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片平里菜『10代の思い初期衝動が詰まった初のアルバム!』

デビューから1年。“ギタ女”としてもカリスマ的な存在となった福島出身のシンガーソングライター・片平里菜、待望の1stアルバム『amazing sky』には、瑞々しい10代の衝動が詰まっています!

10代の頃の初期衝動が詰まった作品

――想像していた以上に色とりどりなアルバムでした。
片平本当にそう思いました。バラエティに富んでいて、1曲1曲が濃いキャラクターだったんですけれど、まとまりのない感じではなく、統一感があってひとつのアルバムとして魅力的だなと。

――18歳で初めてギターで作った「夏の夜」から今までの作品が入っているんですね。
片平本当にたくさんの曲を作り溜めていて100曲以上あるんですよ。そのなかからどの曲をアルバムに入れようかな?と考えたときに、古い曲からどんどん届けたいという想いもありましたし、中高生の若い世代に響くようなアルバムを作りたいなと思いました。それで10代の頃に書いた曲や今の自分が10代の頃を思い出して書いた曲を詰め込みました。初期衝動的な、その頃にしか書けないような曲を選んだつもりです。

――「あなた」はイントロがオルガンでしたね。片平里菜=ギターというイメージですが、このアルバムでは鍵盤と曲、鍵盤とギターの相性が際立って聴こえました。
片平それはすごくうれしいです。これは久保田光太郎さんにアレンジをしていただきました。光太郎さんが時間をかけて1フレーズが完ぺきに歌えるまで丁寧に録ってくださったので、本当にナチュラルな歌になりましたし、すごい勉強になりました。

――「心は」という歌も、“こういう言葉をかけてほしかった”に当てはまりました。なんていうか、頭をやさしくなでてくれるような包んでくれるような。
片平これは東日本大震災の後に、地元福島の沿岸部へ行ったときにインスピレーションが湧きました。もともと地球だったり空だったり、大きなテーマで曲を書いてみたいなと思っていたんですが、その気持ちとリンクして、人と地球との関わりというか……そういう歌を書きました。

――そうだったんですね。空とか地球に、片平さんはどんな想いを抱いていたんですか?
片平地球を神秘的なイメージとして捉えていて、人間とは深いかかわりがあるし、ずっと思い続けていたテーマなんです。

――それで、アルバムタイトルが『amazing sky』。
片平なんか自然と出てきました。「amazing sky」という曲も10代の頃に書いていて、今までずっとライブでも大事に歌ってきたんですよね。美しい曲にしたいという想いがあって、こういうタイトルにしたのを覚えています。当時は自分を救済するために作った曲ではあったんですが、震災以降は被災地の方を想って歌うようになったし、思い入れは強いです。空を見上げて、同じ空の下にいるいろんな人たちを想像して励まされる……すごく大きなテーマですね。

――最後の1フレーズ、地声ですよね。
片平気持ちがあふれ出して、自分の世界に入って歌ったかな……。

――片平さんは今年に入って本拠地を東京に移しましたよね。地元・福島に対する想いに変化はありますか?
片平離れてあらためて思うことは……地元はやっぱり特別な場所ですね。帰るとダラケますが(笑)、本当に癒される。あとは福島で過ごしていたときに見えていたコトとか感じたコトって、やっぱり特別なことだったんだろうなと思います。外から見てあらためて気づくことがいっぱいありますね。そういう想いがまた歌になっていくんだろうな。

――そして「始まりに」で、アルバムは終わります。
片平これから始まるんだって前向きにさせてくれる歌なんですよね。もしも「amazing sky」が最後だったら、“あ〜終わった…”って映画の幕が閉じる感じがしちゃうと思うんです。でも「始まりに」だったら、また歩き出したくなるような気持ちになるんじゃないかな?って。

路上ライブでの経験から“聴いてほしい”“届けたい”と思う気持ちが強い

――思い返すと、どんなレコーディングでしたか?
片平歌いながら自己嫌悪に陥ることは多々ありましたね。自分の声ヤダ!歌えない!とか言った日もありました(笑)。なんだか自分の声がイヤになっちゃって。でもなんとか乗り越えました。でも亀田誠治さんのときはなぜかスイスイ歌えました。声が伸びる伸びる。

――それ、なんなんでしょうね?
片平特にアドバイスをいただいたりしたワケではないんですけれど、たぶん亀田さんが乗せ上手なんでしょうね(笑)。サクッと歌えました。曲によって自分の気分がすごく変わったんですよ。「teenage lover」とか、すごく切ない気持ちになったりしましたしね。敢えて切ない気持ちになろうと思ってがんばって思い出したりしていました。

――片平さんがギターを始めたのはお兄さんの影響でしたよね。
片平バンドをやっている兄の姿を見てカッコいいなと思っていたので、自分もやってみたいなと思っていました。でも自分は音楽が不得意だと思っていたので、最初はあまりのめり込まなかったんですよ。本格的にギターを手に取ったのは高3のときで、最初はとにかく歌えればいいと思っていたんです。でもそれだけじゃ自分を出せなかったし、周りからも曲を作ったほうがいいと言われたし、ひとつの表現手段としてギターだったんですけれどね。当時はこんなに長く続くとは思っていなかった(笑)。ギターを手に取ると同時に曲作りをして、ライヴもやって路上にも出て。

――路上の経験を歌ったのが「CROSS ROAD」。
片平18歳の頃から渋谷にも通っていたので、その帰りに“ちょっとやってみようかな?”と思って路上を始めた、そのときのことを少し大人になって思い出して、曲にしてみようかな?って思ったんです。

――渋谷の路上で歌うって、すごい勇気。
片平度胸が要りますね。なかなか怖くてできなかったんですけれど、勇気を出してやってみました。当時からプロになりたいという気持ちは強かったので、どこかでキッカケをつかみたいと常々思っていたし、今やんなきゃダメだって、気持ちに駆られてましたね。ヘタクソだったんですけれど、なんとか立ち止まってくれた方とコミュニケーションを取りながらやっていました。

――その経験は今につながっている?
片平聴いてくれ!って気持ちは今でもずっと強いと思います(笑)。歌ヂカラっていうか、届けたい気持ちは声の成分として当時から受け継がれている気がする。

――路上も含め表現手段のひとつだったギターは、今ではどんなモノになりましたか?
片平ギターがなくてハンドマイクだとソワソワしちゃうし…(笑)。部屋でギターを触ると、自然と曲作りしちゃうし、身体の一部じゃないけど、持っていることがすごく馴染んでいます。いろんなことに挑戦したいけど、今はギターとともにやっていくと思います。

――では最後に、1stアルバム『amazing sky』から始まるものとは?
片平いろいろと楽しみです。世界が広がっていくのが楽しみで仕方ないです。もっと大きいステージでも歌ってみたいし、もっといろんな国や地域で歌ってみたいし。スタンスとしては今までと変わらないと思うんですけれど、いろんな経験をして今までと同じように曲を作っていけたらなと思います。
(文:三沢千晶)

「HIGH FIVE」ミュージックビデオ

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