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SUPER★DRAGON、メンバーが語る10年の歩みと成長 “大人のスパドラ” 課題は「提案や挑戦を止めないこと」【インタビュー】
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グループ結成10周年イヤーに突入したSUPER★DRAGON
ドラマタイアップで生まれたミステリアスな世界観
ジャン海渡今回は、ドラマのタイアップありきでスタートしました。前作の「Dark Heroes」を作ってくれたGeek Kids Clubさんにビートを依頼し、僕、彪馬、毅、和哉の4人で話し合いながらメロディと歌詞を進めていきました。
――ドラマの制作サイドから、何かリクエストはあったんですか。
ジャン海渡逆に、僕らがお願いしました。ドラマ自体がどす黒いので、歌詞でストレートに表現するのは難しい。そこは僕らなりに解釈して書かせてくださいと。
――女性視点の歌詞になっていますが、これは意識して?
ジャン海渡はい。「Concealer」というタイトルも女性らしさから来ているし、全てドラマにリンクしているわけではないですが、ドラマ同様、女性を主人公にしてみました。
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ジャン海渡
松村和哉ドラマの登場人物の「マインド」ですね。歌部分の歌詞は現在の物語が多かったので、「なんでそうなったか」をミクロに書けたらいいなと思いながら制作しました。
――“不倫沼”にハマりこんでいく超破滅的恋愛を描いたドラマですが、見ていますか?
一同見ています。すごいよね!
古川毅安東ツトム役のBUDDiiSの小川史記くんには、フェスで一緒になったときにドラマの裏話を聞いちゃいました(笑)。M!LKの(山中)柔太朗も含め、EBiDANファミリーがメインキャストのドラマに、自分たちが音楽で関わるというのは、すごく嬉しい。彼らも喜んでくれてたいたし。
――「Concealer」のミュージックビデオ(MV)は、「Dark Heroes」から世界観が続いていて、ダークヒーローが円卓会議をしているのかな、という印象を受けました。
ジャン海渡続いてはないんですよ(笑)。ビートメーカーが「Dark Heroes」と同じだから、そう感じるのかもしれないですね。
――そうなんですね。でも、“大人なスパドラ”という感じがしてシックでカッコいいですね。
志村玲於9人が円卓を囲んでいるけれど、やっていることがそれぞれ違う。各人の「表現」が今回は前面に出ている作品になったんじゃないかな。
伊藤壮吾あの大きな円卓は、インパクトがありますよね。その円卓の上に地球があって。円卓を中心に、カメラワークが変わっていくのが面白かったです。
池田彪馬Kroiさんや千葉雄喜さんのMVを手がける木村太一さんが監督をしてくださると聞いていたので「どうなるんだろう?」と期待していたのですが、いざ現場に入ってセットを目の当たりにして「スゴイな」と思いました。
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飯島颯
池田彪馬うん。木村太一さんの持つシネマティックな世界観と、僕らの表情の親和性がバッチリ合っていたよね。不倫という繊細で扱いづらいテーマを綺麗に表現していて圧倒されたし、新しいスパドラが見られた。
ジャン海渡当たり前だけれど、木村太一さんは音楽への理解度が高いんですよ。僕らのやっているハイパーポップというジャンルへの理解度も高かったから、要望は出させていただきましたが、基本的にはお任せでした。
――Performance ver.のMVも公開されました。
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柴崎楽
――今回はジャケット写真含めて、シックな感じですよね。ビジュアルコンセプトは?
ジャン海渡MVも白黒から赤になって最後カラーになりますが、僕の中で「どす黒い嘘」というのは、淡い赤のイメージなんです。だから、ビジュアルは「赤」が基調になってて、そこをベースに、大人っぽくきれいにまとめた感じですね。
――2曲目の「Jungle Gym Kings」は、ジャンさんと彪馬さんのプロデュースということですが、この曲はどのように制作されていったのでしょう。
池田彪馬「Concealer」と「笑い話」が収録されるのは、先に決まっていたんです。落ち着いているテンション感の2曲だから、それに挟まれる曲は、「攻撃的な楽曲がいいな」と思って、MONJOEさんというトラックメーカーにオファーさせていただきました。
テーマとしては、「やんちゃな子ども」…、むしろ「クソガキ」ですね(笑)。それをジャンくんに投げたら、幼稚園とか、ジャングルジムというワードを出してきてくれた。
そして、MONJOEさんのビートに、ジャンくんとCYPRUSさんというアーティストの2人でメロディを入れてくれて、歌詞は和哉とジャンくんが書いてくれて。また新たなSUPER★DRAGONの強い楽曲ができたなと思っています。
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池田彪馬
――和哉さんは、得意なジャンルだったのでは?
