ORICON STYLE

ライブは自分たちの音楽を確認する場

BUMP OF CHICKEN BUMP OF CHICKEN

 現在3年半ぶりの全国ツアー『GOOD GLIDER TOUR』を開催中のBUMP OF CHICKEN。彼らは、この日がやって来るのを待ち望んでいた各地のオーディエンスに向けて、1曲1曲に魂を込めた演奏で、特別な時間だけが連なっていくようなライブを展開している。『COSMONAUT』以降の楽曲と過去曲が必然性をもって共鳴し、3年半の濃密な制作期間は、バンドのライブ感をもたくましくしていたのだと実感する。

【直井由文】 ライブは、楽曲を聴いてくれる人と1対1になれるものなんだなって実感する場ですよね。僕らが音楽を作るとき、まず大前提にあるのはメンバー4人が感動することなんです。自分たちが感動した音楽をリスナーに届けたいという思いが人一倍強いバンドだと思います。だから、CD制作の感覚もどこかライブに似ているんですね。3年半ぶりのツアーなんだけど“ただいま感”があまりないのは、そういうことなのかなと思っています。

【藤原基央】 いまチャマ(直井)が言ってくれましたけど、僕らはミュージシャンのなかでも、音楽はリスナーに聴いてもらってはじめて完成するという意識が強いと思います。だからリスナーとあまり離れていた感覚がないのかもしれないです。その上で、ステージでお客さんを前に演奏しながら“そうだよな、俺たちにとっての音楽はこういうものだよな”って改めて確認できている感じですね。

【升秀夫】 今回のツアーですごく感じているのが、笑顔のお客さんが多いなということ。僕らの気持ちがお客さんに伝わっているし、お客さんの気持ちも僕らに伝わっていることが実感できています。音楽を通していい交流ができているなって。

【増川弘明】 僕もお客さんの笑顔を見るとそれだけで泣きそうになる。ここは親子で来てくれている人がいるなとか、ここは男の人が多いなとか、ここは最前列にカップルがいるなとか。そうやって様々なお客さんの前で演奏できることの感謝と喜びをかみしめてます。

映画『三丁目の夕日』と4年半ぶりにコラボ

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「グッドラック」ジャケット写真 「グッドラック」ジャケット写真

 そして、このツアーでもいち早く披露しているニューシングル「グッドラック」が、2012年第1弾作品としてリリースされた。この曲は、3D映画『ALWAYS 三丁目の夕日’64』(山崎貴監督)の主題歌であり、2007年の「花の名」に続く同作品とのコラボレーションが実現した。尊い存在との別れから生まれた、気づきと祈り―。包容力に富んだメロディーのスケールとシンプルなアンサンブルで歌を育み、躍動させていくこのミドルナンバーは、BUMP OF CHICKENが鳴らすグッドミュージックの核心に触れるような感動を覚える。この曲を作るにあたって、藤原にはひとつのテーマがあった。

【藤原】 「グッドラック」は、2回にわけて作ったんですね。最初にあったテーマが、明確にAメロ、Bメロ、サビという構成があるのではなくて、16小節でひとつの塊として成立するようなメロディーが何度か繰り返されていく曲を作りたいということで。まず半分を作ったんですけど、その時すでに16小節にあたる部分のほかに「くれぐれも気を付けて〜」のところのメロディーはついていて。残りの半分を作る前に山崎貴監督から「『ALWAYS 三丁目の夕日』の続編を作るので、また主題歌をお願いできませんか?」というオファーをいただきまして、それから制作途中の映画を見せてもらったんです。前作も前々作もそうだったんですけど、今作もエラい泣かされてしまいました。曲が完成したら、映画の世界観にも合うんじゃないかと思ったんです。それからまたスタジオに入って曲の続きを書いて完成させたという流れですね。

 いつも以上にシンプルに言葉が紡がれている歌詞の筆致は、「グッドラック」というタイトルそのもの、そして近年の藤原が書く楽曲の根幹を象徴しているとも思える「魂の望む方へ」というフレーズが、豊かな迫真性と奥行きを与えている。

