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UN1CONが新曲「JUMP」で魅せた“等身大の輝き”、目の前のことに全身全霊をかけて挑むカッコよさが唯一無二の個性に

 “アイドル戦国時代”と呼ばれていた2010年代前半を想起させる勢いで、数々の女性ダンス&ボーカルグループが誕生している昨今。かつては、未熟なままデビューした少女たちの成長譚に胸を高鳴らせる時代もあったが、近年ではスキルやビジュアルなどが研鑽されたグループのデビューが増えている。2024年10月19日に、ポニーキャニオンからメジャーデビューを果たしたUN1CONも、その一翼を担うグローバル・ガールズグループだ。

デビュー時から洗練されたクリエイティブを生み出す唯一無二の個性

 伝説の生き物ユニコーンを彷彿とさせるグループ名にこめられているのは、「メンバー全員がひとつになって強力なアイコンとなり、その複雑さや多様性で新しい価値を生み出していく」という想い。特殊な表記は、「UNI(ひとつの)」「ICON(アイコン)」「COMPLEX(複雑さ)」の意味を内包すると共に、数字の「1」には「誰もが素晴らしい個性を持っていることに気づき、それぞれが輝いてほしい」という願いが宿されている。近年では、ありのままの自分で生きることを肯定してくれるグループが増えているが、UN1CONもそういった価値観に共鳴する存在といっていいだろう。

 『SPECIAL1 ENTERTAINEMENT & ACADEMY』の練習生として切磋琢磨していたAKARI、KOKORO、NARAE、MANAMIに、『PRODUCE101 JAPAN THE GIRLS』に出演していたJOAが加わる形で結成されたUN1CON。近年ではオーディション番組を経て誕生するグループも少なくない一方で、彼女たちは事務所内での選抜と3年以上の育成期間を突破したメンバーが中心となって構成されている。これは、UN1CONの大きな特徴のひとつだ。数々の難問を潜り抜けてきた5人だからこそ、デビュー時から洗練されたクリエイティブを生み出せると共に、見ているほうが思わずホッコリするような仲の良さがある。
 ビジュアルセンターであり、ダンス・ボーカル・ラップをこなすオールラウンダーのAKARIは、数々の著名アーティストのライブやMVでバックダンサーを務めた経験を持つ実力派。最年長のMANAMIは、『Z-POP Dream』2期生の日本オーディションで優勝を果たしたが、コロナ禍の影響でプロジェクトが中止に。それでも夢を諦めず、努力を続けてきた。

 韓国籍のNARAEは、高い語学力を生かして韓国語パートの作詞を担当。抜群のスタイルとクールな見た目とは裏腹にメンバー思いの優しさを備え、チームに欠かせない存在だ。

 最年少のKOKOROは、Travis Japanの松田元太を兄に持つ現役高校生。繊細なボーカル力を武器に、パフォーマンスでも存在感を放つ。夢のために家族を説得する度胸を持ちながら、『超無敵クラス』(日本テレビ系)、『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などのテレビ番組では、天性の“愛され力”を発揮している。

 そして最後にグループへ合流したJOAは、オーディションで見せた覚悟ある決断力とパワフルなダンスで視聴者を魅了。その一方で、トークでは幼さがのぞくギャップも持ち味だ。

 こうした個性豊かな5人が溶け合うことで、UN1CONならではの心地よい複雑さが生まれている。

キュートとクールのバランスが絶妙な新曲「JUMP」、「何度も口ずさみたくなる中毒性」

 もちろん、楽曲においても彼女たちのキャラクターは、豊かに反映されている。2月26日にリリースされた最新シングル「JUMP」は、ダンスや歌唱でスキルの高さを軽やかに提示しながらも、5人のフレンドリーなキャラクターが煌めくナンバー。サビで何度も繰り返される“Jump around, jump around”は、語感とリズムの相性が抜群で何度も口ずさみたくなるような中毒性がある。

 前作の「A.R.T.」同様に、数々のヒットソングを生み出しているROYDOがプロデュースを務め、KONQUESTとmonotostereoと共に作曲を担当。歌詞は、w-inds.やBTSの楽曲制作を手掛けるKM-MARKITと安室奈美恵やSKY-HIの作詞やアレンジを行うAILIによって制作された。コレオグラファーにはKing&PrinceやBE:FIRSTの振り付けを手掛けるKAITA(Dr.SWAG/RHT.)が名を連ねる。日韓音楽シーンの第一線で活躍するアーティストと仕事をしている精鋭たちが、レッスンやプロデュースを担当しているのもUN1CONの特色。今作でも名だたるクリエイターたちが肩を並べ、彼女たちの魅力を拡張している。

 所々に手書きのエフェクトアニメーションが施されたカラフルな世界観のMVは、キュートとクールの配合バランスが絶妙だ。イメージカットでは、笑顔を見せたりじゃれあったりとフランクなムードを漂わせつつも、ここぞというダンスパートではかっこよく魅了する。とはいえ、この“かっこよさ”はHIP・HOPでいうところの“Bitch”や“SWAG”とは、質感がまるで違う。“bling-bling”でなければ“thug”でもない。そういった概念から離れた爽やかさを放ちながら、目の前のことに全身全霊をかけて挑んでいく。UN1CONのカッコよさとは、一生懸命さの上に成り立つ軽やかさにあるのではないかと思うのだ。
 かっこいい曲で「かっこいいでしょ?」と誇示するのではなく、自然体に遊んでいる姿がかっこいいのだと魅せていく。ハイスキルが要求されるパフォーマンスでも、積み上げてきた努力や磨き上げてきた技術を土台に、無邪気な表情で等身大の輝きを発散する。“リアル”に重きが置かれるHIP・HOPをカラーのひとつに据えながら、今までにない按配で、韓国のアイドルが持つカリスマ性と日本のアイドルが持つ親しみやすさの融合したグループに、UN1CONはなっていくのではないだろうか。踏み出した未来の先で、彼女たちがどんな光を放ってくれるのか、今から楽しみである。

文/坂井彩花
Sponsored by PONY CANYON INC.

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