ORICON STYLE

2009年06月24日
デビュー5周年目の翌日となる6月24日に5枚目のオリジナルアルバム『HOCUS POCUS』をリリースする木村カエラ。前4作も、カエラというアーティストならではの自由な作風と、独自の感性で綴られる楽曲たちで構成されていたが、今作はこれまでのどの作品よりも自身を外へ向けて解き放った、リスナーとの距離を近づけたアルバムといえるだろう。

初めて自分探しをしながら作ったアルバム

──毎回、おもちゃ箱のようにさまざまなテイストの楽曲たちとそのビジュアルで、視覚聴覚を刺激し、楽しませてくれるカエラちゃんですが、5thアルバム『HOCUS POCUS』のテーマはどんなものだった?
【カエラ】 今回は初めて、アルバムを作るにあたってのコンセプトというものをあえて決めずに、タイトルもレコーディングが終わってから付けたり、自分探しをしながら歌詞を書いたりしていったんですよ。だから、作り終わってみて、何より私自身が「あっ、こういうことが言いたいんだな今・・・」っていうのに気づいたアルバムだったんですよね。

──では、『HOCUS POCUS』というタイトルは、すべてが出来上がって最後につけたの?
【カエラ】 はい。『HOCUS POCUS』には“ちちんぷいぷい”って意味があるんですけど、今回、全曲に共通して言っていることが“あんな自分になりたいな、こんな自分になりたいな”とか、これからの未来のことに対してのメッセージなんですよね。もちろんそのなかで、もとになっているものはずっと同じだったりするんでしょうけど、気持ちの移り変わりとか、自身の変化とかによって、今までとは明らかに違う考えが自分のなかでたくさん出てくるようになって。そんな自分に対して戸惑ったり、それが一体どういう意味なのか迷ったりすることもあるけれども、実はそれってとても自然なことで。

──間違いなく成長痛だよね。だけど、それをそのままストレートに表現せず、“ちちんぷいぷい”ってフレーズにしているのがまたカエラちゃんらしいなって。
【カエラ】 これって、子供からおじいちゃんおばあちゃんまで知っているおまじないなんだけど、具体的に「何が?」っていうことはみんなわからないじゃない?だけど、誰もが一度聞いたら忘れられないすごく可愛らしい言葉。“あんな自分やこんな自分になりたい”“これからこんな自分になりたい”っていう意思に対して『HOCUS POCUS』=“ちちんぷいぷい”っておまじないをかけられたら、すごく気持ちが明るくなるというか、心に丸みを帯びるんじゃないかなって思ったんですよね。

人が感じていることを書きたいって思うように・・・

──まさに今作は聴いていて自然とテンションが上がってくるし、今までで一番外へ解き放たれた、気持ちが前に向けられたアルバムだなって。そういった心の変化は、やっぱり5周年目に突入したことが影響している?
【カエラ】 それは間違いなくありますね。だけど、シングル「どこ」を出したのが自分のなかで一番大きな理由としてあって。今まで“心はどこへ向かうんだろう?”ってことをずっとテーマに、自分の内に向かって歌詞を書き続けていた部分があったんです。もし今までの私の歌詞が1冊の本にまとめられたとしたら、「どこ」自体があとがきのような、それを読んでしまえば感想文が書けるぐらいの曲というか。自分でもこれまでにないほど外に向いていた曲だった気がしたんですよね。しかも、ちょうどこの夏に5周年を迎えることで、何か今までと違うものを作りたいという気持ちがどこかにあったし、人が感じていることを書きたいって思うようになったんです。

──それは大きな変化だね。カエラちゃんはいつも真正面から向き合って、自問自答しながら歌詞を書いていたけれど、今回はそのなかに第3者が新たな登場人物として存在していると。
【カエラ】 そう!今回は歌詞の書き方も現実味を帯びていたりとか、ちょっと変わった言葉で歌詞が構成されていたとしても、聴いた人にとって想像しやすいものになっているのが、今作の特長なのかなって思いますね。

──サウンドは相変わらずいろんなバリエーションがあるにも関わらず、すごくトータル感があるなって。
【カエラ】 ホント自分でもすごく不思議だなって!今回はさらにいろんなアーティストの方たちに曲を作ってもらったんですけど、彼らとのモードが一致していたというか。1曲1曲を並べるといつも以上にバラバラな気がしたんですけど、アルバムとして、この『HOCUS POCUS』のイメージで1枚にまとめてしまうと、なぜか統一感があるんですよね。

──きっとそれは木村カエラという太い軸があるゆえなんだなって。もちろんデビュー当時からの世界観、カラーって唯一無二だったけれど、1年ごとにどんどんそれが濃厚になってきてる。カエラちゃん自身もそれは感じている?
【カエラ】 5年経って、やっとちゃんと自分の歌詞、世界観というものを客観視できるようになったというのはありますね。そのぶん今までで今作が一番難産でしたけど。

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(文:星野彩乃)
(写真:草刈雅之)

RELEASE

HOCUS POCUS【初回盤DVD付】
木村カエラ
発売日:2009/06/24[アルバム] 価格:\3,465(税込)
コロムビアミュージックエンタテインメント 品番:COZP-373/4

HOCUS POCUS【通常盤】
木村カエラ
発売日:2009/06/24[アルバム] 価格:\2,940(税込)
コロムビアミュージックエンタテインメント 品番:COCP-35635

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PROFILE

2004年6月23日、シングル「Level 42」でメジャーデビュー。
その後、「リルラ リルハ」「Magic Music」「Yellow」など、数々のシングル、アルバムをリリース。
2008年2月6日、シングル「Jasper」をリリース。9位を獲得。
2008年4月2日、アルバム『+1』をリリース。3位を獲得。
2008年9月10日、シングル「マスタッシュ/memories(original version)」をリリース。7位を獲得。
2009年1月28日、シングル「どこ」をリリース。5位を獲得。
2009年5月8日、シングル「BANZAI」をリリース。4位を獲得。
2009年6月24日、アルバム『HOCUS POCUS』をリリース。

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