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宮野真守、ニューアルバム『FACE』 「時代の“顔”になっていくという強い決意」を表明【インタビュー】

 声優、俳優、アーティスト、そしてバラエティ番組など、ありとあらゆるフィールドで活躍中の宮野真守が、約3年ぶりとなる8thフルアルバム『FACE』を11月19日にリリースした。変幻自在で多面的な彼の魅力が凝縮され、多彩なエンターテイナー・宮野真守としての意気込みがしっかりと刻まれた作品に仕上がっている。

さまざまな表情を持つ宮野真守を表現したニューアルバム『FACE』

 街行く人に「宮野真守といえば?」と聞けば、「キン肉マンの声優でしょう?」という人もいれば、「ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』でディオ・ブランドー役を演じた役者だよね?」という人がいたり、「やっぱり『おげんさんといっしょ』の雅マモル」という人がいたり、十人いれば十人が異なるイメージを持つだろう。宮野はそれほどまでにさまざまな表情を見せるアーティストだ。そんな彼の七変化ぶりを堪能できる8thアルバム『FACE』が11月19日にリリースされた。

宮野いつもオリジナルアルバムを作る前に、ライブツアーのコンセプトを考えます。ツアーは必ずと言っていいほど新曲を引っ提げて行うことが多いです。でも、今月22日から始まるツアーは、最初はどんなイメージで作っていけばいいのか悩みました。

 宮野は、昨年から今年の頭にかけて『MAMORU MIYANO ARENA LIVE TOUR 2024-2025 〜DRESSING!〜』と題し、“着飾る”をテーマに衣装を主役にしたツアーを開催。このツアーは意欲作となったという実感があり、面白いチャレンジができたと語る。

宮野『DRESSING!』というツアーを終えたら、若干燃え尽き症候群のようになってしまって、次のツアーのコンセプトを考えなければいけないのに、アイデアが枯渇しているような期間が続きました。でも、そんな時こそ自分がいま置かれている立場や自分が大事にしていることを見つめ直してみようと思ったんです。

 そして見えてきたのは、さまざまなメディアの中で多岐にわたってとことんまで表現を追求する自分の姿だった。

宮野今年もいろいろなチャレンジをさせていただく機会が多く、活動のレベルをさらにもう一段階押し上げたいという気持ちがあったんです。そのうえで、エンターテインメントの表現者としてしっかりとライブという形にして打ち出していくときに、僕の強い意志を込めたいと思いました。

 ツアーのテーマは「さまざまな宮野真守を見せること」に決定。しかし、どういった表現なら“宮野真守のいろいろな顔を見ることができる”ということが伝わるのか、という壁にぶつかった。

宮野スタッフと話し合っているときに、部屋がたくさんある“マンション”がいいのではないかという案が出ました。確かに、ひとつの部屋ごとにいろいろな人が生活していますし、意味合いとしては近いものがあるなと思ったんです。でも、せっかく直近のツアーが『DRESSING!』とラグジュアリー感を出しているのだから、そこからエクステンドさせたような表現方法がいいなと感じていたんですよね。

 そこで思いついたのが“リゾートホテル“へのアップグレードだった。

宮野“リゾートホテル“だと、エリアごとに意匠の異なる空間を作れそうだなと、スケールを広げられる感覚もありました。そしてさらに飛躍して、ライブに遊びに来てくださるファンの皆さんとバカンスを過ごすというイメージが膨らんだんです。マンションにお招きするより、一緒にバカンスを過ごしたほうが楽しいですよね(笑)。ライブのテーマとしてもラグジュアリーなイメージがあってふさわしいかなと。

 こうして、“VACATIONING!”というツアー名が決まった。宮野のツアーは例年秋冬に行われるが、バカンスという言葉のイメージを逆手に取った。

宮野バカンスというと夏に南国で休暇を過ごすイメージがあるので、あえて秋冬に南国の雰囲気を醸し出すビジュアルで攻めたら、違和感も含めてキャッチ―なツアーにできるのではないかと思いました。なので、意図的に真夏の沖縄に弾丸で撮影に行って、バカンスを過ごしているようなキービジュアルの撮影をしたんです。

 ツアーのコンセプトが決まると、今度はツアーで披露する楽曲の制作とアルバムのテーマの検討に入った。

宮野いろいろなものを演じたり、さまざまな表現をしたりするというところから、“多面性”というキーワードが出てきたのですが、もともと“多面性”はずっと大事にしてきたんですよね。でも、新たな一歩を踏み出したいま、改めていろいろな表情があるということを前面に押し出そうではないかと。“多面性”や“マルチフェイス”というキーワードをアルバムのテーマに掲げたら面白いものができそうだと感じたんです。

 しかし、“マルチフェイス”という言葉では、ただいろいろなことをやっているという意味にとられかねない懸念があったと語る。

宮野“マルチフェイス”だと僕が考えているポリシーとはまた違う捉え方をされてしまうかもしれないなと。それよりもシンプルに“FACE”という言葉を強く据えることで、この先のエンターテインメントの世界で自分が“顔”になっていく、時代の“顔”になっていく、そういった決意もこのテーマに重ねられたら力強いアルバムになるのではないかと思ったんです。

