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“サウナのとりこ”BLUE ENCOUNT田邊駿一 サウナを200%堪能する「背徳の一日」を語る

『トトノウオト』選曲ポイントは浮遊感とエモさ

『トトノウオト』収録曲
01: NICO Touches the Walls『芽 (Acoustic)』
02: BLUE ENCOUNT『city』
03: DISH//『SAUNA SONG』
04: 韻シスト『I Ain't Alive』
05: LITE『Shinkai』
06: avengers in sci-fi『Itsuka_Mata_Ucyu_No_Dokoka_De.』
07: MONKEY MAJIK『Lily』
08: BENNIE K『Sky』
09: AKIRA YAMAOKA『White Noiz (SILENT HILL 2 BGM)』
10: moumoon『Sunshine Girl 〜English ver.〜』
11: globe『Watch the movie?』
12: ストレイテナー『Lightning』
――サウナ好きが高じて、コンピレーション・アルバム『トトノウオト』が6月30日に発売されることになりましたが、まずは制作の経緯を教えてください。
これだけ濃厚にサウナの話をしておいて、制作の経緯というものがほとんどないんです(笑)。「わたくし田邊がサウナで気持ちよくなったときの頭の中はこちらです」という音楽を紹介するアルバムです。
――それでは個々の選曲理由を聞かせていただけますか?
NICO Touches the Walls先輩は僕が上京したときによく聴いていたんですが、1曲目は真っ先にこの『芽』やなと。曲自体も好きですし、このアコースティックバージョンがいいアレンジなんですよ。なんならこの曲をつまみに酒を飲めるくらい、艶のある光村龍哉(みつむら・たつや)さんの声を一番いい状態で楽しめるので、まさに“整いソング”ですね。

2曲目の『city』は我々BLUE ENCOUNTの曲ですけど、今回の選考基準はバンドアンサンブルの浮遊感はもちろん、歌詞がエモめな曲。サウナで気持ちよくなったときに「あの頃、音楽やりたいと思って上京してきたよな」みたいなことを思い出すことも多いんです。この『city』や韻シストの『I Ain’t Alive』はそういった歌詞のエモさで選びました。

今回、唯一エピソードがないのがDISH//の『SAUNA SONG』。もちろん曲も好きで聴いているんですけど、入れさせてもらったのは、僕がお近づきになりたかったからです(笑)。

DISH//『SAUNA SONG』

LITEは僕らが熊本に住んでいたときに対バンしたことがあるんです。めちゃくちゃカッコよくて、いまだにあの日のライブのことは鮮明に覚えています。『Shinkai』は僕が好きなアルバムに入っている曲で、絶妙なギター使い方がまさに深海を表現していて、それが“整い”という浮遊感にマッチしているなと。技巧部門1位ですね。

avengers in sci-fiの『Itsuka_Mata_Ucyu_No_Dokoka_De.』は僕が上京したときに聴いていたアルバムの最後の曲で、個人的には「専門学校に通っていたときに聴いていたな」というエモさもあります。あとは楽曲の浮遊感、宇宙感ですよね。整う感覚を宇宙になぞらえる人も多いので、そのイメージから入れてみました。

avengers in sci-fi『Itsuka_Mata_Ucyu_No_Dokoka_De.』

MONKEY MAJIKの『Lily』は、学生時代にドラムの高村佳秀(たかむら・よしひで)に教えてもらって、めっちゃキュンキュンした曲なので、キュンキュン部門1位。BENNIE Kの『Sky』は歌詞のエモさもありつつ、高校時代に付き合っていた彼女が聴いていたというエモさもあります。

MONKEY MAJIK『Lily』

――エモさの種類もさまざまですね(笑)。
はい(笑)。いろんな部門の1位を入れた感じはありますね。AKIRA YAMAOKAさんの『White Noiz(SILENT HILL 2 BGM)』は、僕が大ファンのゲーム『サイレントヒル』の曲です。楽曲がずば抜けてホラーでサスペンスで、現実から逸脱した感じがあるんです。「整う」という感覚は、下手したらちょっと怖くなるときがあるんですよね。その怖さ部門1位ですね。

moumoonの『Sunshine Girl』はリリース当時、化粧品メーカーのCMで日本語バージョンが一世を風靡しましたけど、僕はこのミニアルバムが大好きなんです。その中でも一番好きなのがこのEnglishバージョン。ボーカルのYUKAさんが紡ぎ上げる英語の丁寧さが発音のお手本って言っていいくらいで、うちのギターの江口雄也(えぐち・ゆうや)もこの曲が好きなんです。

moumoon『Sunshine Girl』

インディーズの頃は機材車で10時間ぐらいかけて移動することがよくあったんですけど、江口が運転するときに必ずかけていたのがこの曲。運転手が寝ないようにしゃべることが助手席の僕の役目だったんですけど、この曲を聴くと必ず寝てしまって怒られるという(笑)。その思い出部門1位ですね。すみません、ワケわかんなくて(笑)。
――いえいえ、いい感じに熱くなってきました(笑)。続きをお願いします。
globeの『Watch the movie?』が収録された『FACES PLACES』はもうめちゃくちゃ売れたアルバムですけど、自分の中でも一番の名盤と言えるくらい全曲いいんですよ。『Watch the movie?』はインストなんですけど、終わりきる寸前でいきなりトラックが変わってドラムが始まって、当時流行ったプリクラのことを歌った『a picture on my mind』につながるというのがもう、変態なんですよ。『Watch the movie?』の振りが効いているんですよね。KEIKOさんの歌がリバースみたいな感じで入っているのも異次元みたいでいいし、トラックの重ね方もやっぱすごいなって思う。この曲はそんな部門の1位です(笑)。

