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ZARD、デビュー35周年記念日に開催した“永遠の瞬間(とき)”を刻むスペシャルライブ【セットリスト付きライブレポ】

 1991年のデビュー以来、「負けないで」「揺れる想い」などのミリオンセラーを連発し、ボーカルの坂井泉水さん亡き後も根強い人気を誇るZARD。時代を超えて愛され続けるZARDの35回目のデビュー日となる2月10日、東京国際フォーラムでスペシャルライブが開催された。坂井さんの歌声と映像にバンドの生演奏がシンクロすることによりZARDが蘇った。

ZARD 35周年記念ライブ『ZARD“What a beautiful memory 〜forever moment〜”』より

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■言葉を大切にして音楽を紡いだZARD

 今や応援ソングとして定番となった「負けないで」、人気アニメ「SLAM DUNK」のエンディング・テーマに起用された「マイ フレンド」など、数多くのヒット曲を送り出したZARD。ボーカルの坂井泉水さんが2007年に逝去したことにより実質的な活動は約16年で終止符が打たれたが、ZARDの音楽は今も多くのファンに愛され続けている。

 そんなZARDが今年2月10日にデビュー35周年を迎え、東京国際フォーラム ホールAで35周年記念ライブ『What a beautiful memory 〜forever moment〜』を開催した。東京国際フォーラムは、ZARDが2004年に行った最初で最後の全国ツアー『What a beautiful moment Tour』の会場のひとつ。22年の時を経て、当時からのファンはもちろん、若い世代のファンや海外から駆け付けたZARDファンの前で、坂井泉水の歌声とバンドの生演奏をシンクロさせたスペシャルライブが行われたのだ。

 「ZARDのライブへようこそ。今日は最後まで楽しんでいってください」という坂井の言葉でスタートしたライブの1曲目は、35年前の2月10日にリリースされたデビュー曲「Good-bye My Loneliness」。ステージの前面に配された紗幕(しゃまく)にさわやかな坂井さんの姿が映し出され、透明感たっぷりの歌声に合わせて幕の内側でバンドメンバーが演奏するという演出で、一気にZARDの音楽の世界へと誘われていった。

 映像はミュージックビデオ(MV)や2004年に開催された『What a beautiful moment Tour』のライブの模様を織り交ぜて構成。坂井はデニム生地のセットアップや白いオーバーサイズのシャツに青いジーンズ、オレンジのニットなど実にシンプルながら今の時代にも色褪せないいで立ちで、観客はみな彼女の優しく温かい歌声とともにそのナチュラルな美しさに吸い込まれるように、映像にくぎ付けになっていた。

 ライブ序盤は「もう少し あと少し…」「きっと忘れない」など、ZARD “永遠のスタンダード・ナンバー”をほぼノンストップで10曲続けて展開。彼女の姿をひと時も逃すまいと食い入るように見つめるファンに、リラックスして聴いてほしいと促すかのようなタイミングで坂井のMCが入ったのは10曲目の「眠り」を歌い終えた時だった。

 「時間ギリギリで新幹線に乗りこんだら焦ってしまって、大阪で下車しなければいけなかったのに間違って京都で降りてしまった」と照れ臭そうに明かしたエピソードは、2004年に大阪のフェスティバルホールで行われたライブのMCからピックアップされたもの。クールなイメージがあった彼女の意外な一面がうかがえるトークに、観客は思わず微笑みを浮かべていた。

 そして、「言葉を大事に音楽を作っていきたい」と、坂井がアーティストとしての矜持を示してライブが再開した。

■“君がいない”現実に切なさと勇気を感じたスペシャルライブ

ZARD 35周年記念ライブ『ZARD“What a beautiful memory 〜forever moment〜”』より

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 11曲目の「もっと近くで君の横顔見ていたい」からはステージ前面に配されていた紗幕が上がり、舞台の奥に設置されたLEDパネルに彼女の映像が投影されると同時に、舞台の中央にスポットライトに照らされたボーカルマイクが浮かび上がる。坂井泉水がいるはずのセンターマイクには誰もいない。しかし、中央のマイクを囲むようにセッティングされたバンドメンバーも、そして会場に集まった観客も、彼女の存在をそこに感じながら演奏を楽しんでいった。

 15曲目の「息もできない」からの4曲は、青いガーネットの山本ピカソがスペシャルコーラスとして参加。ZARDの生みの親である音楽プロデューサーに見いだされ、青いガーネットという音楽プロジェクトの活動を行っている山本は、自身とZARDのプロデューススタイルに相通ずるものを感じていたのではないだろうか。坂井への敬意を表しつつ、新しい風を吹かせた山本のパフォーマンスに、LEDパネルに映し出された坂井も心なしか優しく微笑みつつ見守っていたような気がした。

 さらに、会場は17曲目の「揺れる想い」でいっそう盛り上がりを見せた。本作は、坂井泉水逝去後にオリコンが行ったWEB投票でZARDの好きなシングル曲第2位に輝いた楽曲。クリームイエローのシャツに青いジーンズ姿の坂井の飾らない魅力もさわやかな楽曲を盛り立て、観客の手拍子が一段と熱を帯びた。

 その後、23曲目の「こんなにそばに居るのに」の曲中で行われたのは、熱い演奏を繰り広げていたバンドのメンバー紹介だ。1999年の船上ライブ以降、ZARDの全ライブに参加しているギターの大賀好修とベースの麻井寛史をはじめ、メンバーは2004年のZARD初の全国ツアー『What a beautiful moment Tour』や、2007年〜2009年の追悼ライブ、2011年の20周年ライブ、2016年の25周年ライブ、2021年の30周年ライブに立ち合っていたミュージシャンがほとんど。今回も坂井との息の合ったサウンドを展開していた。

