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スピードスターレコーズ20周年記念イベント『斉藤和義、くるりら所属アーティストが祝福☆豪華コラボも叶った3日間をレポート』

 今年、誕生20周年を迎えた、ビクターエンタテインメントの“スピードスターレコーズ”が、1月18日〜20日に渡って記念イベント『SPEEDSTAR RECORDS 20th Anniversary Live 〜LIVE the SPEEDSTAR 20th〜』を開催!斉藤和義、くるりら所属アーティストたちが極上パフォーマンスで祝福した、スペシャルな3日間をレポート!

1月20日 <3日目>

 

世代やジャンルを超えた、バラエティに富んだラインナップ

 3日間に渡るイベントも、いよいよ最終日。この日のトップバッターは、THEラブ人間。救いようのない日常風景や魂のブルースを、この上なくエネルギッシュかつ、晴れやかなサウンドで鳴らしてみせる5人の爆発力が、1曲目「砂男」から炸裂。<「今日ライブがんばってきてね」と言ってくれたあなたにも>の部分の歌詞を、<こんな俺たちを拾ってくれたスピードスターにも>にアレンジしてみせる金田康平(歌手)の熱唱が、会場丸ごとビリビリ震わせるように響く。

 「ずっと会いたかったです。THEラブ人間はじめます!」の金田のコールから、そのまま「悪党になれたなら」へ。谷崎航大(Violin)の艶やかなバイオリンの音色と、ついには裸足で鍵盤を叩きまくるツネ・モリサワ(Key)のアグレッシブなプレイのコントラストが、そのエモーショナルな歌と楽曲によりいっそうの熱量を与えていく。4月3日にリリース予定のセカンドアルバム『SONGS』から「アンカーソング」を披露したところで、「スピードスター20周年おめでとう!」という金田のあいさつを挟んで最後に演奏したのは、ニューアルバムからもう1曲「体は冷たく、心臓は燃えている」。生命の在り処を確かめるように<心臓を雑巾のように絞って>と声を限りに叫び上げる金田の姿が、フロアに驚きと感激を巻き起こしていった。

 続いては、いまや日本を代表するジャムロック・バンドとなったSPECIAL OTHERS。「AIMS」であふれ出す、軽快なビートとアンサンブルが観客を腰から揺らし、「PB」のオーガニックかつスリリングな音像が会場の温度をさらに上げ、高らかなクラップを巻き起こしていく。インストゥルメンタル主体のバンドながら、4人のフレーズが色鮮やかに“歌って”いるそのサウンドによって多くのリスナーを魅了し、ライブシーンで圧倒的な支持を集めてきた彼ら。「我々はまだスピードスターに入って3年ぐらいですけど。ビクターでは、かれこれ6〜7年やってます」(芹澤“Remi”優真/Key)、「ディレクターとセットで入って来たんですよ(笑)。これからもよろしくお願いします」(宮原“Toyin”良太/Dr)というメンバーの言葉からも、スピードスターとの信頼関係がうかがえる。

 今年6月29日には、ジャムバンドとしては初となる日本武道館ワンマン公演が決定している彼ら。「“ロックニックの日”って覚えてください!」と朗らかに呼びかける宮原の声に、熱い拍手喝采が広がった。ラストの「BEN」では、柳下“Dayo”武史(G)がソロパートに『風の谷のナウシカ』のフレーズを忍ばせたり、芹澤がくるりの「ばらの花」を弾いてみせたり……という自由度の高さも含め、たった3曲のアクトのなかで、その音楽的な可能性を存分にアピールしてみせた。

 次は巨匠・細野晴臣高田漣(G)、伊賀航(B)、SAKEROCK伊藤大地(Dr)というメンバーとともに登場……したかと思いきや、「僕が歌う前に……いま、高田漣のソロを制作中でしょ?スピードスターで出るんだよね?」(細野)、「あ、はい。夏に」(高田)、「2曲聴かせて。高田漣ユニットで」(細野)という会話とともに、3人を残してムーンウォーク調の後ろ歩きで退場する細野。高田は、「野バラ」と「火吹竹」の2曲を披露。「“制作中”とは言っても、まだ1音も録音してないんですけど(笑)」とMCで話していたが、来るべき新作への期待感を十二分に感じさせる内容だった。

