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第5回:伊藤英明
10年続けたから描けた 家族の絆と勇者の成長

俳優・伊藤英明を語るうえで欠かせない『海猿』シリーズ。約10年にわたり演じ続けてきた主人公・仙崎大輔は、カッコいい男、強い男、優しい男……男のなかの男の代名詞として、また日本映画史に残るヒーローとして刻まれている。そんな仙崎を演じる伊藤が『BRAVE HEARTS 海猿』で目指したものとは?10年の想いとともに『海猿』が愛され続ける魅力を語る!

[4作目での表現]日常のドラマがあるから映えるアクション

 前作は、いきなり救助シーンから物語がスタートして、今までの『海猿』とはひと味違うスペクタクル映画として高い評価を受けました。ただ、『海猿』ファンからは「日常シーンももっと観たかった」という声もあって……。今作では大輔と環菜と大洋、吉岡と美香の日常部分も描かれています。とくに大洋とのシーンでは、3歳の男の子ということもあって、衣装を引っぱられたり、髪の毛をくしゃくしゃにされたり、ヘアメイクさんや衣装さんを困らせることもあったかもしれないけれど、普段から積極的にコミュニケーションを取って、一緒になって遊んで、やりたいようにやらせてあげましたね。大洋とのそういうじゃれあいを通して家族の絆を上手く表現できたのかなと。10年近く一緒に『海猿』を作ってきた現場(仲間)だからこそ出せたものだと思います。

 また、前作で仙崎は大洋が産まれたことによって、今までやってきたことがものすごく恐くなっていたんです。そういう恐怖を経験しているからこそ、今回は「愛する者がいるからこそ絶対に生きて帰る!」と立ち向かうことができたし、村松機長(平山浩行)を「絶対に生きて帰るんだ!」と励ますことができた。機長を救出するシーンは台本を読みながら胸が熱くなりましたね。

[BRAVE HEARTS]想いを持った人たち全員が勇者

 『海猿』はシリーズごとにタイトルがありますが、今回のBRAVE HEARTS(=勇者たち)は本当にいいタイトルだと思いました。「何としても助けたい」という想いを持った人たち全員が勇者なんですよね。『海猿』を観て多くのファンが感動してくれるのは、観客の皆さんにそういう心があるからだと思うんです。だからこそ、僕自身もファンの期待に応えたい。役者としては、映画だけではなく幅広いフィールドでいろいろな役をやってみたい気持ちもあるけれど、『海猿』の仙崎であり続けること、期待されていることに応える役者であることも大切なんじゃないかなと。ファンが望む「ああ、これが『海猿』だよね」という『海猿』らしさを見せることも自分の役者としての使命だと思うんです。

[「海猿」と歩んだ10年]演じることが幸せだと思う瞬間…

 仙崎大輔というキャラクターをこんなにも長いあいだ演じられるとは思っていなかったですね。役者としての経験が浅いときにいただいた役ということもあって、とにかく無我夢中でやってきた役でもあります。1作目のころは仙崎が特救隊(特殊救難隊)に進んで、あの黄色いスーツを着るなんてまったく想像できなかったし、原作には特救隊でのエピソードはないので、今回はとくに身が引き締まる思いでした。

 特救隊の隊員となったことで仙崎は成長します。今までの仙崎だったら、そこに要救助者がいたら後先考えずに突っ込んでいったけれど、嶋(伊原剛志)さんのセリフにもあるように、特救隊に必要なのは「スキルと冷静な判断」。冷静な判断を下せるようになったのは大きな成長です。あと、これは裏設定なんですが、特救隊はドラマシリーズで仲村トオルさんが演じた池澤さんがいた場所でもあって、仙崎が今回つけている背番号の「21」は池澤さんの番号なんです。

