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【編集長の目っ!】フィルハーモユニークが気になる

■大きなブレイクを期待したい、注目バンド

 前々回のこのコーナー、leccaの回でも書いたが、今年は若い女のコ、特にティーンが“泣ける詞”を求めて歌詞サイトにアクセス、そこでひっかかった作品がまずはデジタルヒット、そしてCDヒットへとつながっていった。やはり女性アーティストの作品が多く、男性アーティストの作品がそういうヒットの仕方をするというのは圧倒的に少なかった。

フィルハーモユニーク 

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 淋しい限りだ…。素晴らしい言葉を発信している男性アーティストだってたくさんいるのに…。もちろん歌詞だけが泣けても、歌詞を届ける声、歌が評価されなければヒットにはならないが…。

 最近気になっているアーティストの1組に、フィルハーモユニークという4ピースバンドがいる。詞と曲を手がけるボーカル・五味川が書く詞は、どこまでも真っ直ぐで、真っ直ぐすぎてどこか不器用、そんな感じがして仕方ない…でもそれがいい。そんな不器用な男の、純粋な心模様が浮んでくる。

 五味川のややざらついた声、でも優しさと力強さを感じさせてくれる声……。どこかで感じたことがあるこの後味というか余韻。これは個人的な感想だが、どこか浜田省吾の声を聴いた時のような感覚……説明のしようのない懐かしさ、郷愁感を喚起させてくれて、言葉を聴いた瞬間に映像が浮んでくる。そこが五味川の声と浜田省吾の声とがオーバーラップする所以だ。

 フィルハーモユニークは、2002年に名古屋で結成され、2007年にバンド名をフィルハーモユニーク(PhilHarmoUniQue)に改名したという。その後、精力的にライブ活動を行い、2008年NTT東日本 企業広告 CMソングと、POCARI SWEAT presents「ブカツの天使」応援ソングを含む1stシングル「優しい響き/輝ける場所」でメジャーデビューを果たした。

 そして2ndシングルとなる名曲「みちしるべ」(映画『イキガミ」主題歌)を、五郎川が約半年間かけて日本全国のラジオ局で弾き語りをするという“みち旅”を敢行し、計108番組で披露。リスナーの耳と心に届けた。

 この経験が、五味川の書く詞をより地に足が付いたものにし、その時肌で感じたことや、想い、見た風景、そして匂いが、メロディーに色濃く反映されているかもしれない。11月25日に発売される彼らの1stアルバム『ウラシマノウタ』を聴いてそう感じた。だから“普遍的な佇まい”を強く感じるのかもしれない。

 1年かけて、丁寧に作られたこの作品は、小林武史氏のアレンジが施された曲も含まれ、また、改名前は今と全く違う音楽をやっていたという、彼らの幅広い音楽性を感じさせてくれる。

 是非歌詞を見ながら、ジックリと聴いて欲しい。そして五味川の声に風景を感じて欲しい……『ウラシマノウタ』はそんなアルバムだ。


 フィルハーモユニーク浜田省吾

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