【藤原】 僕がずっと曲にしているテーマの種類って、そんなに多くないじゃないですか。出会いや別れ、まだ生きているということ、いつかは死んでしまうということ。さよならした人と現在の位置関係。あるいは、いつかは離れてしまうかもしれないけれど、それでもいまは側にいられるということ――そういうことを今回も歌っているわけですけど。自分の根底に血液みたいに流れている、ミュージシャンとして表現したいベーシックなことと映画の内容に近いものを感じたということですよね。“グッドラック”というテーマも早い段階からあって。なんか、そういう気分だったんです。めちゃくちゃ切なくそう思っていて。僕の曲は結局全部リンクしちゃうんですよね。「花の名」の時は、そのうち歌詞にしようと思っていた言葉を携帯電話のメモに残していて。それが組み合わさって「花の名」の歌詞になったんですよ。僕が書きたいこと、BUMP OF CHICKENが表現したいことをいつもの純度で曲にすれば、自ずと対象の作品にもハマるというか。山崎監督もそれを求めてくれていたから。

【直井】 すごく勇ましくて、優しい曲だと思います。だからベースも勇ましく、優しく弾きました。「グッドラック」って、普遍的な別れの言葉じゃないですか。その言葉に対して深く考えたことはなかったんですけど。この曲を通して「グッドラック」という言葉が持っている奥行きや自分のこれまでの人生のなかにあった「グッドラック」な出来事や思いについて考えるようになりましたね。藤原くんの書く歌詞は、いつもそうやって新しくも普遍的な気付きを与えてくれますね。

【升】 BUMP OF CHICKENの曲として独立した存在感があったうえで、しっかり映画の内容と呼応している曲に仕上がっていると思います。ドラムに関しては、さっき直井くんが言っていたような勇ましさや行進していくようなニュアンスを意識しました。

【増川】 テンポはミドルなんですけど、ダイナミックな響き方をするのがこの曲の特徴だと思います。すごく熱いものが流れているというか。映画の内容もそうですけど、時代性を超える力のある曲だと思います。

 また、2曲目の「ディアマン」は少年とシンガーの変われない、変わらない生き様が、生々しい熱をあらわにした藤原の弾き語りによって描かれている。「グッドラック」同様、こちらもじっくり楽しんでほしい。2012年もまた、BUMP OF CHICKENは、かけがえのない音楽だけを私たちに届けてくれるはずだ。

(文:三宅正一(ONBU))

RELEASE

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BUMP OF CHICKEN
2012/01/18[シングル]
価格:\1,500(税込)
トイズファクトリー
品番:TFCC-89358

グッドラック【通常盤】 CD購入(Amazon) CD購入(HMV) 着うた®配信 グッドラック【通常盤】
BUMP OF CHICKEN
2012/01/18[シングル]
価格:\1,050(税込)
トイズファクトリー
品番:TFCC-89359

PROFILE

BUMP OF CHICKEN
メンバーは、藤原基央(Vo&G)、増川弘明(G)、直井由文(B)、升秀夫(Dr)の4人。全員が千葉県佐倉市出身で、幼稚園からの幼なじみ。1994年、中3の文化祭でBUMP OF CHICKENを結成。
1999年3月18日、アルバム『FLAME VEIN』をインディーズよりリリース。その圧倒的な楽曲と演奏で大きな話題に。
2000年9月21日、シングル「ダイヤモンド」でメジャーデビュー。
2002年2月20日、アルバム『jupiter』をリリース。初の1位を獲得。
2010年4月14日、シングル「HAPPY」をリリース。1位を獲得。
2010年4月21日、シングル「魔法の料理 〜君から君へ〜」をリリース。1位を獲得。
2010年10月13日、シングル「宇宙飛行士への手紙 / モーターサイクル」をリリース。1位を獲得。
2010年12月15日、アルバム『COSMONAUT』をリリース。1位を獲得。
2011年2月23日、シングル「友達の唄」をリリース。2位を獲得。
2011年5月19日、シングル「Smile」をリリース。3位を獲得。
2011年10月19日、シングル「ゼロ」をリリース。2位を獲得。
2012年1月18日、シングル「グッドラック」をリリース。

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