにはオシャレに響くサウンドに要注目だ!

(文:田井裕規)

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