音楽の素晴らしさを再認識した3日間

 ここで再びオンステージした細野、「珍しくピアノの前で」と話していた通り、前半はピアノスタイル。「I’m Going In A Field」で雄大なスケール感を描き出したかと思えば、「じゃあ、(デューク・)エリントンの即興を模倣したやつを……」の前置きで会場を沸かせて「Untitled」へ突入したり、「このステージのせいかもしれないけど、舞台ものの悪夢を見て。演奏してるんだけど、歌詞(を書いた紙)がないわけ。その辺に散らばってるんだけど、拾ってみると、居酒屋のメニューなの。これは『歌詞を覚えなきゃダメ』っていう夢だと思って(笑)」という話で爆笑を誘ったり……。自由闊達(かったつ)な演奏とリラックスした語り口で、若いオーディエンスもぐいぐい惹き付けていくあたりはさすがだ。

 後半はアコースティックギターに持ち替えて「Cow Cow Boogie」から、スウィンギンなブギーコーナーへ。英語詞の曲が続いたところに「細野さん、日本語!」と観客から声が飛べば、「日本語?忘れた(笑)。次の曲は英語でもない。スキャット」と返して「Tutti Frutti」へ。日本の音楽をリードしてきた音楽的なレンジの広さとその歌の包容力を、どこまでも爽快に伝えてくれたステージだった。ラストの「The House of Blue Lights」の後、再びムーンウォークで退場する細野に、会場がどっと沸いたのは言うまでもない。

 3日間を締め括るのはくるり。「始めよか!」という岸田繁(Vo&G)のコールから、「everybody feels the same」、「ロックンロール」でいきなり会場を多幸感とクラップでいっぱいにしてみせる。岸田、佐藤征史(B&Vo)、吉田省念(G&VC&Vo)、ファンファン(Tp&Key&Vo)の4人に、サポートのあらきゆうこ(Dr)を加えた5人編成をコアとしつつ、「シャツを洗えば」からは権藤知彦(Euph)が加わることで、ファンファン&権藤がホーン隊となって、さらに豊潤な響きを聴かせていく。「春風」のセンチメンタルなメロディーも「argentina」のエキゾチックな躍動感も至って自然に鳴らしてみせる、まさに最高進化形の“いま”のくるり。

 先ほどの細野のMCに応える形で「僕もね、悪夢を見るんですよ。武道館の打ち上げから帰って寝て、起きてギターを弾こうとすると、弦が豆腐でできてるんですよ(笑)」とフロアを笑いで包む岸田。「僕らメジャーデビュー15周年です。大半をスピードスターと一緒に過ごさせていただきました」の言葉に、あたたかい拍手が広がる。

 「じゃあ、スピードスターで一番頑張った曲を……」と流れ込んだのは「ワールズエンド・スーパーノヴァ」。すべての音がファンファーレのように誇らしく響いた「ワンダーフォーゲル」。15年以上の付き合いになるディレクターのエピソードで笑いを誘った後、「今日でとりあえず最後なんです、ゆうこさんとは。またやるけどね、たぶんそのうちね。だから、気合いを入れて挑みますわ」の岸田の宣言とともに5人で最後に演奏したのは、メジャーデビューシングルでもある名曲「東京」。全身から振り絞るような岸田の絶唱が胸を震わせる、感動的な場面だった。

 鳴り止まないアンコールのリクエストに応えて、再登場したくるり。「スピードスターレコーズに来まして、みなさんとも会うことができましたし。ありがとう! そして、いいミュージシャンとの出会いもたくさんありました」と岸田。「1曲だけ、最新曲をやります。いい曲ができました」と披露したのは、iTunes限定配信リリースされたばかりの新曲「Remember me」。音楽の幸福感を結晶させたような歌とアンサンブルが、この最高の3日間と、この場に集まった人すべての“これから”を祝福するように美しく響いていた。
(文:高橋智樹/撮影:TEPPEI)

ライブ情報

「SPEEDSTAR RECORDS 20th Anniversary Live 〜LIVE the SPEEDSTAR 20th〜」
◆日程:2013年1月18日(金)〜1月20日(日)
◆会場:Zepp DiverCity(TOKYO)

【出演アーティスト】※出演順
<1日目>シーナ&ロケッツ/AA=/ORANGE RANGE/THE BACK HORN
<2日目>黒沼英之/ハナレグミ/関口和之・つじあやの&ウクレレキャラバン/浜崎貴司/斉藤和義
<3日目>THEラブ人間/SPECIAL OTHERS/細野晴臣/くるり

★オフィシャルHP:http://www.jvcmusic.co.jp/speedstar-20th/
☆facebook:http://www.facebook.com/Speedstar20th/
★twitter:https://twitter.com/speedstar20th
☆YouTube:http://www.youtube.com/user/Speedstar20th/

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1月18日<1日目>
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1月20日<3日目>

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