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ももいろクローバーZ『ももクロ史上最大級の“バカ騒ぎ”初の西武ドーム公演をレポート!』
パワー全開!変幻自在のももクロショーが開幕
当然のごとく、ドーム内の高まりっぷりも開演前からハンパなし。そんななか、野球場ということで、映画『メジャーリーグ』のテーマ曲「ワイルド・シング」に乗せて、 スコアボードでメンバーの“選手紹介”。ももクロのライブの始まりを告げる「overture」が三味線バージョンとなって鳴り響き、巨大円形センターステージの四角に囲まれたLEDビジョンが上昇。演奏するのは吉田兄弟だ。無数の能面のダンサーがステージを回り、面を外した5人が姿を見せると、大歓声が巻き起こる。扇子を片手に「ワニとシャンプー」から勢い全開だ。
センターステージから、大量の水がアリーナ全体へ大噴射。昨年の、よみうりランドの比じゃないほどの水の量である。早くもビショビショになったモノノフ(ももクロのファン)たちの一体感が凄まじい。間髪入れず「PUSH」から、最新曲「Z女戦争」を披露。4月の横浜アリーナ『見渡せば大パノラマ地獄』ライブを経て、360度センターステージを“大パノラマ天国”とし、自分たちのものとした彼女たちだけに、あらゆる方向に向けてドラマティックにパフォーマンスしていく。最初のMCでは、「バカがまだまだ足りない!ドームの屋根がぶち壊れるくらいバカになれー!」(高城れに)、「いいかお前ら、頭のネジは外してきたかー!この夏、最大のバカ祭り。ネジ外さないと乗り切れないからなー!」(玉井詩織)、「今日は社会から逸脱して、ネジ外していきましょー!」(百田夏菜子)と、バカ推奨のフリーダム空間を高らかに宣言した。
トランシーな「CONTRADICTION」でモノノフを異空間に強制連行したかと思えば、夕陽の差すタイミングでバラード「キミノアト」を披露。動く歩道でバックスクリーン下のステージへと移動し、キラキラなアップチューンの「ミライボウル」歌ったりと、1曲ごとに違った世界観を見せるももクロ。今回のツアーは、会場全体がステージというテーマがあったが、今度はバックネット裏の客席に5人がハッピ風の衣装を着て登場。ドリフ感たっぷりの「もリフだョ!全員集合」で盛りあげる。
センターステージに戻ると、和風ラガチューン「天手力男」でバカ祭り度を上昇させ、ロックチューン「キミとセカイ」でパワフルなステージを見せる。変幻自在のショーは、ここからさらにカオス化。映像で、落語家・林家木久扇と、メンバーと似た桃黒亭一門が9月5日にリリースする「ニッポン笑顔百景」を紹介すると、センターステージに桃黒亭一門が登場し、三味線の効いた新曲を披露。そこに林家一門から送り込まれたゲスト林家ぺー・パー子が現れ、有名人の誕生日の歌を歌っていくというメチャクチャっぷり。
“ももクロ伝説”に刻まれる新たな1ページ
ラストスパートは、センターステージから伸びる5本の花道が、各メンバーを乗せて上昇旋回しての「ココ☆ナツ」。上から放水しながら歌いまくるももクロ。センターステージに戻った5人は、本編ラストチューン「コノウタ」で、会場をひとつにする。全く興奮の冷めない会場から巻き起こる大アンコール。そこに、ベースボールウェアに着替えたメンバーが登場し、「走れ!」を熱唱。途中、ステージのライトが消え、モノノフたちのサイリュウムがカラフルな光の渦を演出した。
そして、「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」を壮大に歌い上げたあと、「オレンジノート」が歌われる。クレーンで上空からファン全員とアイコンタクトをとっているかのようなメンバーたち。最後の最後は、「あの空へ向かって」を、センターステージを歩きながら、この瞬間を噛み締めながら歌っていく5人。間奏では、会場中からの「世界のももクロナンバーワン!」コールが沸き上がる。
最後のMCでは、メンバー1人ひとりが、今の思いを精一杯語った。「この景色は最高で……(涙)。バカにもなれたけど、心にグッときました。みんなの愛が注がれて、私たちは幸せ者です。これからもみんなと1個1個進みたいです」(高城)、「ありがとうしか出てこないけど、この嬉しさをみなさんにお返したいです。この思い出が、みなさんの思い出の一部になってくれたら嬉しいです」(佐々木)、「夢見てた西武ドームで、世界一のバカ騒ぎできて楽しかったです。みんなずっと好きでいてくれますか!」(玉井)、「どんな会場でもほんとに心から応援してくれるみんなが大好きです(大泣)」(有安)、「みなさんの声援で、みなさんのおかげでここに立っていられると思います。今日もまた伝説ができました。この伝説はずっと続いていくようにがんばるので、ももクロをよろしくお願いします!」(百田)。最後の最後に、再び会場全体での「ももいろクローバー“Z!”」をキメ、さらに「世界のももクロナンバーワン!」の掛け声が会場中に響き渡った。
全26曲、約4時間に渡っての、ももクロの夏の大一番はこうして幕を閉じた。全力のパフォーマンスにエンターテインメントも盛り込み、バカ騒ぎから感動まで持っていってしまうのだから、ももクロの底力たるや恐るべし。これだけのショーを作り上げるのは、並大抵の努力ではできないものだ。1歩1歩階段を昇り、さらに上へと突き進む、ももクロの成長ぶり、さらに増した凄みを存分に体感したライブだった。
(文:土屋恵介/写真:hajime kamiiisaka)
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