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Check 2010年12月10日
2010年の『映画興行収入 年間ランキング TOP10』をひと足早く大予想!!映画界の歴史においても大きな意味をもつことになったこの1年のヒット作とその背景、映画シーンのトピックを振り返る。さらに2011年への期待と展望、そして課題とは!?

観客を魅了した映画的なダイナミズム

 今年の映画界は、3D映画の隆盛が最大のエポックだった。邦画と洋画を合わせた作品別の興収では、上位5作品のうち4作品までを3D映画が占めた。洋画のみでは、上位5作品すべてが3D映画。これにより、今年の年間興収は昨年(2060億円)を10%近くも上回るという見通しも出ている(2011年の正月興行の成績による)。

 これは、予想だにできなかったことだ。2009年が、“3D映画元年”と喧伝されたと記憶するが、その年の成果がいまひとつだったからだ。では一体、今年の隆盛の背後には何があったのか。すべては、『アバター』から始まったといえるだろう。昨年あたりは、いわゆる“飛び出し映像”が3D映画の特徴だった。3D映画=立体映画という図式が、一般的だったのだ。しかし、『アバター』はその概念を覆した。

 同じく2010年の正月作品であった『カールじいさんの空飛ぶ家』もそうであったが、3D映像とは、その飛び出し映像もさることながら、奥行き感にこそ映像の大きな進化があったのである。これは、今では当たり前の認識だが、少し前から3D映画が公開され始めたときには、そうした認識はなかった。後年のために、ここはしっかりと確認しておく必要がある。

 その奥行き感の映画的なダイナミズムを、『アバター』がしっかりと持っていたから、今年最高の興収である155億円というとてつもない成績を記録したのである。観客は、その魅力に釘付けになった。3D映画の魅力の新たなる開示から、3D映画の快進撃が始まったのである。ここからは、一気呵成だった。

 もちろん、すべての3D映画が、好調だったわけではなかったことも付け加えておく。あくまで、映像効果が中身とリンクしないと、3D映画は興行の力を発揮しないのだ。これは、今後の3D映画の興行を考える上で、とても大切な要素となろう。


邦画製作に見え始めた“変化のとき

 3D映画に続いての大きなトピックとして、これは少し個人的な思い入れになるかもしれないが、邦画の製作をめぐって“変化のとき”が見え始めたことがある。それは、『告白』と『悪人』の2作品で見られた製作の新たな動きが、中身の高い評価とともに、興行の確実な成果を上げたからに他ならない。

 これは、図式的には、人気テレビドラマの映画化を中心にしたテレビ局の製作動向に対して、対極的な位置にある製作姿勢といっていい。これを実現したのが、東宝という映画会社だった点が、新たな製作の動きとして注目されたのである。いずれも原作のある程度の人気を背景にしているとはいえ、題材的に簡単にヒットが望めるような作品ではなく、その未知な領域にチャレンジした点が重要だった。

 米アカデミー賞の日本の候補作となった『告白』が38億円。このほど報知映画賞や日刊スポーツ映画大賞の作品賞などを受賞した『悪人』が19億5000万円と、いずれも文句のない成果を上げたのは見事だった(いずれも推定興収)。

 逆に、昨年この特集で私が意欲的な製作指向に期待を寄せたフジテレビは、同社本来の道筋を、臆面なく堂々と進んだといえる。『のだめカンタービレ』『踊る大捜査線』『海猿』『SP』といったタイトルを並べると、今年の同社は、はっきりと映画のイベント路線を突っ走った印象が強い。

 ただ、1本1本を細かく見ていくと、同社にとっても大きな反省点が見えてきたのではないか。3D効果満載の『海猿』以外、果たして興行的に満足のいく作品が何本あったか。テレビという媒体を大きく使うことで、イベント映画として成立させ、マスとしての観客動員を狙う方向性は、再検証のときに来ている気がする。


ジブリ新作も? 2011年への期待と課題

 さて、来年の各社のラインナップを見ると、邦画は今年のような知名度の高い作品は減っている。ただ邦画興行の中核をなす東宝は、年末にかけて新作の発表があるらしいから、いまだはっきりとはつかめない。今のところ、『GANTZ』『あしたのジョー』あたりが目立つ程度で、スタジオジブリの新作が夏に公開されるとの情報もある。

 洋画は、3D映画のオンパレードとなるだろう。今年の洋画興行は、3D映画が引っ張ったのは事実だが、一方で非3Dの『インセプション』のような新機軸の娯楽大作も大ヒットした。少し前の絶不調からは抜け出してきた感じはあるが、その中核には3D映画が、デンと居座っているのは否めない。いわゆる非3D映画のヒットがある程度登場しないと、真の洋画復興はないだろう。来年は、その点に関しても注視していく必要があると思う。


(文:映画ジャーナリスト・大高宏雄)

【DVD情報】

『告白 完全版』
2011年1月28日発売 4935円(税込)
東宝 TDV-20468D

『アバター DVD版エクステンデット・エディション』
発売中 5990円(税込)
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメントFXBA-50681

『アリス・イン・ワンダーランド』
発売中 3360円(税込)
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
VWDS-2285

『トイ・ストーリー3』
発売中 3360円(税込)
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン 
VWDS-5652

『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!プレミアム・エディション』
2011年2月2日発売 7140円(税込)
フジテレビジョン PCBC-51907

『カールじいさんの空飛ぶ家』
発売中 3360円(税込)
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン 
VWDS-5568

『バイオハザードIV アフターライフ』
発売中 3990円(税込)
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 
TSDD-80091

『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール「幻影の覇者 ゾロアーク」』
2010年12月17日発売 4179円(税込)
小学館 ZMBS-6060

『のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スペシャル・エディション』
発売中 6090円(税込)
フジテレビジョン ASBY-4668

1位 アバター 156億円

WOWOWでテレビ初放映決定! 2009年12月23日公開 (C)2009 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

2位 アリス・イン・ワンダーランド 118.5億円

ジョニー・デップ密着特集
2010年4月17日公開
(C)Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.

