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【インタビュー】WANDS第5期の“今”だからこそ完成した TVシリーズ特別編集版『名探偵コナンvs. 怪盗キッド』テーマソング「大胆」

 第5期としての活動も5年目に入ったWANDS。2024年第1弾の新曲は、TVシリーズ特別編集版『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』のテーマソングとして書き下ろされた「大胆」。メインキャラクターとなる「怪盗キッド」をテーマにした疾走感あふれるドラマチックな曲で、SNSには「テーマソングかっこいい!」「映画館の大画面でキッド観れてWANDSも聴けるとか最高」と絶賛するコメントが寄せられていた。新曲「大胆」の制作エピソードと、6月から始まるライブツアーへの意気込みについて話を聞いた。

6月からホールツアー『WANDS Live Tour 2024 〜BOLD〜』が始まるWANDS

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■コナン、怪盗キッド・ファンに受け入れられ WANDSファンにも驚きを与える曲を目指す

──新曲「大胆」は、TVシリーズ特別編集版『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』テーマソングとして1月5日に劇場公開となり、先行配信リリースもされ、既にファンの声も届いていると思います。リスナーの反応は、どのように感じていますか?

柴崎 「怪盗キッドをイメージする曲を」と、アニメ制作側から依頼を受けて作ったので、コナン、怪盗キッド・ファンの方々にしっくりとくる曲にできたかどうかが一番気になっていましたが、SNSなどで「(イメージと)ピッタリだ」という感想を目にして安心しました。

上原 楽曲としては、「いいものが作れた」という手応えがあったので、それをリスナーのみなさんからも「いい」と評価していただけてうれしく思っています。WANDSがどうこうではなく、純粋にコナン・ファンの方々に受け入れていただいて、そこはひと安心という気持ちです。

──曲はどのようなイメージで作っていったのですか?

柴崎 これまでに担当した名探偵コナンの主題歌は、具体的な縛りはなく、自由に作らせていただきました。でも今回は、アニメ制作サイドの怪盗キッドに対する強い想いを感じたので、期待に応えられるよう、怪盗キッドが登場する放送回を改めて確認して…。怪盗キッドの登場シーンってカッコいいんですよ。そうやってイメージを膨らませながら、全体的には疾走感をテーマにしながら、WANDSファンのみなさんにも驚きを与えられる曲にできたらいいなと思って作りました。具体的には、まずイントロもない状態の1コーラス分のデモを作って、上原に歌詞を書いてもらい、そこからフルアレンジをして、新たなメロディを加えていきました。

上原 歌詞については、当然ながら『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』のイメージに寄り添いつつ、あからさまにコナンや怪盗キッドを思い起こさせるベタな表現は避けようと考えていました。僕も最初、怪盗キッドが出てくる回を全部見て、キーワードを何百と書き出していったんです。でも結局、それは99%使わずにイチから歌詞を書きました。「RAISE INSIGHT」の時は、自由に書いた歌詞が、最終的に名探偵コナンにぴったりハマったんです。それを今回は、狙って作っていくというやり方をして、そこが結構、難しかったですね。

■スタイリッシュでちょっと知的な空気感 その化学反応が今のWANDSに合っている

──曲タイトルでもある「大胆」というワードが、サビでものすごく効いていますね。「大胆」をテーマに、歌詞全体を書いていったのですか?

上原 いえ、その逆で、何もないところからストーリーを作っていくように、サビで「大胆」というワードを使って、歌詞が完成した段階で、タイトルを「大胆」にしたんです。「キャッチーさと、ダサさの隣りあわせ論」というのがあって。ただカッコいい言葉だけだと耳に残らなくて、ちょっとミスマッチ感のある言葉の方が耳に残ったりするんです。「大胆」という言葉自体はスタイリッシュではないし、ダサさとカッコよさの中間というか…(笑)。

