ORICON STYLE

2006年08月02日
山梨県・身曾岐神社の能楽殿でゆずが日本の名曲を歌う!特別な空間をとれたてレポート!!ゆずスマイルコンサート2006 にほんのうた 7月30日(日)

大自然の中ならではのステキなエピソード
 八ヶ岳南山麓、高原の避暑地に鎮座する身曾岐神社で、ゆずスマイルコンサート2006『にほんのうた』が開かれた。今年で結成10周年を迎えた彼らからのメッセージは、“にほんの心を感じてほしい”というものだった。

ゆずの写真

 神池に浮かんだ能楽殿のステージ。その前に組まれた特設ステージで、この日のために北川が編成した和光太鼓隊のちびっ子たちが和太鼓を披露するという微笑ましい光景からコンサートは幕を開けた。そして登場した2人。マイクにトンボがとまっていたのも、大自然の中ならではのエピソード。北川はピアニカ、岩沢はアコースティックギターを抱えて。シンプルな音と2人の声、そして集まった約1500人の手拍子。それだけで心はとても満たされた。時折り、ヒグラシ(セミです)の鳴き声が涼しげな効果音として入り、ムードをさらに盛り上げる。

ゆず 北川悠仁の写真

 この日2人が選んだ歌は、ゆずの歌プラス、童謡やわらべ歌、歌謡曲など昔から歌い継がれてきた“にほんのうた”。まぁ、アメリカ民謡もあったのだが(「森のくまさん」)。「幸せなら手をたたこう」では全員が参加して手拍子足拍子をして遊んだり。2人が通っていた小学校の先生たちが卒業生に歌ったという「たんぽぽ」は、温かく背中を押す歌。様々な歌を聴きながら感じたのは、“歌うことの楽しさ”だった。それは幼い頃から感じていたことだと思っていたのに、今ここで新鮮な気持ちで、再認識することができたような気がする。

 中盤にはキーボードとストリングスが加わり、歌に更なる彩りを与えた。スペシャルは、「夏の思い出」から始まった“四季メドレー”。聴き慣れない音に驚いてちょっと声を潜めていたヒグラシも、「月影」のしっとりしたストリングスに反応したのか、合の手を入れるように鳴き始める。以前から思っていたことだが、ゆずの歌はとても素直で、日本の唱歌の狭間に在ってもまったく違和感がなく・・・というか、そんなことさえも忘れさせる不思議なパワーを持っている。ゆずの夏曲「またあえる日まで」で、四季はひと巡りした。どの曲も特筆したいくらいに素敵なのだが、中でも中島みゆきの「時代〜ゆずVer.」は、この日の“時代、世代を超えて・・・”というテーマにピッタリ。彼らが歌えば、それは真っ直ぐな青春ソング。

ゆずの2人にとって“とても大切な曲”は・・・
ゆず 岩沢厚治の写真 そして・・・。2人は最後の曲を、“とても大切な曲”と紹介した。

「40年前に生まれた坂本九さんの曲に、今の僕と岩沢くんの言葉とメロディを加えて作りました。ささやかな幸せを感じてもらえることを祈って、この曲を・・・・・・」

 蒼いライトの中、静かにストリングスが入り、北川は両手を広げて歌いだした。彼らの作ったフレーズには、“誰の心の中にも 今も消えない歌がある。独りぼっちに思えたら いつでも思い出してほしい・・・”というメッセージがあった。北川と岩沢の、音楽に対する純粋な気持ちと、綺麗な音が、その場の空気と相乗効果を成して、その場にいたすべての人の心を浄化していったのではないだろうか。ステージ上空の木々も凛と耳を澄ましているようで、そこから見える風景のすべてが、この歌と一体化していた。

“ささやかな幸せを祈ってる・・・”
それが、ラストのフレーズ。
大自然と、神聖なる場所と、歌、そして人々の気持ちがブレンドされ、清々しさとなって、もしくは“愛”となって、心の中に蓄積されたコンサートだった。(文:三沢千晶)

ゆずの写真

【過去の特集】
■アルバム『リボン』インタビュー
  『インタビュー初登場!『リボン』に込めた想いとは?』(2006/01/18)