 また、28曲目の「My Baby Grand〜ぬくもりが欲しくて〜」では、LEDパネルにファンからのメッセージが映し出されるというサプライズも展開。ダブルの虹リングの写真とともにZARDの35周年を祝う言葉や、坂井が訪れたニースの風景とともにZARDの音楽がこれからも歌い継がれていくことを祈るメッセージなど、ZARDファンの温かい愛を感じ合うひと時となった。

ZARD 35周年記念ライブ『ZARD“What a beautiful memory 〜forever moment〜”』より

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 坂井泉水の澄んだ歌声とバンドの熱い演奏をシャワーのように浴びたライブは、ラスト3曲で会場の盛りあがりは最高潮に。「君がいない」「マイ フレンド」、そして「最後の曲となりました」という坂井さんの言葉で始まったラストナンバー「Don’t you see!」は観客の多くがスタンディング。会場が一体となって刻んだ手拍子は、天国で歌う彼女にきっと届いたに違いない。

 全34曲をパフォーマンスしたスペシャルライブは、さらにアンコールで「心を開いて」「君に逢いたくなったら…」「好きなように踊りたいの」「あの微笑みを忘れないで」、そして「負けないで」という人気の5曲を披露。立ちあがった観客は頭上でクラップし、離れていても坂井がそばにいることを実感するフィナーレとなった。

 すべての演奏を終えると坂井のパネルがステージ中央に配され、バンドメンバーがその周りを囲んで讃え、観客から次々と寄せられる喝采の声と拍手に応えて終演を迎えた。メンバーがステージを後にする中、ギターでバンドマスターの大賀好修が坂井のパネルを抱え、ステージの端から端までゆったりと歩く一幕があった。それは「ZARD35周年を祝って、坂井さんの歌を聴きにきてくれた観客がこんなに大勢いるんだよ」と、空の上にいる彼女に語りかけているかのようだった。

 本公演を振り返りつつZARD 35周年を記念してリリースされた『ZARD Best Request〜35th Anniversary〜』を聴いていて改めて感じたことがある。それは、ZARDには国民的応援歌として人気を博す「負けないで」を筆頭に、落ち込むことがあっても「今日は今日、明日は明日」と前を向こうというポジティブなメッセージが込められた「Today is another day」など、背中を押してくれる楽曲が多いが、失恋の寂しさを抱えつつ前向きに進んでいく心情を歌った「きっと忘れない」や、恋人と別れた後に抱いた心に穴が開いたような感覚を歌にした「君がいない」といった失恋ソングも少なくないということ。

 ライブで失恋ソングを聴いた時は、シンプルなメロディラインにのせて切ない想いを歌う彼女の声がダイレクトに胸に突き刺さり、ファンの心の叫びを歌ったかのようにも感じられたのだが、前を向いて歩いていこうというメッセージが込められた曲からは、永遠に輝き続ける坂井さんの存在を近くに感じ、勇気をもらった。ZARDのライブは、ファンも、そしてバンドメンバーも、彼女がいない悲しい現実を受け止めつつ、ポジティブに頑張っていこうという想いを確かめ合う、大切な時間なのかもしれない。

 この秋にはアコースティックライブ『ZARD Acoustic Live 2026 〜Especial moment〜』の開催も決定したZARD。アコースティックならではのナチュラルな演奏に坂井泉水さんの優しい歌声が共鳴し、さらに彼女の存在をそばで感じる特別な瞬間となりそうだ。

取材・文:森中要子

ZARD 35周年記念ライブ『ZARD“What a beautiful memory 〜forever moment〜”』より

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■ZARD 35周年記念ライブ『ZARD“What a beautiful memory 〜forever moment〜”』
2月10日(火) 東京 東京国際フォーラム ホールA

【セットリスト】
01. Good-bye My Loneliness
02. 不思議ね…
03. もう探さない
04. こんなに愛しても
05. IN MY ARMS TONIGHT
06. もう少し あと少し…
07. きっと忘れない
08. Boy
09. サヨナラは今もこの胸に居ます
10. 眠り
11. もっと近くで君の横顔見ていたい
12. You and me (and…)
13. あなたを感じていたい
14. Just believe in love
15. 息もできない
16. 突然
17. 揺れる想い
18. 永遠
19. 二人の夏
20. かけがえのないもの
21. 来年の夏も
22. Forever you
23. こんなにそばに居るのに
24. 雨に濡れて
25. Season
26. Oh my love
27. Top Secret
28. My Baby Grand 〜ぬくもりが欲しくて〜
29. 遠い日のNostalgia
30. 愛が見えない
31. Today is another day
32. 君がいない
33. マイ フレンド
34. Don't you see!

〜Encore〜
En-1. 心を開いて
En-2. 君に逢いたくなったら…
En-3. 好きなように踊りたいの
En-4. あの微笑みを忘れないで
En-5. 負けないで
※3月20日(金・祝)午後9:00 WOWOWにて独占放送&配信決定

■放送・配信予定
3月20日(金・祝)午後9時〜WOWOWで放送・配信
35周年記念ライブ『ZARD“What a beautiful memory 〜forever moment〜”』
(東京国際フォーラム公演)

■ライブ情報
『ZARD Acoustic Live 2026 〜Especial moment〜』
2026年秋 開催予定

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  1. 1. ZARD、デビュー35周年記念日に開催した“永遠の瞬間(とき)”を刻むスペシャルライブ【セットリスト付きライブレポ】
  2. 2. ZARD、デビュー日に開催した35周年ライブをWOWOW独占放送へ 東京公演の模様明らかに

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