松村和哉オラつけました(笑)。子どもの自由さを出しつつ、ちょっと毒のある歌詞が書けたかな。
――そして「笑い話」は、スパドラ10年の皆さん自身の話が詰め込まれたエモーショナルなバラード曲ですが、この曲が生まれた経緯を教えてください。
古川毅今年の『SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2025「SUPER X」』ツアーは、4ヶ月という長期間やっていたんです。ファイナルの横浜パシフィコは10周年のアニバーサリーだし、たくさんのBLUE(ファンネーム)も集まってくれるし、「何か特別なプレゼントをしたい」というところから、僕が提案させてもらって、バラードを作ることになりました。
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古川毅
古川毅こういうタイミングのバラードって「ありがとう」とか、きれいなものを歌うのがパターンだけれど、僕らはミクロな自分たちの足跡や、ヒリっとするようなトピックも包み隠さずに歌いたかったんです。その方が僕ららしいし、BLUEにとってもプレゼントになると思って。それでメンバーみんなで話し合った想いをボーカル5人が歌詞にして、代弁していくみたいな感じで作り上げました。
――話し合いは、どんな感じで?
古川毅「この10年どんな10年だった?」とざっくばらんに全員で話したり、ライブのリハーサルの隙間に各々喋ったり、連絡を取り合って聞いた話をヒントにしたり。みんなが共感できて、みんなの視点で、というところはかなり重視しました。
――個人的エモかったところはどこでしょう。
柴崎楽全部がいい歌詞ですが、僕的には和哉くんが書いた「意見も機嫌も目見りゃわかる」という部分。10年この9人でやってきているからこそ、本当に目を見ればわかるから、「いいこと書くな、この人」と思いました。
松村和哉ありがとうございます(笑)。でも「目を見ればわかる」って、本当だから。
飯島颯僕は、「ロカビリーみたいにビシッと決める時は」というところ。スパドラができる前、僕とジャンと玲於と毅は、「DOQROダンスビリープロジェクト」という企画でロカビリー・ユニットを組んでいたんです。ジャンにそのときの思い出を箇条書きで送ったら、歌詞に「ロカビリー」が入っていて。見た瞬間に「あ!」となりました。歌詞を見るのがすごく楽しみでしたね。どうなったんだろうって。
――歌詞の中にkeio line(京王線)と出てくるのは、鉄道マニアの壮吾くん?
伊藤壮吾いやっ、僕じゃないです!
古川毅そこは、僕です(笑)。僕と玲於が昔、京王線沿線に住んでいて、一緒に帰ることが多くて。帰り道に悩みを話していたことが思い出されたので。今は住んでないので、バレてもいいかなーって(笑)。
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田中洸希
メンバーが語る、スパドラ10年の歩みと変化
古川毅最初は、誕生期かな? それか、義務教育期? みんな小学生、中学生だったから。
松村和哉僕は小学生だったから、「グループになるよ」と言われても、仕事だと思ってなかった(笑)。部活みたいな感覚で、何の責任も感じてなかったなぁ。
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松村和哉
ジャン海渡僕や玲於は、事務所にいる歴が長かったし、周りがどんどんグループを組んでいくのを見ていたので、「やっと俺らの番か」という気持ちでしたね。さっき颯が言ったように、企画的なグループを作ってもそれがなくなってしまって、「どうなるんだろう?」という不安もあったし。でも、和哉と同じで、細かいことは特に考えてなかったので、楽しみの方が大きかったですね。
志村玲於僕はもう高校生で、将来のことについて考える時期でした。同期がグループを組んで外に出ていっていたし、自分的には「このグループがダメになったら辞める。やれるとこまでやってみよう」という気持ちでした。
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志村玲於
松村和哉コロナ禍の前までじゃない? コロナ禍で考えることが多くなったから。
ジャン海渡そうだね。僕らに限らず全グループがいろいろ考えた時期だと思う。ファンに会えない辛さや、何もできないもどかしさはあったけれど、逆にピンチだったからこそメンバー間で何かを考える時間が多くなったな。振り返ってみると。
古川毅ちょうどそのころ音楽性を転換をすることになって、モヤモヤしていたこともあり、自分たちがより自我を持って「SUPER★DRAGONってなんだろう」「譲っちゃいけないものって何だろう」ということを考えて、責任を持って意見を提案し始めたんです。ただ文句をいうだけじゃダメだから。
―― 「自我の目覚め期」みたいな。
古川毅そうですね。より強くなったタイミングでした。
――そこからは、「覚醒期」?
