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宮藤官九郎×勝地涼、最強タッグでCDデビュー! 唯一無二の存在感と作品を生み出す秘訣とは

『あまちゃん』の“前髪クネ男”役でチャラ男が定着

――全国のお茶の間が笑った“前髪クネ男”以来、勝地さんのチャラ男キャラは開花しましたよね。
勝地 それまではそんなにチャラい役はやってなかったので、宮藤さんに引き出されたと思います。
宮藤 僕としては自分がおもしろいと思ってやったことが、たまたま観ている人にも伝わったのかなって感覚なんだけど……。勝地くんだって、僕の作品以外はマジメにやってるでしょ?
勝地 今回だってマジメにやってますよ(笑)。でも僕、実はチャラい役は前髪クネ男1本だけなんです。なのに“勝地ってチャラいんでしょ?”って、決め付けられて。
宮藤 すごいよね。

――でもファン層は広がりましたよね。
勝地 そうですね、朝ドラにあんなキャラクターが出てきたことはなかったですから(笑)。

――そういう意味ではお2人とも、唯一無二の存在感を持っていらっしゃると思うんですが。それぞれ仕事する上での“流儀”みたいなものってあります?
宮藤 やっぱり、最終的に自分がおもしろいと思っているものじゃないと、仕事にならないっていうのはありますね。流行っているからって理由でやってみて、うまくいった試しがない。勝地くんのことも、勝地くんのこういうところがおもしろいって思って、それをどうやったら多くの人がおもしろがってくれるかな? って。そうゆうことからしか、僕は何も発想できないっていうか。だから、流行のことはまったくわからないんですよ。

――宮藤さん独自のアンテナがあるんですね。
宮藤 自分で響いたものは追求しようと思うけど、スルーするものは本当にスルーしちゃいますからね。時代は全然そっちにいってないのに、おれだけ違う方向にいっちゃうときありますけど。それでいいんじゃないかなっていう。それしかできないから。

――自分で自分を変わってると思うことはありますか?
宮藤 変わってるとは思わないけど、ズレてるなとは思うときはある。「ヤバい、オレ、いま完全にズレてる、でも、もう遅い」って(笑)。そういうときは「みんな、ホントはこっちだよ」ってズレてない振りをします。勝地くんのCDが渋谷のお店でランキングが8位とか9位になっているのって完全にそのパターンで、「なんからわかないけど、勝 勝次郎ってすごいんじゃない?」って“騙された”人を離さないから(笑)。

どの現場でも真っ白になって、全力でやる

――振り切ったモノ勝ちと(笑)。勝地さんは?
勝地 僕の流儀は基本、どの現場でも真っ白になって、全力で演技をする。それだけです。やっているうちに癖とかもついてくるけど、新しい作品に入るときはなるべく忘れる。それができずに、前に失敗したことがあるんです。新感線の舞台に出たあとにドラマがありまして。舞台の感覚のまま自分がおもしろいと思うことをやったら、完全に浮いた感じになってたんです。
宮藤 ははは、客観的だね。スベってたの?
勝地 スベってるというか、ただ、うるさいヤツになってて。で、“これはダメだ”と思って、現場には常に真っ白で行こうって決めたんです。そうすれば無意識のうちに、それまで培ってきたものが出るかもしれないと。
宮藤 勝地くんぐらいの世代の役者さんってすごいマジメだよね。
勝地 そうかもしれませんね。
宮藤 こだわりがあるし、人の芝居もすごい観てるでしょ?
勝地 そうですね。
宮藤 で、お互い意見を言い合ったりして。
勝地 最近、それはなくなりました。みんなそれぞれがんばっているので。あえて言う必要がなくなったんですよね。

――では、最後に今回の曲「お風呂はぬるめの勝次郎」の聴きどころを。
宮藤 聴いてもらうとわかりますが、オッパイとヨドバシカメラの歌です(笑)。あとは元気になれる。バカになれる、闇雲に。自分ではもう聴き慣れているつもりだったけど、普通にラジオから聴こえてくると、ビックリしますからね、何コレ?って(笑)。あと、今回はジャケットが3種類あるのでいろんな勝地涼が楽しめるところも注目かと。
勝地 僕、ジャケットにサインを書いてる自分にゲラゲラ笑えてくるんです。ドラマの現場の控え室で200枚ぐらいサインを書いてるときとか、“超アーティスト!”って思いましたもん。

――“アーティスト”として、憧れの場所とか出てみたい番組ってあります?
勝地 まずは『紅白歌合戦』ですよね。それ以外だったら、『フジロック』じゃないですか(笑)。
宮藤 おー、すげー!
勝地 本編は無理なのでせめて開会式とか。
宮藤 開会宣言すんの?

――むしろそこで歌うほうが大変かと思いますが(笑)。じゃあ来年の夏の目標はフェス出場?
宮藤 いいね、野外でね。
勝地 野外で“お風呂はぬるめ”ってよくわかんないですけど、やってみたいです。

(文:若松正子)

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