連載開始から22年、ファンが“卒業”しない『名探偵コナン』
シリーズ第6作、第10作、第17作での転機
その後も毎年4月に新作が公開され、20億後半から30億円台をキープ。第13作『漆黒の追跡者』(2009年)が35億円で歴代最高を記録し、さらに2013年の第17作『絶海の探偵』(36.3億円)から第18作『異次元の狙撃手』(41.1億円)、第19作『業火の向日葵』(44.8億円)、第20作『純黒の悪夢』(63.3億円)、そして今作と5年連続でシリーズ最高興収の更新を続けている。
第1作から20年。この間、毎年4月に公開され、すっかり春の風物詩とも言えるアニメ映画となった劇場版だが、その認知の拡大には「映画の宣伝に関しては、テレビシリーズとはひと味もふた味も違い、毎年テーマに沿ったユニークな手法で工夫を凝らしています。それにより、年に一度の映画公開時にしっかりとお祭り感を出せていると思います」。積み重ねてきた経験値に自信をのぞかせた。
難しいと思われていた周年記念作の興収を超えた理由
連載開始から22年を迎えた『名探偵コナン』。その人気は作品を重ねるごとにますます勢いを増している。諏訪プロデューサーは「『名探偵コナン』は、ラブコメもミステリーもあり、大人の方にも楽しんでいただけるような作品作りを目指してきました。今ではそのことがかなり浸透してきたように感じています。子どもの頃に好きになってくださったファンの方々が、成長されてもコナンを“卒業”しなくなったことも大きな要因だと思います」と拡大し続けるコナン人気の裏側を語る。