宮野が考え抜いて制作した14曲を収録

 ニューアルバムの1曲目に収録されているのは、「VACATIONING」だ。

宮野僕らは毎日忙しく生活していますよね。でも、日常の環境であっても、風の音や匂いを感じられたら、いつでも心の中のバケーションにアクセスできるのではないか。そんなことを歌った楽曲にしたいと、デビュー当時からお世話になっているJin Nakamuraさんと打ち合わせをしたら、Jinさんが「宮野真守というアーティストには誰かを思いやるスタンスがあってそれが素晴らしい」とおっしゃってくださったんです。そこで、トロピカルなイメージを感じさせるJinさんの作ったメロディに合わせて、「普段の生活であっても僕とつながっていられるよ」というメッセージを投げかけるような詞を書こうと考えました。

 デモ音源は、沖縄でビジュアル撮影をしている最中に届いたという。

宮野そのタイミングもばっちりで、音源を聴きながら青い海を見て、自分自身でバケーション気分を味わうことができて心地よかったんですよね。そんな気持ちを胸にとどめて、東京に帰ってきてから作詞に取りかかりました。「心のバケーションにいつでもアクセスできる」と僕自身も感じながら詞を紡いで楽曲を仕上げています。皆さんに寄り添える曲になっていたらうれしいですね。

 同曲は、今月22日からスタートするアジアライブツアーのタイトル名にもなっている。

宮野今回のライブが皆さんの心のバケーションになったら、また普段の生活に戻っても「VACATIONING」という楽曲を聴いたときにライブに熱狂したことや没頭したことを思いだしていただけるんじゃないかと感じています。「VACATIONING」というタイトルのツアーで海外も回ることができるのもうれしいですね。やはり“バケーション”というと旅のイメージもありますから。海外も巡るツアーは2019年以来、約7年ぶりなんです。海外のファンの皆さんにもお会いできることを楽しみにしています。

 SNSで大バズりしている「ジャンプしてみて」は、ニューアルバムの3曲目に収録されている。

宮野「皆さんこんなにジャンプしたかったのか!」と、予想をはるかに超える大反響に驚いています(笑)。皆さんが楽しそうにジャンプしている動画を見て、ジャンプすることはハッピーなことなんだなと改めて実感しているところです。TikTokにはジャンプチャレンジエフェクトも登場して、そのゲーム性もよかったのかなと思います。夏に出演した音楽フェスでも、僕が歌いだしたら、お客さんが木陰からどんどん出てきて、「ジャンプしてみて」でみなさんがジャンプしてくれている光景は圧巻でしたね。僕のことを知らなくても、自然とジャンプしたくなる楽曲になっているのかなとうれしく感じました。

 アルバムのリード曲「Mirror」は、宮野自身について歌った楽曲だ。

宮野styさんにアルバム『FACE』のテーマをお話したら、「宮野さんは大海原に漕ぎ出して新しい世界に行ったんだな。自信に満ちあふれたものを感じる」とおっしゃってくださいました。そこから、チャレンジングでパワフルな曲ができあがりました。この曲は僕が作詞をしたわけではないのに、不思議なことに僕が紡いだ言葉のように感じられるんですよね。曲調も僕が新たに出合うサウンド感でラップがメインなのですが、ブラジルのバイレファンキというヒップホップのビートが土台になっています。これまでにない世界観の楽曲に仕上がって、僕が新たなフェーズに突入したと感じていただけるのではないでしょうか。

 そのほか本アルバムには、若いクリエイターたちと制作し、新しい風を感じられる「Kiss me now」や、アニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編』のテーマソングでタッグを組んだAPAZZIが作詞・作曲・編曲した「零光」をはじめ、全14曲を収録。いずれも宮野が考えに考え抜いて制作した楽曲となっている。

 本アルバムとともに、新たな世界への一歩を踏み出した宮野真守。ストイックな彼の嗅覚は、人との出会いで磨かれているという。

宮野先日『ミュージックフェア』に出演したのですが、ご一緒した郷ひろみさんから大きな刺激を受けました。郷さんのような大先輩が第一線でいらっしゃると励みになりますね。郷さんにお話を聞いたら、“郷ひろみ”であり続けるために日々努力しているとお話しされていました。僕もさまざまな表情を見せるエンターテイナーの宮野真守として、さらに意欲的に突き進んでいきたいと思います!」

取材・文:森中要子
<作品情報>
■宮野真守『FACE』11月19日 Release

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<ライブ情報>
■MAMORU MIYANO ASIA LIVE TOUR 2025-2026 〜VACATIONING!〜
11月22日(土) 宮城・ゼビオアリーナ仙台
11月23日(日) 宮城・ゼビオアリーナ仙台
11月29日(土) 兵庫・神戸ワールド記念ホール
11月30日(日) 兵庫・神戸ワールド記念ホール
12月13日(土) 神奈川・横浜アリーナ
12月14日(日) 神奈川・横浜アリーナ
2026年1月31日(土) 上海・回響之地 Echo Land Music Park
2026年2月7日(土)台北・Legacy Tera
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■宮野真守 OFFICIAL WEB SITE(外部サイト)

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