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(更新: ORICON NEWS

『あまちゃん』総決算特集『国民的ドラマとして愛されたワケとは?』

日本中に旋風を巻き起こした連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK総合)もいよいよ大詰め。そこで、ORICON STYLEでは“あまちゃん総決算”と題し、同作がなぜ多くの人たちに愛されるドラマとなり得たのか、改めてヒットの理由を探った!

『あまちゃん』が国民的ドラマと成り得たワケ

 連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK総合)も、ついに28日(土)に最終回を迎える。“日本の朝を明るくした!!”とまで言われた同作の終了で、多くのファンから嘆き悲しむ声が寄せられている。最終回を前に、さまざまな要素が詰め込まれた同作を紐解きつつ、いかにして“国民的ドラマ”へと成長したのかを改めて検証してみよう。

 主演の能年玲奈を筆頭に、強烈な個性を持ち合わせた俳優たちが多数出演、そこに1980年代アイドルなどの小ネタやサブカルネタを満載しつつ、わからない人も気にせず観られる配慮が施された宮藤官九郎の緻密な脚本。そして、稀代の音楽家・大友良英によるテーマ曲や挿入歌。挙げればキリがない程の魅力が同作には詰まっている。

『あまちゃん』好きなキャラ1位は!?

 ORICON STYLEではこのほど、「『あまちゃん』が好きな理由」についてアンケート調査を実施。1位には、やはり【登場人物のキャラクター】がランクイン。2位に【ストーリー/物語のテーマ】、その他にも【登場人物たちの方言/話し方】(6位)や【劇中で出演者が歌う曲/流れる曲】(7位)など、様々な“理由”が上がるなか、【元気がもらえる】(5位)も高かった。楽しい気持ちのまま、1日のスタートを切る……これこそが、まさに『朝の連続テレビ小説』の意義であり、制作サイドからすれば最大の賛辞と言えるだろう。

 さらに今回は“好きな理由”と共に、「『あまちゃん』好きなキャラクター」についても調査を実施。1位には、やはり、能年演じる【天野アキ】がランクイン。彼女の何色にも染まっていない“無垢”な演技は、文字通り視聴者に元気と笑顔を与えてくれた。

 そして、同作の魅力の肝である、脇を固める個性的な役者陣も2位以下に目白押し。小泉今日子演じるアキの母親【天野春子】(2位)の常にずけずけと物を言う、どこかやさぐれた“元ヤン”風の演技は、純真なアキとの対比が非常に心地良い。3位には松田龍平演じる【水口琢磨】がランクイン。アキが所属するGMT47のマネージャーである水口が、“ツンデレ”を駆使してアキを奮起させる様に、女性視聴者たちはメロメロに。“ミズタク”の愛称で、一躍大人気キャラクターとなった。

 その他にも「北の海女」のリーダー格・夏ばっぱを演じる宮本信子をはじめ、渡辺えり木野花美保純片桐はいり。さらにそれを取り巻く、杉本哲太尾美としのりでんでん荒川良々吹越満、といった手練たち。そしてGMT47のプロデューサー荒巻に古田新太と名前を見るだけで胃がもたれるような(!?)強烈なメンツを見事に調和させた演出には脱帽する。

散りばめられた数々の小ネタやオマージュに思わずニヤリ

 そして同作を語る上で忘れてはならないのが、宮藤官九郎の脚本に散りばめられた数々の小ネタやオマージュだ。ほぼ1話に1回と言っていい程の数々の“ネタ”が詰め込まれており、ネットを中心にそのルーツとなる“元ネタ”の検証が白熱している。

 例を挙げればキリがないが、アキが加入しているアイドルグループ・GMT47はもちろんあの国民的アイドルグループからだし、古田新太演じるGMT47をプロデュースする業界の大物プロデューサーの外見も、どうみてもあのお方……。その他にも、過去の朝ドラ作品へのオマージュ、『あまちゃん』出演者の代表作品を匂わせるような台詞や小道具、80年代歌謡曲&サブカル、さらにはプロレス用語まで、よくもこれだけ詰め込めたものだと、賞賛を通り越して思わず呆れてしまう程だ。何よりも恐れ入るのは、例え小ネタを知らなくても十分に物語の世界観を楽しめる点にあり、決して“置いてけぼり”にさせない。