 10年同じ役を演じることができて幸せだと思う瞬間は──たとえば20歳のときに1作目を観た人たちは今30歳になっているわけで。当時結婚したばかりのカップルだとしたら子どもはもう小学生、今作を親子で観に来てくれるかもしれないですよね。そんな想像をできるというのは本当に幸せ。先日、新幹線に乗っていたら男性が突然やって来て、拳を突き出してきたんです。「映画を観て元気をもらいました」と。自分の演じた仙崎が誰かを勇気づけている、それって本当にすごいことだなと思いました。

[ちょこっと夏トーク!!]とにかく海!リブリーザーで潜りたい

 僕にとっての夏の思い出は、夏休みの週末、夕食後に家族と一緒に花火をしたことですね。あと、生まれ育った岐阜に海はないんですが、川遊びとか自然のなかで遊ぶのが好きな子どもでした。大人になっても自然のなかでスポーツすることが好き。

 17〜18歳のときに、キアヌ・リーヴスとパトリック・スウェイジ共演の映画『ハートブルー』を観たのがきっかけで、サーフィンをはじめています。1作目の出演が決まる前からスキューバダイビングもやっていました。ほかにも乗馬、スカイダイビング、スノーボード……いろいろやるけれど、やっぱり海が好きなんですよね。最近は映画『サンクタム』にも出てくるリブリーザーという機材を使ったスキューバのライセンスを取ったので、夏のシーズンが楽しみで仕方ないんです。

 ただ、今年はシリーズ初となる夏休み公開。夏休み映画という大役を与えてもらったので、『海猿』を大切にしてくれている人たちの心に残る作品になるよう、キャンペーンもがんばりたい。そして、毎回キャンペーンのときに感じることなんですが、無条件で『海猿』を待っていてくれるファンを目の前にすると、自分から「演じきりました」とはとても言えなくなるんです。だから、望んでもらえるならまた仙崎を演じたい。体力の続く限り(笑)。

(文:新谷里映/写真:片山よしお)

メイク:那須野詞(Bellezza Studio)/スタイリスト:望月唯(eight peace)/
衣装協力 トッド スナイダー(エドストローム オフィス 03-6416-3606)

PROFILE

伊藤英明 1975年8月3日生まれ。岐阜県出身。
1997年、デビュー。『Blister』(2000年)で映画初主演。その後、映画、テレビドラマ、舞台などで幅広く活躍する。近年の映画出演作に『252 -生存者あり-』『カムイ外伝』『アンダルシア 女神の報復』などがある。
2012年、主演作『悪の教典』が11月10日公開。

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■第6回:仲里依紗(矢部美香) 『恥ずかしかった!? 事情ありの恋人役!!』
■第5回:伊藤英明(仙崎大輔) 『10年続けたから描けた 家族の絆と勇者の成長』
■第4回:加藤あい(仙崎環菜) 『大人げなかったリアルな夫婦バトル!?』
■第3回:三浦翔平(服部拓也) 『ほかでは体感できない勇者たちの空気』
■第2回:羽住英一郎監督 『4作目の挑戦!いつもの直球勝負で感動のゴールへ』
■第1回:臼井裕詞チーフプロデューサー 『興行成績以上の大きなプレッシャー』

作品情報

BRAVE HEARTS 海猿

BRAVE HEARTS 海猿  海上保安官・仙崎大輔(伊藤英明)は長年のバディ・吉岡(佐藤隆太)とともに、最高レベルのレスキュー能力を持つ特殊救難隊の一員として海難救助の最前線にいた。そんな彼らの前に、シドニー発羽田行きのジャンボジェット機のエンジンが爆発炎上、東京湾へ海上着水する大事故が発生。しかもその機内には、吉岡の恋人でキャビンアテンダントの美香(仲里依紗)が乗っていた。
 沈没までの残された時間はわずか20分。果たして大輔たちは、乗員乗客346名全員を無事に救出することができるのか!? そしてその先には、誰もが予想だにしていない事態が待ち受けていた……。

チーフプロデューサー:臼井裕詞
監督:羽住英一郎
出演:伊藤英明 加藤あい 佐藤隆太 仲里依紗 三浦翔平 平山浩行 伊原剛志 時任三郎

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