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【インタビュー】 アンサンブル・コノハ、ジブリ音楽の名曲を収録した2ndアルバム 「ハーモニーを生かしたコノハらしい作品」

 クラシック楽曲はもちろん、日本や世界の流行歌、さらにポップスと幅広く音楽を探究し、日本人ならではの抒情性を大切に、歌に宿る心情を伝えているコーラスグループのアンサンブル・コノハ。5月28日にリリースされた2ndアルバム『Echo〜コーラスで聴くジブリ名曲選〜』は、世界中で愛されるスタジオジブリ作品の名曲の数々を収録。メンバー全員が音大卒で、オペラやミュージカルで活躍する、美しい男女混声のコーラスを届けるコノハらしい自信作が完成した。

メンバー全員が音大卒で、オペラやミュージカルで活躍するアンサンブル・コノハ

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■ジブリ映画を彩る数々の名曲を、コノハならではのコーラス・アレンジで歌う

 心に咲く“花”のような歌を届けたいという思いで名付けられたコーラスグループのアンサンブル・コ(こころ)ノ(の)ハ(はな)。2ndアルバムは、スタジオジブリ作品から名曲12曲がセレクトされている。

【中村萌子(以下、中村)】アンサンブル・コノハは今年で結成10周年を迎えます。これまでさまざまな場所でコンサートを行ってきまして、単独コンサートのほかに、歌手の方をはじめ、いろいろな方たちとコラボしてジョイントコンサートも開催してきました。なかでも、『天空の城ラピュタ』の挿入歌「君をのせて」や『となりのトトロ』の主題歌などを歌う井上あずみさんは所属するレコード会社が一緒で、何度もジョイントコンサートを行ってきたんです。そんなご縁から、ジブリの名曲をコノハのコーラスでお届けしたいと考え、このアルバムを作りました。

 同作の制作経緯を語るのは、コノハのリーダーでソプラノパートを担当する中村萌子。ミュージカル俳優など多方面で活躍しながらグループをけん引している。

【遠藤友歌里(以下、遠藤】選曲はかなり難航しましたね。メンバーそれぞれが歌いたいと思ったジブリ作品の音楽を挙げて、絞り込むという作業を行ったのですが、やはりジブリ音楽は名曲ぞろい! みんなが歌いたいと思う曲が多く、最初の候補曲は30曲くらいあったと思います。そこから投票して、票数の多い順から12曲に絞りました。コノハは民主主義です(笑)

 遠藤友歌里はアルトパートを担当。中村と同じくミュージカル俳優として活動しつつ、ジョイントリサイタルやトーク&ライブなど、音楽ジャンルを問わず演奏活動を行っている。

【田中研(以下、田中)】「となりのトトロ」や「君をのせて」の得票率が高かったのは予想通りでしたが、意外と『ハウルの動く城』のテーマ曲「人生のメリーゴーランド」も票が集まりました。元の曲はインストゥルメンタルで、映画公開後の2006年には覚和歌子さんが詞を書き下ろして、歌手のクミコさんが歌っているのですが、今回は歌詞のないバージョンにチャレンジしています。選曲会議の際に、ほとんどのメンバーから「コノハだからこそできるコーラス・アレンジにしたら必ずいい歌に仕上がるはず!』という意見が上がっていました」

 テノールパートを担当する田中研は、各種イベントのMCなど声を生かした仕事に励みつつ、楽器演奏や編曲なども手がけるマルチプレイヤー。「人生のメリーゴーランド」のほか、「カントリー・ロード」「ひこうき雲」「風のとおり道」「もののけ姫」は、田中がアレンジも施し、楽器演奏もしている。メンバーそれぞれの音域や声の特徴などを熟知している田中がアレンジした5曲は、歌いやすく、声の良さが生かされたものになっていると、メンバーからの評価も高い。

【頼経遥(以下、頼経】ジブリの楽曲は、アルバム制作が決まる前からコンサートで歌ってきましたが、今作では改めてどのように歌ったらコノハにマッチするか、また原曲に対してどんなアプローチをしたらコノハらしさが出るかなど、メンバーで緻密な打ち合わせをしたうえでレコーディングに臨みました。キーは原曲からほぼ変えずに歌っていて、いかにコノハらしさを盛り込めるかという点をコンサートで試行錯誤してきましたが、これまでの経験が生かされて作り上げた自信作がアルバムに収められています。

 アルトパートを担当する頼経遥は、メンバー最年少。ミュージカルやオペラ作品などにも出演している実力派シンガーだ。

 この4人に加え、ソプラノの齊藤亜里紗、バスの持木悠の6人を中心に活動しているアンサンブル・コノハ。メンバーは全員音楽大学を卒業しており、在学中はクラシック音楽の歌唱法を学んでいた。

