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中島美嘉、歌手・女性としての結婚後の素直な気持ちとは

 楽曲ごとに毎回新たな側面を覗かせてくれる中島美嘉であるが、最近の彼女は、これまで以上にフレッシュな空気が漂っている。新曲「Forget Me Not」ではおなじみの中島節が炸裂されているものの、何かが吹っ切れたかのように、彼女は潔い姿、歌声を轟かせる。デビューから15年、結婚生活も2年と新たな転機を迎えた彼女に、歌手として、ひとりの女性として、今の中島美嘉だからこそ言える、素直な想いを語ってもらった。

もしも自分で最期を決めれるのならば、愛する人を見送ってからにしたい

  • シングル「Forget Me Not」【初回生産限定盤】

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――新曲「Forget Me Not」は、切なくも温かなバラードソングとなっていますね。
中島美嘉 この曲を聴いたときに「また悲しいバラードだな」と思ったんです。映画『ボクの妻と結婚してください。』の主題歌としてのお話をいただいてレコーディングに臨んだのですが、この映画は私自身もそうだったのですが、涙なくしては見られない作品となっていて。制作者サイドから「悲しくしないでください。とにかく心が温まるような曲がいいです」との要望をいただき、切ない涙ではなく、聴いてくださる方の心が温まるような涙にしたくて、気持ちを込めて歌いました。

――前作「花束」に続き、今作も中島さんでなければ歌えない難しい楽曲となっていますね。
中島美嘉 ほかにもいくつか候補曲があったのですが、その中でも一番難しい楽曲が選ばれたんです(笑)。でも、そのころにライブをやっていたので、難しいながらもスムーズに歌うことができました。

――旋律の高低差がそのまま感情の起伏となって表されていますが、そのように表現できるのも、中島さんがこれまで喜びや痛み、様々な思いを味わってきたからこそ、それらが自然と歌声になって反映されるのではないかと。
中島美嘉 逆にデビュー当時だったら、平気で歌っていたかもしれないですね。今と違って、何もわからないまま歌っていたから。

――いろいろな経験をしたからこそ、難しさもわかると。映画『ボクの妻と結婚してください。』では、余命宣告を受けた主人公が、愛する妻、家族の未来のために妻の“最高の結婚相手”を探し出すという物語になっていますが、中島さんはそのような行動をした主人公に対して、このどのような感想を持たれましたか?
中島美嘉 私も似たようなことをこれまで何度か考えたことがあって。

――それは結婚をしてから?
中島美嘉 結婚をしたときなのか、おつきあいをしていたときか、いつかは忘れちゃったんですけど、もし、結婚をして自分が先に旅立ってしまったときに、相手に「私のことを忘れないでね」っていうほうが嬉しいのか、「私のことは早く忘れて素敵な人を見つけてね」っていうほうが嬉しいのか、どっちなんだろう〜ってずっと考えていて。この映画を見たときに、私的にはどっちも賛成だから、気持ちがわかるなって。

――自分の存在を忘れないでいてほしいけど、ひとりでずっとさみしい思いをさせてしまうのも申し訳ないし……。
中島美嘉 私の理想とするのは、愛する人が旅立った3日後ぐらいに自分も旅立つことで。自分が先に逝ってしまったら、相手は残されてしまう。その悲しみを与えたくないんです。私はひとりでもなんとか耐えることができるから、もしも自分で最期を決めることができるのならば、愛する人を見送ってからにしたいですね。

子供はいずれはほしいけど、今は2人の時間を大事にしたい

――自分本位で考えるのではなく、まず相手を思いやるその考えが素敵だし、何より中島さんにそう思われている旦那さんは幸せ者ですね。ちなみに最近の結婚生活はいかがですか?
中島美嘉 それがなかなか会えてなくて、この間何ヶ月ぶりかに会ったところなんですよ。彼は遠征に行ったり、合宿をしたり、私も私で仕事が忙しくて、お互い時間があわなくて……そもそも遠距離結婚だから仕方ないことなんですけど。

――連絡は?
中島美嘉 毎日LINEで連絡を取っています。「今、何してる?」「今日はお仕事です」とか。でも、私が眠り続けてしまった日にはずっと「大丈夫」「大丈夫」「大丈夫」ってひっきりなしに連絡がきて。でも、こっちとしたら、ちょっとイラっとしちゃって「何かがあったらうちのマネージャーから必ず連絡があるので放っておいてください」って。

――返信がないと、旦那さんとしては心配ですよね。
中島美嘉 そういう日があることを彼はわかっているんですよ。私は睡眠が上手ではなくて、だから眠れる時に眠らせてくださいって。

――まあ、何はともあれ相変わらずラブラブなふたりであると。
中島美嘉 (ためらいなく)はい、ずっと新鮮ですね。会えない分、会うと嬉しいし、夫婦というよりはまだ恋人同士みたいな感覚ですね。

――子供は欲しい?
中島美嘉 う〜ん……いずれはほしいけど、さっきも言ったようにまだ夫婦という感覚にすらなれていないから、それからでもいいかなって。今は2人の時間を大事にしたいなって思いますね。

――ちなみに自分の声を客観的に聴いてみて、どう思いますか?
中島美嘉 ここ数年になって、やっといいなと思えるようになりました。

――ということは、最初のころは?
中島美嘉 全然好きになれなかったですね。自分の理想とする声ではなかったから。そもそもはロックが好きで、そっち系の曲を歌いたいと思っていたから、もっと太くてハスキーな声に憧れていたんです。だけど、今ではこの声だからこそ、今回の「Forget Me Not」のような壮大なバラード曲を求めてくださる方がいらっしゃるんだなって、この声のありがたさに気づけるようになりました。

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