氷川きよし、歳を重ねること「楽しみ」 歌手人生20年の葛藤と転機
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第一線で活躍し続けるエネルギー源の1つは「プレッシャー」
「ランキングというのは歌手にとって成績表のようなもの。しかも、それを世間に公表されるわけですから、なかなか厳しいものがあるんですよね(苦笑)。ただでさえ、活動を持続するというのは難しいこと。ですが、人間というのは負荷があってこそ頑張れるところもあるので、このシステムはありがたくもあります。また、デビューから応援してくださっているファンの皆さまも優しいですから、新曲を出すとCDやカセットを買ってくださる。そのおかげでTOP10入りを継続してこられました。だけどここ数年、そのルーティーンを続けているだけでいいんだろうか?と葛藤するようにもなっていたんです」(氷川)
アニソン『限界突破×サバイバー』との出合いが、より“自分らしさ”を表現する転機に
「そんなときに出合ったのが、『限界突破×サバイバー』(17年10月発売)でした。アニソンを歌うのは夢の1つでしたし、歌の表現としてロックにも挑戦したいという思いはあったので、この曲をいただいたときは本当に嬉しかった。ですが、最初は全然広がらなかったんです。世間では『あの氷川きよしがロックを!?』という物珍しさから一瞬は話題にしていただけたものの、その後はスーッと波が引くように……。すごく悔しかったですね。こんなに素晴らしい曲なのに、なんで届かないんだろうって」(氷川)
「ロックを歌うことで離れてしまうファンの方もいるかもしれない。でもそれは仕方ないんです。選ぶ権利はお客さまにあるわけですから。だけど、いただいた歌は精一杯届けたい。そこで、賭けかもしれないですが、衣裳からメイクから髪型から自分でアイデアを出させていただいて、これまでとは全然違う“振り切った表現”をコンサートで仕掛けてみたんです。もともと、目でも楽しんでいただけるステージ作りにこだわっていて、普段のコンサートの衣裳もデザインから生地の素材まで自分自身で提案しているんです。曲を聴くと、『この曲にはこんな衣裳が合いそうだな』とイメージが浮かぶんですよね。ですから、『限界突破×サバイバー』のビジュアル作りもとても楽しかった。その結果、しばらくしてこの曲が話題になったことは、本当に嬉しかったですね。この曲に出合ったことで、改めて自分らしさを表現することの大切さを知りました」(氷川)