今年デビュー10周年を迎えた平井堅。全30公演のアニバーサリーツアー(5〜7月)が大成功に終わり、2005年第1弾シングル「POP STAR」もヒット中の彼から10周年の最後を飾るにふさわしいシングル・ベスト『歌バカ』が届けられる。デビュー曲「Precious Junk」から最新作「POP STAR」まで、この10年間に発表した全23曲のシングルを全て収録した『歌バカ』は、まさに平井堅の“歌バカ人生”をそのまま映し出している作品だ。
――デビュー10周年おめでとうございます。
【平井堅】 ありがとうございます。10周年なんだっていう実感が実はなかなかわかなかったんですけど、アニバーサリーツアーをやったり、こうやってベスト・アルバムが出せたり・・・。いつもとは違う特別な気持ちにようやくなれました(笑)。
――この10年を振り返ると、どんな事が思い出されますか?
【平井堅】 もうね、ホントにいろんな出来事が走馬灯のように(笑)。とにかく、いろんな人達と出会えた10年なので、たくさんの方達に僕は支えられてきたんだなって思いますね。
――ベスト・アルバムの『歌バカ』というタイトルはおもしろいですよね。
【平井堅】 “歌バカ”というのを掲げ出したのは「Love Love Love」(7thシングル)の頃からなんですよ。当時の制作スタッフが、平井堅には一生歌バカでいてほしいみたいな事をよく言ってて・・・。最初に聞いた時からこの言葉はすごく気に入ってました。カッコ良く言っちゃえば、歌バカというものを一生ずっとしょって生きていきたいと思った。初めは僕が発信した言葉ではなかったけれど、自分自身が目指しているものに間違いはないという思いもあって、この10年間のシングルを総まとめしたベスト・アルバムのタイトルに一番ふさわしいんじゃないか、と。

――それにしても平井堅というボーカリストは、いろんなタイプの曲を歌ってきたんだなぁという事を、このベスト・アルバムは伝えてくれますよね。
【平井堅】 ですよね(苦笑)。その時その時代の自分の思いや存在を曲が映し出してくれてるなぁって思います。音楽が正直にその時の平井堅を伝えてくれてる。今回あらためて今までのシングルを全て聴いてみて感じたのは、やっぱり10年の中には定期的に波や流れがあるんだなって事だった。それは別に意図的ではなくて、バラードが続くと、アップテンポの曲が作りたくなったり歌いたくなったりするし、アップが続くとまたスローなものが歌いたくなってくるっていう波や流れで・・・。あぁこれが僕のバイオリズムなのかなと思いました。両方やらないと満たされないんですね(笑)。
――これから挑戦したい事はありますか?
【平井堅】 一度きりの人生ですから、自分ができる事ならば色んな事に挑戦していきたいですね。“Ken's Bar”の東京ドーム公演(12/20)もそう。緊張しそうですけど(苦笑)。まぁ、カッコ良く言ってしまうと、そこに歌がある限り、それこそ音楽や歌が嫌いにならない限り、僕は歌ってると思ってて・・・。
――平井堅が歌、嫌いになるなんてないでしょう?
【平井堅】 ですね。それこそ、たった1人でも僕の歌を聴いてくれるなら、僕は歌っていたいし、自分自身のためにも歌い続けたい。そういう事を思えるようになったのも、この10年間いろんな人達と出会えたから。人との出会いや経験は僕の音楽人生を導いてくれた大切なものだと思っているので、きっとこれからも僕は出会いの中で歌を歌い続けていくっていう幸せを感じているんだろうなって思います。
(文:松浦靖恵)