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TMNETWORK、42年変わらない3人の距離感 小室哲哉が語る「愛とは違うんですけど愛っぽい何か」【インタビュー】

 TMNETWORK小室哲哉宇都宮隆木根尚登が出演する『TMNETWORK スケルラジオ WOWOW ver. QUANTUM キク・ミル・ヨム観測日』が、9月27日午後6時からWOWOWで放送・配信される。番組では、9月1日に東京・Shibuya LOVEZで開催された公開収録イベントの模様を届ける。ライブではMCを行わないTMNETWORKだが、この日は3人がニューアルバム『QUANTUM』の制作秘話から42年にわたる関係性まで語り合い、絶妙な掛け合いで会場を何度も沸かせた。

『TMNETWORK QUANTUM キク・ミル・ヨム観測日』の模様

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■「僕たちはこれが普通」42年変わらない3人の“平熱”な関係

その空気感について3人に尋ねると、小室は「他のアーティストさんたちがわからないのですが、僕たちはこれが普通で、特に面白くしているわけでもないし、平熱ですね。濃すぎず、熱すぎず、寒すぎず。3人とも。ライブでは3人とも全く話しませんから(笑)、たまにこういう機会があると喜んでもらえますね」と語る。

 宇都宮も「変わんないなぁ。40年間というか、その前から変わんないですね」といい、木根も「もう40年以上ずっとどこにいても何をしていても3人集まればこの空気です。久しぶりに会っても、昨日まで一緒にいたような感じです」と、長年変わらない3人の関係性を明かす。

 1984年のデビューから42年。これだけ長い時間をともに過ごしていれば、お互いの考えていることも分かり切っているのかと思いきや、3人の答えは少しずつ異なる。

 木根は「長く一緒にいるとどんな反応をするか手に取るようにわかるので、驚かされるようなことはないです。多分2人も同じだと思います」ときっぱり。対して宇都宮は、「それこそ、この長い期間スケルラジオをやる前は、知らなかったこと、後に知ったこともあった。そういう楽曲が好きなんだ〜とか、収録でも話題になったけど、そんな人と会ったんだ。とかね」と、今になって知る一面もあるという。

 そして小室は「宇都宮さん、木根さん、それぞれですが、僕が何を言おうとしてるのか、何を思い描いているのか、なんとなくわかってる気がしますが、僕から2人へは、まだまだ『へー、そんなこと考えてたんだ』とか思うことがあります。僕が一番2人に驚くことが多いです。基本優しいんだと思います、ふたりとも(笑)」と語った。

『TMNETWORK QUANTUM キク・ミル・ヨム観測日』の模様

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 では、なぜ3人の距離は42年間変わらなかったのか。

 木根は「3人のバランスや距離感、それぞれの相性がきっと良いのかなと思います。お互いに無理せず、それぞれの個性を尊重しながら自然と心地よい関係ができているのかもしれないですね」と語る。そして「雑談の中に常に笑いがある。無理に話を合わせたり、気を遣いすぎたりすることもなく、それぞれが自然体でいられたから」と長く関係を続けてこられた理由を明かした。

 宇都宮は、もっとシンプルだ。「もともと、そういう性格だったこともあるし、出会ってからここまでその性格が変わんなかったことが大きいと思う」とし、ルールについても「大切にしてきたことは特にないですね。昔から変わらないということが大事。暗黙のルールとかもなく」と答える。

 小室の捉え方はまた違う。「お2人に共通して『才能を持ってる人と付き合っている』という感覚はずっとあります。才能とか、性格とか、選び抜いた人と付き合っている、偶然友達だったという感じではないですね」と、2人への信頼を言葉にする。

 そんな3人が、もし今の時代に10代で出会っていたら、再び一緒に音楽をやっていただろうか。木根は「そうなる自信はあります。この3人ならそうなっていくんじゃないかなと思います」と即答するが、宇都宮は「今それは思わないかな。こうなるってことがわかんなかったし。また違っていたかもしれない」と回答。小室は「この時代だと『3』を軸にするのは至難の技かもしれませんね。3くらいの数では情報がわかっちゃうので読みづらい時代です。3人でどうする?とか話し合うかもしれませね」と答えた。同じ42年を過ごしてきても、答えは三者三様。その違いを無理にそろえないことも、3人らしさなのかもしれない。

『TMNETWORK QUANTUM キク・ミル・ヨム観測日』の模様

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■ライブで育てた『QUANTUM』 小室哲哉が「最高傑作」と語る理由

 そんな3人が今回、あえてFANKSを前に新作について語る場を設けた背景には、小室の思いがあった。今回のイベントについて、小室は「今の時代はアルバムリリースのルーティンがなんでもありの時代なので、今聴ける、すぐ聴ける、が当たり前だったり。ですので、コアなファンの方に、あの頃のリリースを待つ感じを味わってほしい、というところが最初の思いつきです。僕らの活動期間の大半はこの感覚がずっとあったので。出るんだ、出すんだ、楽しみだ、という気持ちの切り取りですね」と説明した。