【遠藤】音大出身のコーラスグループというと、朗々と歌い上げるイメージがあると思いますが、私たちはそういった歌い方ではなく、日本語の言葉の響きを大切にしています。しゃべるように、言葉を大事に紡いで歌ってきました。ジブリ音楽に光を当てた今作はみなさんがご存じの曲ばかり収録されていると思いますし、私たちの歌を聴いて、一緒に口ずさんでいただいて、ハーモニーにもチャレンジしていただけたらうれしいですね。

【頼経】今作を聴いて、もう一度映画を見直してみようと思っていただけたら光栄です!

【中村】学校に呼んでいただく機会があれば、ぜひお子さんたちと一緒にも歌いたいですね。

■原曲をリスペクトしつつ、メンバーの感性を生かし、心に咲く花のような歌を届ける

左から遠藤友歌里、田中研、中村萌子、頼経遥

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 実は、アンサンブル・コノハの結成のきっかけとなった作品がある。CD全10巻に楽譜集10冊がついた『心に咲く愛唱名曲集100選』だ。

【中村】ユーキャンで、ジャンルや世代を超えて愛されている100曲を収録した音楽全集をリリースする企画が持ち上がった際、コンサートなどを中心に音楽活動を行っていた私たちに声をかけてくれました。そして、あれよあれよという間に抒情歌や唱歌、世界の民謡など100曲のレコーディングに突入です! 何ヶ月もスタジオにこもってのレコーディングは、とても勉強になりました。クラシックの楽曲を歌うときとマイクを使って歌うときでは、発声の仕方も息の使い方も言葉の乗せ方もまったく違います。野球でいうところの100本ノックのような100曲歌唱を通して、歌の伝えかたを学びました。この経験がコンサートでも生きていますし、100曲以上のレパートリーを持っていることは私たちの強みだと感じています。

 その音楽全集は通信販売限定となっており、コノハのコーラスをより多くの方に知ってもらいたいとの思いから、唱歌や流行歌、フォークなどとともにオリジナル曲を収録した1stアルバムの『ただいま−コノハ愛唱名曲集−』を2020年にリリース。そして今回発売する2ndアルバムは、ジブリ作品に取り組んだ。今作に収められている12曲すべてが自信作と語るコノハのメンバーに、特にお気に入りの楽曲を挙げてもらった。

【頼経】『耳をすませば』の主題歌「カントリー・ロード」は、できあがった曲を聴いたときに涙が出ました。特に出だしがかっこよくて、ぜひともお聴きいただきたいですね。この曲は1曲目に収録されているので、いい流れで2曲目、3曲目…と、ラストまでお楽しみください!

【遠藤】『となりのトトロ』のイメージソング「風のとおり道」は、ジブリ音楽という枠を超えて、テレビをはじめさまざまな場面で耳にすることの多い曲だと思います。一方で、インストゥルメンタルで流れてくることもしばしばで、歌詞の入った歌を聴く機会はそれほど多くない印象がありました。その曲をコーラスでお届けすることで、さらに歌の世界観が際立ったように感じています。

【田中】コーラスが生きているなと感じるのは「もののけ姫」です。アレンジをやってみないかというお話をいただいたときに、「私はこんなふうに歌いたい!」とメンバーがそれぞれ主張する声が聞こえてきたんです。その声に導かれるように譜面を書いたら、みんなが想像以上の力を出して歌ってくれました。カウンターテナーの米良美一さんが歌っている原曲がクラシック寄りの楽曲ということで、メンバーが作品の世界観に合わせて自然とギアチェンジしたのもプラスに働いたように思いますね。ハーモニーの響き、そしてそれぞれの声を生かした編曲になったのではないかと自画自賛しています。

【中村】全部お気に入りなのですが、しいて1曲挙げるなら「人生のメリーゴーランド」ですね。歌詞がなく、ヴォカリーズのみの作品はこの曲が初めてですが、私たちのルーツはクラシック音楽です。その音楽性を生かしたハーモニーを披露できたのではないかと感じています。メンバー6人がそれぞれ違う音を歌っているフレーズも多いので、一声ずつお聴きいただけますし、またグループとしてのコーラスのパワーもお楽しみいただけると思います。

 さらに、アレンジを担当した田中にはもう1曲心に残っている曲があるという。

【田中】「ひこうき雲」は、編曲を担当することになって、改めて荒井由実さんの原曲の背景をひもといてみました。歌詞の中に出てくる“あの子”には、自分なりにイメージした楽器で旋律を奏でて、歌い手と対話をしているようなギミックも取り入れています。また、飛行機雲が天に伸びていく様子はヴァイオリンの音色で表現しました。