 前作『純と愛』が従来の朝ドラへのアンチテーゼ的な作風で物議をかもしたのに対し、『あまちゃん』は従来の朝ドラへのオマージュともアイロニーともとれるモノを含みつつ、これまで朝ドラに馴染みのなかった若年層視聴者を取り込んだことは賞賛に値するといえるだろう。

“3.11”を悲劇的に描かず、“笑い”を貫き通した英断

 先述の通り、『あまちゃん』が後世に名を残す名作となった要因は多数ある。だが“歴史的意義”という観点からもその最大の要因は、“3.11”の悲劇を作品の世界観を壊すことなく描いたことだ。東北地方・三陸海岸にある町が舞台ということで、放送前から東北地方太平洋沖地震をどのように描くのか注目されていた。

 9月2日放送の133話は、緊急地震速報で携帯電話が激しく振動するシーンから始まる。だが、冒頭ではいつもの慣れ親しんだオープニング曲が流れた。あの未曾有の惨劇を描くのに明るいテーマ曲はそぐわないという視聴者への配慮、また演出の上でも緊迫感という意味で、流さないで放送するかと思われたが、『あまちゃん』制作陣は、あえてそれを選ばなかった。

 「みんな無事 ごすんぱいねぐ」。北三陸の住民の安否は祖母の夏(宮本信子)の短いメールでのみ伝えられた。震災後の北三陸の描写は、アキが北三陸に戻るまでの3話(134〜136話)の間で、わずか5分足らずのこのシーンだけだった。以前、NHKで放送された『SWITCHインタビュー 達人達』で宮藤官九郎が葉加瀬太郎と対談した際に「東北っていうと今、どうしてもドラマチックに考えがちな人が多くて。ボクは昔の一時間に一本しか電車がなくてとか、そういう田舎が好きだった。みなさんに知って頂きたかった」と語っている。

 震災発生当初、娯楽は「自粛」を余儀なくされていたし、現在でも震災をテーマに取り上げることは非常にデリケートな状況であることは変わらない。だが『あまちゃん』は、批判を恐れることなく、笑顔あふれる“変わらぬ日常”を描ききることに邁進したのだ。
宮本信子演じる夏ばっぱたち“北の海女”は健在だ。いつも通りたくましく、笑顔を絶やさず毎日を懸命に生きている。

逃げることなく、“娯楽”や“笑い”を貫き通した『あまちゃん』こそ、決して忘れることのない“3.11”への最良の鎮魂作と言えるだろう。

【調査概要】
調査時期:2013年9月6日(金)〜9月11日(水)
調査対象:自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代の男女1000名の中から、『あまちゃん』を見ていると回答した人を対象に調査
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査

『あまちゃん』好きなキャラクターランキング


順位キャラクター名キャラクター詳細演者演者
ヒストリー
天野アキ同作のヒロイン。海女、地元アイドルとして成長。能年玲奈
天野春子アキの母親。18歳の時にアイドルを目指していた。小泉今日子
水口琢磨芸能事務所のマネージャー。松田龍平
天野夏アキの祖母。海女たちのリーダー的存在。宮本信子
鈴鹿ひろ美10代の頃から活躍するカリスマ女優。薬師丸ひろ子
若き日の春子アイドルを目指していた頃の春子。回想などに登場。有村架純
種市浩一アキが通っていた高校の潜水土木科の先輩。福士蒼汰
大向大吉北三陸駅の駅長。町おこしの使命を背負い日々奮闘。杉本哲太
安倍小百合海女で漁協の事務員。得意料理は、まめぶ汁。片桐はいり
梅頭無頼鮨の大将。鈴鹿ひろ美行きつけの店。ピエール瀧



『あまちゃん』の好きなところランキング



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