古川毅次のフェーズは、アルバム『mirror』(2023年)くらいかな。2020年から、あまりポジティブじゃなかった。戦いが止まないみたいな(笑)。でもそれがプロセスになったのかな。そのおかげで筋力がアップして、『mirror』ができたから。
―― その辺から制作は、どう変わったたのでしょう。
ジャン海渡それまでは楽曲によって担当を分けていたけれど、『mirror』のタイミングでボーカルメンバーが表現したいものをそれぞれがプッシュアップして、そこから僕が中心になってブラッシュアップしていく形になりました。
――より音楽について考えるようになってきた。
ジャン海渡そうですね。曲作りのスキルまだまだでしたけど、SUPER★DRAGONを俯瞰で見られるようになった。その過程を経ての今な気はするので、すごく大切な時間だったと思います。
――で、今に至るですね。仕事以外の10年はどうでしょう。
ジャン海渡写真集の撮影でみんなでインドネシアに行ったのは楽しかったな。仕事だけれど、ホテルも相部屋だったし、修学旅行気分だったよね(笑)。
松村和哉ジャン、怪我してなかった?
古川毅部屋のプロペラに頭ぶつけて、流血してた(笑)。
ジャン海渡そうだった。いい思い出です(笑)。隣の部屋は「トカゲが出た」って騒いでだよね。
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伊藤壮吾
古川毅ジャンがどこかの歩道橋みたいな階段から落ちて大変なこともあったよね。
ジャン海渡颯と相合傘してたたんだよ。
飯島颯そうだ! 名古屋だ!
ジャン海渡12段ぐらいお尻から滑り落ちて、流血より笑えないレベルの痛さだった。次の日がリリースイベントで、踊るのもつらかったんですよ。痛い思いも苦い思いも含めて、いい思い出です(笑)。
――ジャンさん、気を付けてくださいね(笑)。10周年イヤーからは何期にしていきたいですか?
松村和哉「幸せ期」かなぁ。
古川毅いいね、結婚したみたいで(笑)。
――今は自分たちがイニシアチブを持ってクリエイティブを進めていますが、それって幸せなことですよね。
松村和哉そうですね。これは続いてほしいです。
――では、2026年の展望は?
古川毅いろいろ考えています。まだ発表できないことも多いのですが、BLUEのみんなに確実に喜んでもらえると思います。『SUPER X』ツアーでBLUEとの絆が強固になった感触があるんですよ。みんなからのSNSのコメントやメッセージからも熱量が伝わっているし。それは今回の「Concealer」の反応にも現れていて、嬉しい。ついてきてくれたBLUEとの絆も強くしていきつつ、新しく出会ってくれた人たちにSUPER★DRAGONの良さがヒットするようにしたい。でも正直、やることはあんま変わんないかな(笑)。好きになってくれたらいいなと思う。それだけです。
――10年目の課題って何だと思いますか?
古川毅提案や挑戦を止めないこと。やり続けていくだけなのかなと思っています。
取材・文:坂本ゆかり
SUPER★DRAGON 4thシングル「Concealer」
2025年12月3日リリース
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SUPER★DRAGON 4thシングル「Concealer」通常盤A
品番:PCCA-06447/価格:1650円(税込)
【初回封入特典】(初回製造分のみ)
トレカA ver.1枚封入(集合1種、ソロ9種/全10種のうちランダム1種)
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SUPER★DRAGON 4thシングル「Concealer」通常盤B
品番:PCCA-06448/価格:1650円(税込)
【初回封入特典】(初回製造分のみ)
トレカB ver.1枚封入(集合1種、ソロ9種/全10種のうちランダム1種)
【収録曲】(共通)
M1. Concealer
M2. Jungle Gym Kings
M3. 笑い話
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