ORICON STYLE

2009年03月04日

KOH+としてリリースされた映画『容疑者Xの献身』の主題歌「最愛」、映画『空へ』の主題歌に起用された配信限定シングル「君の声」と、映画主題歌への楽曲提供が続いている柴咲コウが、2009年第1弾シングルとして、『映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』(3月7日公開)の書き下ろし主題歌「大切にするよ」をリリースする。親と子供、恋人や友達同士の愛情をテーマにしたミディアムバラードは、映画館にあたたかい感動の涙を運ぶに違いない。

え?ほんとに?ちょっと疑っていたので(笑)

──『ドラえもん』の映画主題歌の依頼がきたときはどう思いました?
【柴咲】 最初に聞いたときは、「え?ほんとに決まっているの?いろんな人にプレゼンをかけた結果、やっぱり落ちましたっていうことになるんじゃないの?」って、ちょっと疑ってたので(笑)、あとから実感が湧いてきて。小さいころからテレビで放映されていたアニメを観ていたので、身近な存在である『ドラえもん』の映画主題歌を歌わせてもらえるっていうことにすごく喜びを感じていますね。

──小さい頃からよく観ていました?
【柴咲】 毎週欠かさずかっていわれたら・・・そこまででもないかもしれませんけど(笑)、夕飯を食べながら観ていた思い出がありますね。それに、学校でもかならず1回は話題にでるじゃないですか。「ドラえもんの道具でなにが好き?」って。

──ちなみに柴咲さんはなんて答えていました?
【柴咲】 私は「スモールライト」が欲しかったんですよね。小さいときから、物を小さくできるのは便利だなって思ってて。部屋の模様替えも簡単だし(笑)、重い荷物も軽くなるし、アリの視点でものを見るのも面白そうだなって。あとは、自分がちいさくなって、誰かのポケットに入って、旅をしてみたいなって思っていました。

──最新作のオリジナルである『映画ドラえもん のび太の宇宙開拓史』の公開(1981年)は、柴咲さんの生まれた年ですね。
【柴咲】 そんなところにも縁を感じながら、今回の脚本を読ませてもらって。すごく真っすぐな気持ちを感じたんですよ。これまでにもいろんな物語が、純粋な気持ちとか、人を愛する気持ちとか、人を敬う気持ちっていうのを訴えてきたと思うんですけど、それが押し付けがましくなく描かれていて。健全で、青少年にいいなって思ったんです。それとともに、香里奈さん演じる女の子、モリーナにちょっとした陰も見えて。親子関係やちょっとひねくれた部分に共感できたので、そこを掘り下げていきたいなって思っていましたね。

皆に愛された自分自身の記憶を大切にしたい

──「大切にするよ」は、“あなた”の幸せを願うミディアムバラードになってますね。
【柴咲】 私が書くときは、自分はどういう人生を送るんだろうっていう自問自答の歌詞もあるんですけど、人に向けて聴いて欲しいっていう思いから生まれたものは、どうしても「相手を敬いましょう」っていう気持ちが強く出てしまうんですよ。とくに今回は、『ドラえもん』の主題歌ということもあったので、親子で観にきている人も多いじゃないですか。子供は無邪気に観ていていいんですけど、子供を見守っているお母さんたちには、子供に楽しんで欲しいから一緒に観ているんだろうし、純粋な気持ちを追い求めてハマる親や大人もいるんだろうなって思ってて。だから、子供に対する親の愛情をテーマにしてもいいのかなって思ったんです。

──歌詞の中の登場人物である“あなた”と“わたし”がとても重層的に描かれていますが、柴咲さんは、“わたし”を誰の視点で描きました?
【柴咲】 私の中では、1番と2番で主役が違っているんですね。1番は、おばあちゃんとかおかあさんとか親の目線。2番が子供というか、自分ですね。でも、友達でも恋人同士にも置き換えて聴いてもらえるといいなと思ってて。映画では、違う星に住んでいる人同士の友情が描かれていますけど、同じ日本に住んでいる友達に対しても、やっぱり距離があると不安になったりするじゃないですか。だから、例えば、離れている家族だったり、遠距離恋愛している彼に対してっていうのも当てはめられるなって思いながら書いてて。作詞をしているときも、家族だけにスポットをあてたっていうよりは、恋愛だったり、友情だったり、いろんなことを考えながら書いていったので、そういう自分の気持ちも反映されているなって思いますね。

