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ORICON NEWS
2013 FNC KINGDOM IN JAPAN 〜Fantastic & Crazy〜『FTISLAND、CNBLUEらが共演した初の音楽フェスをレポート!』
先輩バンドとしての貫録を魅せつけたFTISLAND
MCでは、「僕のせいで今日と明日になっちゃって本当にすみませんでした」と観客に謝罪したホンギ。本来は昨年12月末に西武ドームでの開催が予定されていたが、ホンギが負傷を追ったことで延期となった。ライブが何よりも自分の居場所というホンギだけに、楽しみにしていたファンへの申し訳なさとともに、自分の本意ではないところでステージに立てない悔しさを感じていたに違いない。「僕たちが初めて武道館でライブをしてから3年。3年前よりカッコよくなってますか?成長してるでしょ!?」と自分たちのファンへ力強く投げかけたあと、「今日は僕らのライブを初めて見る方もたくさんいますよね。だから、セットリストを決めるときに、いろんな曲があるから、どれがいいんだろう〜」と悩んだことを打ち明け、「FTISLANDはこんなバンドということをみなさんに教えてあげますね!」と中盤には韓国のヒットナンバー「Memory」、さらに最新シングル「beautiful」をドッシリとした演奏で聴かせ、先輩バンドとしての貫録を魅せつけた。
FTISLANDは、その後の転換の間にもステージに登場し、流暢な日本語で後輩の説明なども行った。「オープニングアクトとしてアジアツアーを一緒に回ったのですが、どんどん成長している姿を見れてうれしい。韓国はバンドが少ないから、先輩としていろんなことを教えてあげているんです」と微笑ましい表情を浮かべながらホンギが紹介した、4人組ミクスチャーロックバンドのN.Flyingが登場!韓国デビューを間近に控えている彼らであるが、グルーブ感たっぷりの野太い音色を放ち、インディーズでリリースした「Basket」ほか、4曲を披露した。続いてバンドとダンスユニットという二形態を組み合わせた斬新なスタイルで話題のガールズグループ・AOAは、AKB48のカバー曲「ヘビーローテーション」をバンドで披露した後、女性の曲線美を強調したセクシーな衣装とダンスで、韓国の音楽チャート番組で1位を獲得した「ミニスカート」をパフォーマンス。また白いミニワンピースで清純な魅力をふりまいたソロシンガーのJUNIELは、1年ぶりとなる日本でのステージに興奮を隠せない様子。「日本は第2の故郷だから、久々のステージがうれしくてドキドキしています」と愛くるしさをふりまき、アコースティックギターを弾き語りしながら「illa illa」では伸びやかな歌声を響かせた。
韓国でバンド文化を根付かせた、新たな道を切り開いてきたFNC
そして、初日のラストバッターは、CNBLUE。青いライトが照らされるなか、「お待たせ〜!」とヨンファが雄叫びをあげ、「Blind Love」からスタート。続く「Kimio」では「一緒に歌ってください!」とジョンヒョンが呼びかけ、ヨンファが客席に向かって手で指揮をとるなか、観客は大合唱となった。「今日は同じ事務所のいろんなアーティストと一緒にライブができて本当に楽しいです!最後まで盛り上がりましょう〜!」と「Diamond Girl」や韓国の最新曲「Can’t Stop」を初披露。「僕らは今、韓国で活動していて、少し忙しい日々を送っています。正直、最初はこのイベントに参加することに対してプレッシャーがあったんですが、待ってくれていたみなさんの顔を見て、温かな気持ちが感じられて、参加できて本当によかったと思いました」と深々とジョンヒョンはお辞儀をし、「この感謝の気持ちをいい音楽で何倍にもして返していきます。みなさん楽しみにしていてください!」と素直な思いを吐露。さらにヨンファも「FNCも大きくなりました。道を切り開いてくれたFTISLANDに感謝します!」と感慨深げに語ると、抱えていたギターを置き、「Feeling」や「Like A Child」でピアノを奏でながら、情感あふれる歌声を響かせた。そこにジョンシンとミンヒョクが紡ぎ出す重低音のリズム、ジョンヒョンの切なくも力強いギターの音色が絶妙に絡み合い、壮大な世界観を構築。バンドの勢い、ノリを感じさせたFTISLANDと対極といえる、一音一音に奥行きを持たせたCNBLUEの新たなアプローチを見せ、ロックミュージックという共通の音楽、根底の部分で繋がっていながらも、改めて多種多様なアーティストで構成されたFNCの幅広い音楽性を感じさせたのだった。
アンコールでは、CNBLUEが全出演アーティストをステージに呼び込み、CNBLUEの「Try again Smile again」を全員で熱唱。温かな雰囲気に包まれながら、約4時間に渡った初のイベントは、大盛況のなか、幕を閉じた。
また2日目は、オープニングをCNBLUE、トリをFTISLANDが務め、同じ出演者でありながらも全く異なる“Crazy”な一夜を展開。お互いの存在が刺激となり、バンドとしての活性化、ここからさらなる進化がもたらされるのは間違いないだろう。しかも、FTISLANDがデビューした当時、韓国ではバンド文化が根付いていなかったが、彼らやCNBLUEの活躍により、今ではすっかりバンドの認知度も上昇した。ファミリーコンサート開催に至ったと思うと、新たな道を切り開いてきたFNCの今後が楽しみであり、出演者たちの顔ぶれも回を重ねるごとに増えていくことを願うばかりである。
(文:星野彩乃)
関連リンク
・FTISLANDの活動プレイバック過去インタビュー 一覧
・CNBLUEの活動プレイバック過去インタビュー 一覧