 TMNETWORKは9月23日、約3年ぶりとなるニューアルバム『QUANTUM』をリリースする。最新ツアーで先に披露した楽曲を、その後スタジオで完成させるという通常とは逆のプロセスで制作された作品だ。

 宇都宮は制作を振り返り、「特に小室のキーボード関係だったりアレンジだったりをもっとこうしたかったっていうのが入ってる気がします。僕の歌に関しては、思い出しながら入れた感じになった。LIVEを作品として越えていこうという気持ちはあったかな」と語る。木根が大切にしたのは「音のアナログ感(ボイスやアコースティックギターなどの)」だったという。

『TMNETWORK QUANTUM キク・ミル・ヨム観測日』の模様

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 公開収録で小室は『QUANTUM』を「TMNETWORKの最高傑作」と表現した。その言葉に木根は「全く同感です。常に『今』が新しくて最高だと思えることがうれしいです。ここまでずっとそう思い続けていられるのは間違いなく長い間支えてくれているスタッフや変わらず応援してくださるFANKSのみなさんのおかげだと思います。本当にありがたいです」と同意。一方、宇都宮は「リーダーが言うんだからそうなんだと思う」と、いかにも3人らしい言葉で受け止めた。

 小室が「最高傑作」とする背景には、作品に費やした時間の流れがある。「結果的にこんなに長い時間をかけたアルバムになったのは久しぶりです。構想から制作をはじめて半年くらいライブで育てた甲斐もあって、曲のセレクト、物語や映像も見えてくる、仮にこれがデビューアルバムだったら、一番自然な形かも、とあらためて思います。木根さんと僕のボーカル曲がそれぞれ入っているのも何十年ぶりじゃないでしょうか。僕のボーカル曲の『fate』は宇都宮さんが絶対入れてくれと。僕のボーカルのままで。そんなこと言うボーカル珍しいですよね(笑)。愛とは違うんですけど愛っぽい何かがあふれていますね(笑)」と語った。

■変わらない3人が、変わり続けられる理由

 変わらない3人が、なぜ新しい音楽を生み出し続けられるのか。宇都宮は「基本はやっぱり小室ですね。新しいことを常に、考えてる。僕自身もアンテナを貼り続けているけれど。彼の心のどこかで、僕と木根が『今度こうきたんだ!』って、僕たちを『おお!』って言わせたいっていうのも感じるんだよね。『Self Control』→『Get Wild』→『KISS YOU』だよ(笑)!? 聴けばわかるんですけどとんでもない展開だと思う。まずメンバーを驚かせたいっていうのがある気がするなぁ」と分析する。

 木根は「小室さんの未来志向の才能とウツの変わらぬ声があるかぎり不滅です」と言い、小室自身は「フレキシビリティ、順応性、変わっているという、フレキシブルな3人なのでしょう」と表現した。

『TMNETWORK QUANTUM キク・ミル・ヨム観測日』の模様

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 “キク・ミル・ヨム”をテーマに展開してきた『TMNETWORK スケルラジオ』について、宇都宮は「始まった当初は、実は嫌だった(笑)。でも、やっていくうちになんか面白いって思った」と率直に語る。木根は「今の時代ならではの企画だと思います。瞬時にみなさんの声が聞けるのもうれしいです」と手応えを口にする。

 一方、小室は「FANKSのみなさんが喜んでくれているのが1番の手応えの証明だと思います」としつつ、「昔からメディアミックスをやってきたユニットではあるので、特別なことをしている感覚はありません。スタッフがあの頃を踏襲してるだけで、僕たちは80年代からずっとやってたことを、そんなグループがいることを、ぜひメディアのみなさんからお知らせしてください(笑)」と笑う。

 42年たっても変わらない“平熱”の空気と、それぞれ違う3人の視点。そして、小室が「愛とは違うんですけど愛っぽい何か」と表現する関係性。その一端を垣間見ることができる『TMNETWORK スケルラジオ WOWOW ver. QUANTUM キク・ミル・ヨム観測日』は、9月27日午後6時からWOWOWライブ、WOWOWオンデマンドで放送・配信される(放送・配信終了後、WOWOWオンデマンドで1ヶ月間アーカイブ配信)。

■プロフィール
1983年5月、小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登の3人で結成。1984年4月21日にシングル「金曜日のライオン (Take it to the Lucky)」、アルバム『RAINBOW RAINBOW』でデビュー。斬新なサウンド、深遠なメッセージ性、緻密に構築されたメディア戦略で瞬く間に日本国内を席巻し、現在のJ-POPシーン隆盛の礎を築いた。1994年にプロジェクト終了宣言をするも、1999年に再始動。その後、何度かの活動スリープと再起動を経て、2021年より複数年にまたがる40周年プロジェクトを敢行。2026年に名称をTMNETWORKへサイレントリニューアル。
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