
――今作は約2年ぶりの新曲ですが、今までと意気込みは違いました?
【西川】 いや、いわれてみればソロとしてはインターバルが空いたかなってぐらいで。T.M.R.として曲を出していない期間も、他のところでがむしゃらに働いてましたからね(笑)。
――確かに(笑)。ソロとバンドで制作する際の違いはあるんですか?
【西川】 組む相手とか音楽性とか歴史とかは違うけど、歌うということも音を作る作業も基本、僕のなかでは同じ。a.b.s.(abingdon boys school)を始めた頃は多少意識したほうがいいかなって思ったけど、それも違うなって。今は自分のなかにいくつか斜線があって、それをまたいで進んでいる感じですね。
――その感覚って並行していろいろやってる西川さん独特の感覚かもしれないんですね。
【西川】 そうですね。実際に「Naked arms」は、昨年の『イナズマロック フェス』の直前ぐらいの制作だったし、「SWORD SUMMIT」は舞台の休演日にレコーディングしたので。で、気合を入れて力んでやるもんかと思いきや、その方があまり構えずにできるというか。曲の雰囲気とかに体が自然に反応してたから、そこは力まず反応するままの方がいいのかなって思ってやっていました。
――曲自体はどちらも“T.M.R.ここにあり”って感じで、かなり気合が入って迫力がありましたが。
【西川】 今回は『戦国BASARA』シリーズのゲームとアニメの主題歌で、『戦国BASARA』とはかれこれ5年のお付き合いですからね。やっぱり作品の勢いとか持ち味っていうものはそれぞれの曲に出ていて。ただテーマとしてはゲームとアニメで世界観もキャラクターも違うので曲もそこに沿わせて。「Naked arms」はゲームでいよいよ徳川家康が天下を取りにいくって内容だし、アニメの「SWORD SUMMIT」は織田信長亡き後の混沌とした状態なので、そこの違いとかで歌詞も変化させてるんですよ。

――「Naked arms」はミュージックビデオも曲の世界観がMAXで表現されていて、斬新な映像だなと思いました。
【西川】 今回はいよいよT.M.R.も15周年だし、ここからアルバムまで突っ走っていこうってことで、ミュージックビデオもそれ相応の気合で挑みたいってところはあったんですよ。で、今までは自分でプロットを書いてそれに合う監督を探してというやり方をしてたんだけど、今回は自分の発想にないものを出してくれる人にやってもらおうと思って。だから最初の判断以外はすべておまかせだったんです。実際に出来上がったら面白い映像になっていて、良かったなと思いましたね。
――身をまかせるのもいいなと。
【西川】 そうあるべきだと思うし、自分が牽引して斬新なことをやるのは10年目ぐらいまでだなって思ってたんですよ。大きい目標は自分で決めるけど、そこに枝葉として彩りを与えてくれるのは自分以外の人達のほうがいい。そうじゃないと絶対、古くなるから。
――10年以上となると、自分ひとりでやるには限界がある?
【西川】 というよりもう10年以上やったら(T.M.R.は)僕ひとりではなく、みんなのものっていう感覚ですね。公園のジャングルジムのようなもので、誰が昇っても本体は変わらないっていう。逆にそこでブレるようじゃダメだと思うし。
――さきほどアルバムの話も出てましたけど、こちらの制作も始まってるんですか?
【西川】 始めています。最初は方向性とか決めようと思ったけどやめました。だってオリジナルアルバムは5年ぶりだから。5年も空いたらもう全部得意技でいいじゃん!って。なのでどんな作品になるか今はまださっぱりわかりません(笑)。
(文:若松正子)

