過去・現在・未来が連鎖あるいは交錯して織り成された、記憶のタペストリー。残像が輝き続けるなか、それでも何より“今”を愛しく思う。美しいメロディー、有機的かつ豊潤なバンド・アンサンブルに乗せて、凛とした歌声で紡ぎ出される「R.I.P.」(安らかに眠れ)――。その世界観は、あまりにも深奥だ。 【藤原】 “R.I.P.”という言葉に対しては、聴いてくださった人それぞれが感じる“R.I.P.”を想像していただければ、と思っています。それは例えば、物に対しての“R.I.P.”でもいいし、記憶に対してでもいいし・・・、何に対してでもいいんです。ただ、この曲の中には“同世代の人に反応してもらえたら嬉しいな”と思うキーワードがけっこう入っていますし、PVの映像でもそれが活かされています。 【増川】 映像制作は、監督さんが最初の原形となるものをまず提示してくださって。そこに藤原を中心とした僕らの側から“ガラス、鏡、水面、メガネ、フラスコといった、何かが映り込んだり反射する物から、どんどん世界が変わっていく”というアイディアを加えて。そのアイディアが、最終的な完成形に結びつくもとになりました。 【升】 すごくスピード感のある曲で、詞も自分にとってフラッシュバックするものがあって。そういう曲を自分のフィルターを通して表現できる、というのは嬉しかったですね。レコーディングに向けてはもちろんですけれど、PVの演奏シーンに対してもかなり練習を重ねて臨みました。 【直井】 僕ら、聴き手を自分たちから選ぶようなことはしたくないんです。音楽はもちろん、それは映像も同じで。4人とも、普遍的なもの以外・・・、奇抜なものとかはすごくイヤで。意味のないものを映像として流し続けることに対しては、すごく抵抗があるんですよね。
その“普遍性”を湛えながら、ピースフルなイメージで包み込んでくれるのが、「Merry Christmas」。アイリッシュ・トラッドの香りも漂うこのナンバーは、「クリスマスを題材とした曲が藤原から出てきたこと、それが驚きでした」と増川が語る通り、BUMP OF CHICKENにはめずらしいシーズンズ・ソングだ。 【直井】 「スノースマイル」も夏フェスでやったりするとすごく気持ちがいいので、この曲も夏の時期のライブでやりたい。そして“こいつらバカだなー”って思われる(笑)。でも、僕ら的には曲に差別はないし、いつも4人が“やりたいね”って思うその気持ちが大事だと思うので。そういう時にやれない曲があるバンドではない、と思いますし。 【藤原】 この曲は実は、僕らのプロデューサーのリクエストを受けて書いたんです。でも“メリークリスマス”って歌うことの気持ち良さは、自分で曲を書いて歌ってみないとわからないことでしたね。PVの撮影も、すごく楽しくて。コミカルな部分もある映像の中の細々としたエピソードは、僕らが出した案なんですけれど。この映像はもう、僕らの原風景ですね(笑)。 (文:竹内美保)
メンバーは、藤原基央(Vo&G)、増川弘明(G)、直井由文(B)、升秀夫(Dr)の4人。全員が千葉県佐倉市出身で、幼稚園からの幼なじみ。1994年、中3の文化祭でBUMP OF CHICKENを結成。
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