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【ヒプマイ】木村昴・浅沼晋太郎が語る“異例づくし”の新作EPへの想いとは
浅沼晋太郎「この数年間、常に勝敗のプレッシャーを感じながらやってきた」
【浅沼】 正直、戸惑いもありました。やっぱりヒプマイに期待されるのは「声優による本気のラップ」だと思いますし、それを封じられて何ができるのか、と。これまでヒプマイの人気を引っ張ってきたのはディビジョン・ラップバトル。つまり、常にラップを通して勝負をしてきたわけです。その過程では拳を突き上げて喜びたいときもあれば、悔しさに打ちのめされるときもありました。
──ラップバトルはヒプマイの象徴ゆえに、緊張感の高いものだった。
【浅沼】 そうですね。そういう意味ではこの数年間、常に勝敗のプレッシャーを感じながら関わってきたプロジェクトでした。
――ところが、一転、今回はバトルではなく、「混乱する世の中を勇気付けるために音楽フェスをやろう」という山田一郎(イケブクロ・ディビジョン/Buster Bros!!!リーダー)の提案で、登場人物たちもあらゆるジャンルの音楽を披露することになりました。
【浅沼】 まったく新しい挑戦ですよね。今回は純粋に音楽で楽しんだり、己を表現する、そんなキャラクターたちの姿を感じてもらえる作品になったんじゃないかと思います。
新曲『燐火』に描かれているのは左馬刻の孤独と悲哀
【浅沼】 僕は左馬刻の性格上、率先して歌うことはないと考えています。ただ舎弟たちとカラオケのあるバーで飲んでて、散々カラオケしていた弟分から突然マイク渡されて「左馬刻さんも何か歌ってくださいよ」と促されたら「うるせぇな、わかったよ」なんて言って渋々……だったらあるのかなと。そのときにどんな曲を選ぶか、音楽フェスで歌うとしたら、そこで選ぶような曲だろうな、と想像していたんです。そうしたら今回、石崎ひゅーいさんが作ってくださった『燐火(りんか)』がまさにイメージにぴったりで。改めてヒプマイは音楽に本気なプロジェクトだと確信しましたね。
──左馬刻のソロ曲『燐火』は哀愁の漂うブルースロック。曲を聞いた感想はいかがでしたか。
【浅沼】 左馬刻はヨコハマのヤクザですが、僕としては同じアウトローでもアメリカのギャングやマフィアをイメージしてキャラクターを作ってきました。それもあって、ラップでは"圧"や"クールさ"を意識してきたんですが、『燐火』に描かれているのは左馬刻の心の深いところに刻まれている孤独と悲哀。これまでラップではそれほど表現してこなかった面に焦点を当ててくださったことで、人物がより立体的になったと感じましたね。
──ザラついた歌声が「この声はたしかに左馬刻だ」という説得力がありました。
【浅沼】 あとから聞いたら石崎ひゅーいさんが「キャラクターを保ったまま歌うってすごいですね」とおっしゃっていたと。曲を作ってくださった方にそう評価していただけたのは本当に光栄です。あと『燐火』については特に男性スタッフに評判がいいんですよ。やっぱりこのハードボイルド感、「男が惚れる」みたいなところがあるのかもしれないです。
「一郎がいるからこそ左馬刻も存在し得る。お互いに欠かせない存在」
【浅沼】 一言で言って「ヒプマイの太陽」。彼が行く先は険しかろうがなだらかだろうが必ず道になる、ザ・主人公として存在するキャラクターだと思います。対して左馬刻は月なのか闇なのか、いずれにしても主人公にはなりにくいダークヒーロー。だけど左馬刻がいるからこそ一郎もまばゆく輝けるし、一郎がいるからこそ左馬刻も存在し得る。お互いに欠かせない存在だと僕は思っています。
──では、山田一郎を演じる木村昴さんについてはいかがですか。
【浅沼】 昴もやっぱり太陽ですよね。実は今度、昴と2人芝居をするんですけど、作・演出の小林賢太郎さんに「すごくバランスいいよね」って言われたんです。昴は根っからのパフォーマー気質で、僕はクリエイター気質。「2人がやるのは必然なんじゃないか」って。タイプ的にも正反対みたいだし、そんなところも一郎と左馬刻の関係性に近いものがありますね。
──今回のEP全体についての感想もお聞かせいただけますか?
【浅沼】 楽曲の制作陣がとにかくすごいのはこれまで通りですが、驚いたのが『The Block Party -HOODs-』のボーナストラック。帳残星(CV.大塚明夫)&帳残閻(CV.中尾隆聖)がまさかラップするとは…。しかも作詞・曲/m.c.A・Tですよ! こうなってくると今後、サブキャラ含めて誰がラップを披露してもおかしくないなって思いましたね。
──最後に、今年7年目に突入するヒプマイ、これから楽しみにしていることをお願いします。
【浅沼】 今回はこれまでバチバチのバトルを繰り広げていたディビジョン同士が力を合わせて1つの音楽フェスを作るという、ヒプマイとしては変則的ではあったけど、意味のある"お祭り"だったと思っています。それを踏まえて、いつかバトルではなくてラップのフェスをヒプマイの中でやりたいですね。ヒプマイ界の「We are the world」のような曲で、あらゆるキャラクターがマイクを回し合う──。もちろん帳兄弟も含めて(笑)。あくまで僕の願望ですけど、ヒプマイの世界に平和が訪れるようなことがあれば、それも実現できるんじゃないかなと思っています。
(撮影/徳永徹 取材・文/児玉澄子)
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