3位 トイ・ストーリー3 107億円

2010年7月10日公開
(C)DISNEY / PIXAR

4位 借りぐらしのアリエッティ 92〜93億円

2010年7月17日公開
(C)2010 GNDHDDTW

5位 THE LAST MESSAGE 海猿 81〜82億円

伊藤英明&三浦翔平インタビュー
2010年9月18日公開
(C)2010 フジテレビジョン ROBOT ポニーキャニオン 東宝 小学館 エー・チーム FNS27社

6位 踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ! 73〜74億円

特集:湾岸署オールキャスト大集結
2010年7月3日公開
(C)2010 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

7位 カールじいさんの空飛ぶ家 50億円

2009年12月5日公開
(C)WALT DISNEY PICTURES / PIXAR ANIMATION STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

8位 ONE PIECE FILM STRONG WORLD 48億円

2009年12月12日公開

9位 バイオハザードIV アフターライフ 47億円

2010年9月10日公開

10位 劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール「幻影の覇者 ゾロアーク」
 41億円

2010年7月10日公開
(C)Nintendo・
Creatures・
GAME FREAK・
TV Tokyo・
ShoPro・
JR Kikaku
(C)Pokémon
(C)2010ピカチュウプロジェクト

10位 のだめカンタービレ 最終楽章 前編 41億円

上野樹里&玉木宏インタビュー
前編後編
2009年12月19日公開
(C)2009 フジテレビジョン・講談社・アミューズ・東宝・FNS27社

※興行収入は2009年12月〜2010年11月末日までの集計(推定)

2010年話題の映画をWOWOWで年末年始に一挙放送!!

ジェームズ・キャメロン監督が映像革新に挑んだ本作は、世界中で大ヒットを記録し、日本でも2010年の興行収入No.1の座に輝いている。社会現象ともいえる2010年の3D映画ムーブメントを巻き起こした大ヒット大作がいよいよ新春に登場。
【放送日時】
1/1(土)よる 8:00
1/8(土)午後 4:35
1/11(火)よる 8:00
1/30(日)午後 0:00

渡辺謙 映画関連番組
『ノンフィクションW 渡辺謙×遠藤憲一 矜持〜揺るがない生き方〜』

渡辺謙×遠藤憲一

『ノンフィクションW 渡辺謙×遠藤憲一 矜持〜揺るがない生き方〜』
現代人に必要な「日本人の矜持」とは!?『ノンフィクションW』の案内役を務める遠藤憲一が、旧友・渡辺謙の本質に迫る!
【放送日時】12/11(土)午前 9:00
【スペシャルサイト >>】

超大作映画『沈まぬ太陽』のテレビ初放送に合わせ、渡辺謙の出演作を特集!
『沈まぬ太陽』

「沈まぬ太陽」

原作は、国民的作家・山崎豊子が日本を代表する航空会社の腐敗ぶりを描き、物議を醸したベストセラー小説。いくつもの障害を乗り越え、大掛かりな海外ロケを敢行して完成した、内容もスケールもケタ違いの大作。
【放送日時】
12/14(火)よる 7:40
12/23(木・祝)午後 2:40
12/30(木)よる 8:50

『陽はまた昇る』
余剰人員扱いされたサラリーマンたちが一丸となって奮戦する姿を描く実録ビジネス・ドラマ。
【放送日時】12/13(月)午後 5:30

『明日の記憶』
渡辺謙が主演&プロデュースを手がける、若年性アルツハイマー病と苦闘するサラリーマンを描いた話題作。
【放送日時】12/15(水)午後 5:30

『ラスト サムライ』
トム・クルーズが武士道精神を学ぶ米軍人に扮したハリウッド時代劇。渡辺謙はアカデミー助演男優賞にノミネートされた。
【放送日時】
12/23(木・祝)午後 0:00
1/1(土・祝)午前 9:00

『おとうと』

名匠・山田洋次監督が、家族の絆を綴った感動のドラマ。新春にふさわしい珠玉の1本である。吉永小百合と笑福亭鶴瓶が人間味あふれる温かい演技で、切っても切れない家族の絆について考えさせる。
【放送日時】1/2(日)夜 8:00〜

最新のメガヒット作や今年オンエアして好評だったメガヒット映画を、なんと一挙100時間放送。年末だからこそじっくりと映画を楽しむチャンス!
【放送日時】
12/23(木・祝)〜 12/31日(金)
1/12(水)よる8:40
1/30(日)午後3:00

<ラインナップ>
『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』『インビクタス/負けざる者たち』『パラノーマル・アクティビティ』『2012』『トランスフォーマー/リベンジ』『イングロリアス・バスターズ』(R15+指定)『ハリー・ポッターと謎のプリンス』ほか

■ベストムービー特集
  『2010年【邦画】【3D映画】のベストムービーをユーザー投票で決定!!』(2010/12/6)

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