柴崎 でも今となっては、「大胆」以外のタイトルはあり得ないな。

上原 その加減はいつも悩むんですけど、今回はいい塩梅になったんじゃないかと思っています。

──上原さんのボーカル力によって、映画館に『名探偵コナンvs. 怪盗キッド』を観にきた子どもにもスッと入ってくる歌となっていますが、よく聴くと、曲の構成は複雑ですし、転調もたくさんあって、非常に作り込まれた楽曲ですね。

柴崎 そこは意図的かと言われれば意図的とも言えますが、そこまで頭で考えたわけではなくて。怪盗キッドのイメージで曲を作るなら、場面展開のコントラストを鮮やかに表現したいと思ったんです。そうしたら、その都度キーが変わる構成になったという感じで(笑)。

上原 柴崎さんが作る曲は、全般的に「ちょっと難しめ」というイメージ。1曲の中に転調が必ず2〜3回出てくる、みたいな(笑)。そこは(柴崎さんの)フュージョン好きな側面が出ているのだと思います。でも、曲の構成や転調が複雑でもメロディラインは滑らかなんです。だから素人には絶対に作れないタイプの曲ですよね。スタイリッシュで、ちょっと知的な空気感がある。それって、僕の性格と真逆なんですが(笑)、その化学反応が今のWANDSに合っている気がしています。

■自分なりに解釈して提案する “全投げ”のキャッチボールでブラッシュアップ

──細かい話になりますが、サビ頭の「大胆に」という部分も、バックのサウンドが毎回違いますよね。

柴崎 そこは作りながら考えていったところでもあるし、3回目のサビは、最初は音が入っていたのですが、ミックス段階で「歌のバックは無音にしよう」ということにしました。

上原 そういったサウンド面は、もう柴崎さんに“全投げ”で(笑)。

柴崎 こっちはこっちで、いろいろと上原に“全投げ”なんですよ(笑)。でも上原は、ちゃんとブラッシュアップして戻してくれるので、それが今は楽しみにもなっていて。今回もフルアレンジを作っていくときに、ラスサビにいく前にCメロを加えたんですね。それを「上原はどう解釈するかな?」って “全投げ”したら、泣きの入ったすごくいい感じで歌ってくれて。上原自身も、曲を書いてアレンジもする人だから、必ず自分なりに解釈してアプローチしてくれるとわかっているので、何も説明せずにメロディだけを渡すんです。

──柴崎さんから受け取ったメロディを、上原さんはどう解釈していくのですか?

上原 たとえばギターソロを考えるときも、こういう曲でこういう伴奏なら、どんな音色で、どういう弾き方がいいのかって考えますよね。歌も同じで、このアレンジに対してどういう歌い方をして、歌詞がどうであれば一番メロディが映えるかという考え方です。ファルセットがいいのか、優しく歌うのがいいのか。それなら、歌詞はどういう雰囲気の言葉がいいのか。今回のCメロに関して言うと、Cメロ終わりからスリリングに盛り上がってラスサビに入る。それって映画で例えると話の終盤にどんでん返しが起きるような急展開がここに詰まっていると感じたんです。だから歌詞に関しても、優しさやロマンチックなものからハッと現実に戻るような落差をドラマチックに表現しようと考えて。歌い方も、淡々と歌うのではなく、いろんな感情が移り変わる感じを意識しました。

──歌詞に関して、英語を一切使わなかったのは、何か理由が?

上原 今回の曲は「RAISE INSIGHT」のようなグルーヴィなリズムではないので、いわゆるJ-POP的に日本語を当てはめていこうと考えたんです。「ダイ・タン・ニ(大胆に)」も4拍子のリズムで普通にアクセントを付けられますし。歌詞を書くときはいつも、サビ頭はア行やエ行、しかも母音ではなく子音で始まる言葉にすることを意識していて。「バ」とか「ダ」で始まった方が、爆発力も出るし、ア行だと喉も開いて声量も出せるんです。だからサビが「大胆に」で始まるのはすごく大事で。「いつだって」でも、「どんな」でもダメ。そういったことが、先ほど話に出たようなキャッチーさにもつながるんです。

