ORICON STYLE

2010年03月31日

坂本真綾 Special Interview デビュー15周年"人生最大の出来事"を乗り越えたマーヤが今だから気づけたこと 純度の高いプラチナのような楽曲を生み出し続けてきた坂本真綾が、デビュー15周年を迎え、30歳の誕生日である3月31日に2枚組ベストアルバム『everywhere』をリリース。同日に初の日本武道館公演も控える彼女に、15年の軌跡を振り返ってもらった。

10代の頃はまだ分からなかった“崖っぷち”が分かるように

――デビューした頃は高校生でしたね。

ヘミソフィア

【坂本】 普通の学校生活を送っていました。周りも私がこういう活動をしていることは気にしていなくて、放課後はみんなで高校の近くのファミリーレストランにたまったり。ただ、その店の大きなビジョンに「Feel Myself」のPVが流れることになっちゃって。そのときはすごくイヤでした(笑)。

――そんな頃から15年間の作品を集めたベスト盤ですが、歌っていた当時と今とでとらえ方が変わったような曲はありますか?
【坂本】 “10代の自分はどう考えていたのかな?”と思うのは「ユッカ」ですね。普遍的なテーマの深い歌詞なので。あと、「ヘミソフィア」はよく分からないまま、反射だけで歌っていましたね。すごく変わった曲というイメージで、勇まし過ぎて<あいつらは〜>とかどう歌えばいいんだろう?と。自分とは少し離れてる感じがしていました。

――そうですか?<僕は僕のことが知りたい>とか、真綾さんが自分で書く内省的な詞とも通じている気もしますが。
【坂本】 詞の意味が分からなかったわけではないんですけど、当時の自分はそこまで<崖っぷちに立たされた>こともなかったし、ものすごく共感するという感じではなかったんですね。「この曲を聴いて勇気づけられました」という手紙をいっぱいもらって、そういう歌として届いてるのが意外でした。昨年久しぶりに菅野よう子さんのライブで歌ったら、今の自分にはスッと馴染む感じがしましたけど。

――今は崖っぷちに立つ経験もしたから?
【坂本】そうですね……まぁ、いろいろと(笑)。

菅野さんから離れたのは「人生最大の出来事でした」

少年アリス ――今回のベストにも、歌っていた当時は実は煮詰まっていて…という曲があったり?
【坂本】 「光あれ」の詞は、閉塞感というか、追い詰められた心境のときに書きました。ミュージカル(レ・ミゼラブル)に挑戦した時期でもあって、未知との遭遇で挫折感も味わって。音楽のほうでも、自分が積み上げてきたつもりのものがガラガラと……ゼロになってしまったように感じていたんです。

――でも、「光あれ」って、すごく大きな想いを歌っていますよね。
【坂本】 当時ファンクラブも立ち上げて、予想を遥かに越える数の方が入会してくれて。嬉しい反面、“こんなに自信のない私が、こんなに期待されているの?”と思いました。でも弱音を吐くわけにはいかない…という気持ちが逆に強く出て、『少年アリス』には「光あれ」の他にも、吠えているような歌詞が多いんです(笑)。アルバムとしては骨太に聴こえて良い方向に作用したけど、当時はメッセージを発したくても、せいぜい“いつか”歩いてみせる……としか書けない。「光あれ」と言いつつ、光が全然ない状態の私でした(笑)。

――でも今は光あふれる状態に?
【坂本】 いろいろなことがクリアになってきているとは思います。菅野よう子さんのプロデュースが『少年アリス』まで。そこから自分の足で歩き出して、またたくさんの未知との遭遇が始まり、大変な思いをしながら、刺激もいろいろ受けました。そういうことを経て、自分に対する信頼が戻ってきた感じです。

――菅野さんプロデュースから離れたことは、大きな決断だったかと思いますが。
【坂本】 人生最大の出来事でしたね。でも、そうするしかない感じが、私にも菅野さんにもありました。当時の閉塞感の一部には、「いいアルバムだね」と言われても“自分が評価されているわけじゃない”という冷めた気持ちがどこかにあって。一方で“頼れば何とかしてくれる”と逃げ道にしていた部分もあったし。自分で何もしないまま、大人になろうとしている。そんな状況を変えないことには先はない、という。もちろん不安でした。「菅野さんとやってたときのほうが良かった」と言われるかも……と思わないわけがない。だけど、自分なりの居場所が見えるまでやってみたい。ダメならそれまでのことだと、腹をくくりました。

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(文:斉藤貴志)

Maaya's History

  • Sg「プラチナ」(99/10/21発売)
  • Al『Lucy』(01/03/28発売) 「紅茶」
  • Sg「ヘミソフィア」(02/02/21発売)
  • Al『シングルコレクション+ニコパチ』(03/07/30発売)〜収録「ダニエル」
  • Al『かぜよみ』(09/01/14発売) 〜収録「カザミドリ」「Remedy」
and more

Release

everywhere

everywhere
坂本真綾
2010/03/31[アルバム] フライングドッグ

【初回限定盤】2CD+DVD
※「everywhere」、「マジックナンバー」PV収録
価格:¥3,780(税込) 品番:VTZL-15

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【通常盤】2CD
価格:¥3,780(税込) 品番:VTCL-70001/2

CD購入(Amazon) 着うた®配信

【収録曲】

<Disc1>
1.I.D.
2.マメシバ
3.birds
4.うちゅうひこうしのうた
5.指輪−23カラット−
6.奇跡の海
7.ヘミソフィア
8.紅茶
9.風が吹く日
10.Gift
11.パイロット
12.tune the rainbow
13.カザミドリ
14.約束はいらない
15.ループ〜sunset side

<Disc2>
1.マジックナンバー <123!mix>
2.Remedy
3.光あれ
4.僕たちが恋をする理由
5.ダニエル
6.ユッカ
7.blind summer fish
8.gravity
9.NO FEAR/あいすること
10.30minutes night flight
11.プラチナ
12.Feel Myself
13.ユニバース
14.ポケットを空にして
15.everywhere

Profile

坂本真綾(サカモト マアヤ)
1980年3月31日生まれ、東京都出身。A型。
幼少より劇団の子役として活躍。15歳から本格的に音楽活動を開始。菅野よう子プロデュースの元、シングル「約束はいらない」「Gift」「プラチナ」、アルバム『DIVE』『ニコパチ』『少年アリス』など多くの作品を発表。2003年からは菅野のプロデュースを離れ、「ループ」「マジックナンバー」『夕凪LOOP』『かぜよみ』などを発表し、新たな魅力を見せ続けている。
2009年1月には、初のホールライブツアーを開催。音楽以外の分野でも、舞台、声優、執筆、ラジオパーソナリティなど、多方面で活動。
30歳の誕生日である2010年3月31日、初のベストアルバム『everywhere』をリリース。同日、初の武道館公演『坂本真綾 15周年記念LIVE「Gift」』を開催。

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