──タイトルに、歌詞のなかには出てこないフレーズを選んだのはどうしてですか?
【柴咲】 誰に習うでもなく受け継いでいくものが、生きるっていうことだったり、愛情をかけられたっていう事実だったりすると思ってて。それをどう表現していくかっていうことを考えていたんですけど、人を愛する気持ち、人を敬う気持ちを自分が次の世代に伝える方法は、やっぱり、自分が生きることで伝えるしかないなって思ったんですね。愛された自分自身を大切に敬っていけば、自ずと次の世代に伝えていけるんじゃないかって。だから、「大切にするよ」っていうのは、家族や友達や恋人に愛された自分自身の記憶を大切にもっていきたいですっていう意味ですね。

構えず、規制もなく、気持ちよく歌えた

──歌声からは、手と手をつないで愛を伝えていくような温度感を感じたのですが、レコーディングはいかがでした?
【柴咲】 あまり構えず、規制も作らず、気持ちよく歌えた気がしますね。歌っているときは、頭に浮かんだ色のイメージが温度につながることもあるんですけど、今回は、オレンジとか橙色とか黄色っぽい色が浮かんだんですよ。だから、歌っていても、いつもよ温かかったんですね。「なんか、いつもより熱い」って思いながら歌ってて(笑)。だから、映画館で聴いてくれる人にとっても、「え?なに、この曲!?」ってならずに(笑)、映画からそのまま感情がつながって、あたたかい気持ちで映画館をあとにしてもらえるといいなと思いますね。

──カップリングは一転して、アップテンポの楽曲になっていますね。
【柴咲】 カップリングは楽しみながら作れたっていう感じですね。ミディアムバラードの曲が続いていたので、カップリングはちょっと遊びたいなって思ってて。2曲目の「dive」は、自分のことを振り返って、「そんな過去は乗り越えちまえ!」みたいな勢いのある曲になっているんですけど、コーラスも自分で重ねているので、私自身がかなりこだわった、お気に入りの曲になっています。3曲目の「幸せ繋いでた糸」は、仕事にいく飛行機のなかで書いた、さわやかな曲。見えない気持ちのような糸を、相手はもう離していて、糸は宙ぶらりんになっているのに、自分はまだ離せないでいるっていうところから始まって、最終的には「幸せ繋いでた糸」を「それ!」って、潔く放しているっていう、思い切りをもった曲ですね。

──16枚目のシングル「よくある話〜喪服編〜」、KOH+の「最愛」、配信限定シングル「君の声」とシングルがたまってきましたが、そろそろアルバムも期待していいですか?
【柴咲】 はい!私もはやく出したいんですよ!!シングルばかりがたくさんになって、ベストアルバムみたいになってもつまらないので、今年中には絶対に出したいし、新しいアルバムをひっさげてのライブもできればいいかなって思いますね。

(文:永堀アツオ)
(写真:草刈雅之)

RELEASE

大切にするよ【初回盤】
柴咲コウ
発売日:2009/03/04[シングル] 価格:¥1,500(税込)
ユニバーサルミュージック 品番:UPCH-89049

大切にするよ【通常盤】
柴咲コウ
発売日:2009/03/04[シングル] 価格:¥1,200(税込)
ユニバーサルミュージック 品番:UPCH-80112

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PROFILE

1981年8月5日生まれ、東京都出身。
女優、アーティストとして映画、ドラマ、CMなど幅広く活躍。
2003年、東宝系映画『黄泉がえり』の劇中に登場するカリスマボーカリスト“RUI”として、オリジナルテーマソング「月のしずく」を歌う。
“RUI”名義でリリースしたこの曲で初の首位を獲得。以降、シングル「眠レナイ夜ハ眠ラナイ夢ヲ」「かたち あるもの」「Sweet Mom」で、ヒットを記録。
2004年2月11日、アルバム『蜜』をリリース。2位を獲得。
2006年2月15日、シングル「影」をリリース。2位を獲得。
2006年8月9日、シングル「invitation」をリリース。9位を獲得。
2006年12月6日、シングル「actuality」をリリース。
2007年3月28日、シングル「ひと恋めぐり」をリリース。8位を獲得。
2007年4月25日、アルバム『嬉々』をリリース。
2008年3月12日、アルバム『Single Best』『The Back Best』同時をリリース。1位と3位を獲得。
2008年6月4日、シングル「よくある話〜喪服の女編〜」をリリース。
2008年12月3日、アルバム『Kou Shibasaki Best Special Box』をリリース。
2009年3月4日、シングル「大切にするよ」をリリース。

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