──なるほど。歌詞や歌に関して、柴崎さんが上原さんに“全投げ”する理由がわかる、とても納得のお話でした。

柴崎 自分ではできないものを誰かに頼むとき、どうして欲しいかというイメージはあっても、あまり細かく言い過ぎると可能性を狭めてしまう気がしていて。名探偵コナンとのコラボであれば、僕らは「曲を作ってください」と言われる側ですが、あまりこちらがクライアント側に寄せて作るのではなく、「こんなのもいいですよね」と提案する姿勢で取り組んだ方が、お互いにいい結果が得られることが多い気がするんです。

上原 信頼がおける相手とのコラボは、確かにそうですね。

柴崎 名探偵コナンとのコラボは毎回それができていると思っていて。実は今回、アニメ制作側から音に対する細かいオーダーをいただいていたんです。それを取り入れようと1曲作ったんですが、自分的にしっくりこなくて。だからその曲は捨てて、アニメ制作側の想いを聞いたうえで、自分なりに解釈して「こういうのはどうでしょう?」と作ったのが「大胆」だったんです。結果、お互いにいいものにできましたし、この2人の間でやってる“全投げ”も、要はそういうことなんです。

──通常盤に収録されている新曲「honey」も、そういう“全投げ”をしながら作っていったのですか?

柴崎 そうです(笑)。ライトな気分で、ライブで盛り上がれる曲を書こうと思って。

上原 それを曲から読み取って(笑)、「さぁ踊りましょう…」と、昨年のツアーで得た感覚、ライブの雰囲気で歌詞を書いていきました。やっぱりライブって、感動する曲や胸が熱くなるような曲ばかりでなく、楽しく「いいね!」ってなれる曲がすごく重要で。

柴崎 「ご機嫌だね!」っていう(笑)。だからこの曲は、ギターソロもライブっぽい感じで弾いています。

──この2曲の新曲も披露されるであろう6月から始まる『WANDS Live Tour 2024 〜BOLD〜』がますます楽しみになりました。今回はどんなツアーにしたいですか?

柴崎 昨年の『WANDS Live Tour 2023 〜SHOUT OUT!〜』は声出し解禁後、WANDS第5期として最初のツアーだったこともあって、もう少し続けたかったなという感覚がありました。だから今回は、昨年のツアーの延長線上という部分に、新しい何かをプラスしたものにできたらなと思っています。

上原 僕も同じ気持ちですね。昨年のツアーは、初日からどんどんライブが良くなって、いい感じになってきたところでファイナルとなったので、その続編でもありつつ、新曲を加えた今年ならではの部分を、よりパワーアップ、バージョンアップしたツアーにしたいですね。

文・布施雄一郎

<リリース情報>
WANDS「大胆」
2024年4月10日発売
TVシリーズ特別編集版『名探偵コナンvs. 怪盗キッド』テーマソング

【名探偵コナン盤 [完全限定生産]】(CD+アクリルスタンド)
「名探偵コナン vs. 怪盗キッド」描き下ろしアニメ絵柄ジャケット
品番:GZCD-7015/価格:2,200円(税別)
<収録曲>
1. 大胆
作詞:上原大史 作曲/編曲:柴崎浩
2. 真っ赤なLip[LIVE ver. from WANDS Live Tour 2023〜SHOUT OUT!〜]
<封入特典>
アクリルスタンド(江戸川コナン vs. 怪盗キッド)付

WANDS「大胆」 名探偵コナン盤  [完全限定生産]

WANDS「大胆」 名探偵コナン盤 [完全限定生産]

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【通常盤】CD
品番:GZCD-7016/価格:1,100円(税別)
<収録曲>
1. 大胆
作詞:上原大史 作曲/編曲:柴崎浩
2. honey
作詞:上原大史 作曲/編曲:柴崎浩
3. 大胆 [OFF VOCAL]
<封入特典>(初回プレス分のみ)
「大胆」MVメイキング映像が観られるSPECIAL MOVIE視聴用シリアルナンバー封入

WANDS「大胆」 通常盤

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■WANDS オフィシャルサイト:https://wands-official.jp/index.html

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