敬愛するストレイテナーのホリエアツシが「ナイス選曲」とお墨付き

――そして締めの曲は、ストレイテナーの『Lightning』。
ストレイテナー先輩はバンドを始めた頃から好きで、ホリエアツシさんも認めてくれるくらいの“テナーオタク”なんです。特に『Lightning』と『CLONE』という曲が好きなんですが、浮遊感という意味では『Lightning』なんですよね。ちょうどこの前後ぐらいから、テナーの音楽に鍵盤の音が入りだして。無骨でロックの限界まで行きますっていうのがテナーだったんですけど、鍵盤を取り入れたことで全知全能を手に入れたような無敵感が出てきて。なんだかテナー芸人みたいになってきましたけど(笑)。その変換期の音が『Lightning』にはあるんです。

ストレイテナー『Lightning』

鍵盤の音って入れ過ぎると弾いている感が出ちゃうんですけど、テナーのこの時期の鍵盤の入れ方って、あくまでギターの一音一音とさも似た感じの、技巧的な部分があるんです。終わり方も灯がうっすら消えていくようなギリギリ感というか、サウナになぞらえると、整っている感じが終わっていく様に似ているというか。引き際のよさや酔いが残らない感じが、まさにこの曲に表現されているんじゃないかと思っています。

このコンピレーションのリリースが発表されたとき、すぐにホリエさんから連絡がきて「ナイス選曲」って言われたんです。ご本人からお墨付きをいただけたくらい、最後にふさわしい曲なんじゃないかと思いますね。

――ちなみに、この曲は何部門の1位でしょうか?
「Lightning部門」ですね(笑)。それこそいろんなバンドに光を扱う曲があって、僕らにも『もっと光を』という曲があるんですけど、そういう絶妙な光部門の中で一番の調光をしてくれたのはこの曲です。パッと見は無茶苦茶なセットリストかもしれませんが、一曲一曲を紐解くと、仲良くさせていただいている方や自分のシンボリックな時期に力を借りていた楽曲たちが入っていて、こうやって話すと「なるほどな」って感じてもらえる気がしますね。

夢は1泊2日貸切 サウナは「最上級のご褒美」

――ここまで熱くサウナについて語っていただきましたが、サウナに関する夢はありますか?
僕が好きなサウナを全力で貸切にしたいです。1日……なんなら1泊2日いさせてほしいですね。僕の中では、ディズニーランド貸切くらいの夢の国感覚なんですよ。

あと、近いうちに叶えたい夢は、鹿児島のとある旅館に行くこと。部屋に露天風呂は当たり前ですけど、そこは部屋にサウナと水風呂まであるんですよ。なんで夢かというと、行こうと思ってネットで予約しようとしたら、2人からしか泊まれないから。1人で行きたいので、コロナが落ち着いたら一回電話で交渉してみようと思います。
――では最後に、田邊さんにとってサウナがどういう存在かを教えてください。
ムズいっすね〜(笑)。でも今はご褒美ですよ。最上級のご褒美。仕事が忙しくなればなるほど、ゲームをやっても映画を見ても仕事と直結しちゃうときがあるんです。お笑いも大好きなんですけど、疲れすぎていると見られなくなってしまったり、家がリセットできない場所になることもあるんですよね。

そういうときに、現実から逸脱できるご褒美はやっぱり、サウナなんです。休みの日に「大江戸温泉物語」に行ってパッと扉が開いた瞬間、『銀魂』のイベントをやっていて、自分たちの曲がガンガン流れていたことがあるんですけど、それでも大丈夫でしたから(笑)。それくらい、自分の中で仕事とプライベートをセパレートできるご褒美の場所です。
プロフィール

田邊駿一(たなべ・しゅんいち)

1987年6月25日生まれ、熊本県出身。4人組ロックバンド・BLUE ENCOUNTのボーカル&ギター。バンド活動の傍ら、テレビ東京『音流』内のレギュラートークコーナー「酒場サーキット」のMCを担当するなど、本人のパーソナリティーにも注目が集まっている。4月からはInterFM897『イオンウォーター presents トトノウラジオ』でDJを担当。6月30日には自身が選曲したコンピレーション・アルバム『トトノウオト』をリリース。
作品情報

コンピレーション・アルバム『トトノウオト』
Music Selector:田邊駿一(BLUE ENCOUNT)
この記事について
この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「Fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。
俳優・歌手・芸人・タレントらの趣味嗜好を深堀りしつつ、ファンの「好き」を応援。今後、さらに気になる人の「これまで」と「これから」をお届けしていきます。
⇒この記事をオリジナルページで読む(6月25日掲載)

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