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ディズニーの象徴『美女と野獣』、時流に乗る“映画と歌”連動ヒット

 不朽の名作ディズニーアニメーションの実写化映画『美女と野獣』が大ヒット中だ。4月21日の公開から6週連続で映画動員ランキング1位を獲得し、5月28日までの累計動員692万8000人、累計興収96億7700万円。今年1本目の100億円突破作になるのは確実で、今年No.1のヒット作になる可能性も出てきた。

ディズニー作品の突出したメディア露出

 2014年からの主なディズニー作品を見ると、『アナと雪の女王』(興収255億円)は別格としても、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(興収116億円)『ベイマックス』(興収92億円)『ズートピア』(興収76億円)『ファインディング・ドリー』(興収68億円)『マレフィセント』(興収65億円)『シンデレラ』(興収57億円)と、映画シーン全体で大ヒット作が少なくなるなかで、軒並み60〜100億円に迫るメガヒットを記録している。そんなディズニーの“強さ”とはどこにあるのか?
 映画ジャーナリストの大高宏雄氏はまず宣伝における3つのポイントを挙げる。「ディズニーは年間の作品本数が他の洋画会社に比べて少なく、1作ごとの大作に宣伝費をつぎこんで勝負をかけています。もう1つは、そのブランド力から作品タイアップを組む大手企業との関係が深い。その数はディズニーは突出しています。そして最後は、早い段階からの宣伝展開。予告編の映画館での上映のほか、プロモーションの仕込みが早いため、浸透度が高い。これらからディズニー作品の露出量は圧倒的に多く、認知度が高くなります」。もともとの親子で安心して楽しめるファンタジーという親しみのあるディズニーブランドがあり、その効果は絶大になっているようだ。

『アナと雪の女王』から続くデイズニーの“歌”の強さ

 そして、アニメ作品として浸透している『美女と野獣』の実写がここまでの大ヒットになったことに対しては、同作がディズニーを象徴する、誰もが愛するキラーコンテンツであることと、映画と歌の結びつきを挙げる。

「映画と音楽のヒットは連動して大きくなります。『アナと雪の女王』から続く、ディズニー作品の歌の強さが『美女と野獣』にもあり、『SING』や『ラ・ラ・ランド』などのヒットもありましたが、最近はとくにその流れが顕著です。『美女と野獣』は日本語吹替版のファミリー動員が大きく、日本人キャストの歌のよさもヒットに加味しています」(大高氏)。
 観客層が幅広くないと興収100億円は超えない。『美女と野獣』は、親が子どもを連れて観たくなる作品であり、流行り物に乗りたがる若い世代の興味を引き、シニア層も安心して観に行くことができる。昨今の大ヒットが続くディズニー作品の1つでありながら、もともとの作品強度に加えて、ミュージカル映画人気の流れのなか、その物語と歌のよさがリンクして、ほか作品より突き抜けているようだ。

提供元: コンフィデンス

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