 アレンジャーが曲に託したこの想いは、レコーディング時にメンバーに伝えていなかったという。

【田中】こんな感じで歌ってほしいと注文したことはありましたが、僕のイメージを押し付けたら窮屈になってしまって、いい歌にならないではないかと思ったので、曲の解釈の仕方は伝えませんでした。メンバーがそれぞれ感じ取ったインスピレーションをもとに歌って、みんなの感性を大切にしたかったので、あえて説明はしなかったんです。

 また、メンバーは原曲のイメージとかけ離れずにコノハらしさを出すことにも腐心したと語る。

【中村】「君をのせて」は、オリジナル歌手である井上あずみさんの歌唱を間近で何度も聴いてきました。ところが、いざ自分たちで歌ってみたら、マイナー調の曲ですし、少し暗い感じになってしまったんです。あずみさんの声は陰のイメージをたたえながら陽のテイストも表現されるんですよね。あずみさんの素敵で軽やかな歌声がこの曲の世界観を作っていたのだなと思い知りました。特に出だしのソロ歌唱パートは、なかなか納得いく歌が歌えなくて、何度も録り直しさせてもらったんです。

【遠藤】「カントリー・ロードは口ずさみやすいメロディだと思うのですが、クラシックの楽曲を歌ってきた私たちは、ビブラートをかけずにストレートに歌うことが苦手なんです。でも、原曲のイメージを損なわないようにストレートで歌うことに挑戦して、さらにコーラスがそこにピタッとハマった楽曲に仕上がって感激しました!

【頼経】「となりのトトロ」と「崖の上のポニョ」は、お子さん向けのコンサートでもポップにカジュアルに歌ってきた曲ですが、レコーディングすることになって譜面をしっかり見ながらマイクの前に立ったら、なんて難しい曲なんだろう! と驚愕しました。特にアルトパートは難しくて…。でもみんなで合わせたら、素晴らしいハーモニーになったんです。簡単そうに思えた曲も、音楽はすべて奥深いのだなと改めて感じています。

 原曲をリスペクトしつつ、メンバーの感性を生かし、コノハらしいサウンドにこだわって作り上げたニューアルバム『Echo〜コーラスで聴くジブリ名曲選〜』。傑作ぞろいのジブリサウンドと、音楽に真摯に楽しく向き合うコノハのハーモニーという最高のタッグによりでき上がった今作は、年齢を問わず、聴く人すべての心にみごとな花を咲かせるだろう。

文・森中要子

左から遠藤友歌里、田中研、中村萌子、頼経遥

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【作品情報】
アンサンブル・コノハ 2nd アルバム『Echo〜コーラスで聴くジブリ名曲選〜』
発売日:2025年5月28日
品番:FRCA-1325/価格:3080円(税込)

アンサンブル・コノハ 2nd アルバム『Echo〜コーラスで聴くジブリ名曲選〜』

アンサンブル・コノハ 2nd アルバム『Echo〜コーラスで聴くジブリ名曲選〜』

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<収録曲>
01. カントリー・ロード 「耳をすませば」主題歌
02. めぐる季節 「魔女の宅急便」イメージソング
03. やさしさに包まれたなら 「魔女の宅急便」挿入歌
04. 君をのせて 「天空の城ラピュタ」挿入歌
05. ひこうき雲 「風立ちぬ」主題歌
06. となりのトトロ 「となりのトトロ」エンディング主題歌
07. 風のとおり道 「となりのトトロ」イメージソング
08 いつも何度でも 「千と千尋の神隠し」主題歌
09. いのちの名前 「千と千尋の神隠し」テーマソング
10. 人生のメリーゴーランド 「ハウルの動く城」
11. もののけ姫 「もののけ姫」主題歌
12. 崖の上のポニョ 「崖の上のポニョ」主題歌

■アンサンブル・コノハ Ensemble CONOHA
コノハとは、CO(こころ)NO(の)HA(はな)。日本人ならではの抒情性を大切に、心に咲く“花”のような歌を届けたいという思いで名付けられたアンサンブル・グループ。メンバー全員が音大卒でオペラ、ミュージカルでの活躍が目覚ましい、実力派コーラス・アンサンブルで、クラシックはもちろんのこと、日本、そして世界の流行歌、さらにポップスと幅広く音楽を探究し続け、日本人ならではの抒情性を大切に、歌に宿る心情を伝えている。
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