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芋洗い坂音楽ストリート

近藤晃央ほか、今気になる新人をピックアップ!下積みアーティストに光を!

 6月26日に1stアルバム『ゆえん』を発売する近藤晃央。2009年にMy Space主催のオーディションでグランプリを獲得。2011年からは地元・愛知県でストリートライブを行い、下積みで作品力を磨いてきたシンガーソングライターだ。アルバムのオープニングインスト曲「ゆえん」、デビューシングルになった2曲目「フルール」、この2作品を聴いただけで彼のポテンシャルの高さが見えてくる。哀愁を帯びた抒情性を感じさせるメロディーのセンス、そして日常の風景や心の中のもどかしさを、さりげなくも重みをもった言葉で聴く人に伝える作詞力、短い言葉で様々なイメージを想起させるタイトル表現力、そして作品力に負けない声の魅力、甘くせつなく聴くものの心に届くその声は、唯一無二の強力な武器で、そういった彼の持つ潜在的な魅力はこの2作品だけでも十分に感じられる。そして聴き進むにつれ、彼の感受性の豊かさ、言葉のプリズムのようなきらめきにぐいぐいと引き込まれていく。それはまさに近藤マジックという気がする。

 彼の魅力をよく現している作品は前出の「フルール」、そして3rdシングルの「らへん」など。こういった作品で使われる言葉やメロディーのキラキラ感は、オーガスタ系アーティストにも通じる魅力があり、特に女性受けしそうなアーティストだと感じる。ランキングでは昨年9月のデビュー曲が最高順位99位、そして今年5月の「らへん」は最高41位と着実にステップアップしている。アーティストがビッグになっていく際には、まずはメロディーとアレンジが人の心を掴む。そして、さらに大きなヒットとなっていくために重要となるのは詞と声だ。彼の言葉と声は間違いなく人々に届き始めているようだ。1stアルバムの動向に注目したい。

 次に紹介するのは、昨年12月に徳間よりデビューした女性シンガー・ソングライター、empty sky。デビュー曲「あげは」のエスニックな世界観は独特の感性を感じさせる。しかも、同作品のアレンジ、サウンドメイクもすべてひとりでこなしており、これからの時代に期待したいシンガーソングライターだ。彼女は、インディーズ活動を始めてからデビューまでに7年をかけた。小学校の頃から弾き語りを始め、編曲にも興味を持つようになり、今では作詞・作曲・編曲まで、すべてをこなす。ストリートにはあえて出ずに、ひたすら作品を作り、イラストを描き、アレンジを行う作業を延々と続けてきたという。そういう意味ではマーケティングで作る作品ではなく、純粋な感性のきらめきからかもしだされる作品の魅力がイコール彼女の魅力ということになる。empty sky(からっぽの空)というアーティストネームは、自分自身が以前作った「鳥」という曲の歌詞からとったという。空っぽの世界にこれから自分が、さまざまな作品を描いていきたいという想いからつけたのだとか。カップリングの「ガラクタ」という曲も秀逸。十代の少女のむなしさ、せつなさを描いた詞の世界は一度聴いてみると良いかもしれない。

 最後に紹介するのは、杉本拓朗(Vo)を中心として荒川泰英(Dr)、蒲田瑞輝(Key)の3人からなるバンド・おつかれーず。結成は2007年。杉本の作るポップでハッピーな作品の魅力と、さだまさしのお墨付きをもらった杉本の抱腹絶倒のトークの魅力が多くの女性ファンをひきつけており、まだデビュー未定ながら、すでに渋谷duoを定期的に満員にする人気の持ち主だ。2011年に発売した「向日葵をさがして」は、インディーズながら、当時フジテレビ系『奇跡体験!アンビリーバボー』のエンディングテーマとして採用され、この6月16日に放送されたNHK-BS『釣りびと万歳!』では「きみの町まで」という曲が番組テーマソングに採用されるなど、関係者評価も高い。とにかくライブが楽しい。音楽をやっていく楽しさを僕たちにあらためて感じさせてくれる注目バンドだ。

 以上、下積みで実力を磨いてきた3組に期待する今日この頃なのだ。

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近藤晃央プロフィール
近藤晃央オフィシャルサイト
empty skyプロフィール
empty skyオフィシャルサイト
おつかれーずプロフィール
おつかれーずオフィシャルサイト

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