ORICON NEWS

【インタビュー】 SARD UNDERGROUND 5周年イヤーは全力突破 ZARD名曲をリレコーディングしたAL完成

 新世代のZARDトリビュートバンドとして注目を集めているSARD UNDERGROUND。デビュー5周年を迎える今年、3月20日にZARDの名曲14曲を厳選収録した究極のトリビュート・ベストセレクション『ZARD tribute Best Selection』をリリースした。オリジナル楽曲にも取り組みながら、ZARD永遠の名曲や坂井泉水の未公開詞による曲など、“ZARD永遠のスタンダード・ナンバー”を歌い継ぐことを何より大切にしてきた彼女たちの同作に込めた想い、そして5年間の歩みの中で感じた成長について話を聞いた。

SARD UNDERGROUND 写真左から 杉岡泉美(Ba)、神野友亜(Vo)、坂本ひろ美(Key)

SARD UNDERGROUND 写真左から 杉岡泉美(Ba)、神野友亜(Vo)、坂本ひろ美(Key)

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


■ZARD数々の名曲を厳選収録 オリジナルに近いアレンジでリレコーディング

 ZARDの名曲14曲を厳選収録した同作の一番の特徴は、「負けないで」「揺れる想い」「マイ フレンド」など、ミリオンヒットを記録した人気曲をはじめとする8曲を、SARD UNDERGROUND流ではなく、オリジナルに近いアレンジでリレコーディングしていること。これはボーカルの神野友亜たっての希望だったという。

「この8曲はデビュー作となった1作目のトリビュート・アルバム『ZARD tribute』に収録した楽曲ですが、2年くらい前からもう一度、録り直したいと思っていました。私たちのアレンジはオリジナルに比べて、明るめでポップな感じになっていたので、もう少しZARDさんに近いアレンジで歌いたいと思うようになったことがきっかけでした。今歌うとキーが高すぎるかなという曲や、当時の自分の声がちょっと明るすぎるところもあるので、もっと深みのある声で歌いたいという思いもありました」(神野)

 デビューを目指してレッスンを受けていた頃からZARDの作品と向き合い、デビュー後もアルバムやライブでZARDの楽曲を大切に歌い継いできた3人。
「デビュー当時は何が自分たちに合うのか、何もわからない状況だった」と振り返る神野だが、5年間の歩みの中で、自らの成長に合わせて、やりたいことや自分たちらしさが明確に見えてきたようだ。それはベースの杉岡泉美、キーボードの坂本ひろ美も同じ。

「デビューアルバムのカバー曲は私たち流のアレンジになっていて、テンポも早かったのですが、ライブで何度か演奏しているうちに、いつしかZARDさんと同じような感じで演奏してみたいと思うようになっていました。とくに、今回、リレコーディングした『Don’t you see!』はZARDさんのオリジナルのイントロ部分のベースがとても好きで弾いてみたかったので、ライブで演奏するのも楽しみです」(杉岡)

「今回のアルバムでは、初カバーとなる『GOOD DAY』のピアノ部分をずっと弾いてみたいと思っていました。そのほか、ライブでこれまでたくさん演奏してきた曲を、改めてZARDさんに近いアレンジで形に残せたことは本当にうれしいです」(坂本)

ボーカルの神野友亜

ボーカルの神野友亜

写真ページを見る

■5周年イヤーに初の全国5ヶ所ライブツアーを実現

 カバーする際は、常に「坂井泉水さんの歌への想いと世界観を大切にしている」と語ってきた3人。数々の名曲を歌い継いで5年、その素晴らしさをより一層感じるようになったという。

「聞けば聞くほど、歌えば歌うほど、ここもすごい、あそこもすごい、と発見することが多いです。とくに最近、よく思うのは、声が唯一無二ということです。今回リレコーディングして、改めて、どれだけ頑張っても自分には出せないな、と思いました。だから私は似せるのではなく、私が出せる自分のよい声を見つけて、『この人の声、めっちゃいいよね』って思ってもらえるように頑張りたいと思っています」(神野)

 そんな神野の声をメンバーも絶賛する。

「友亜ちゃんの声は心にすごく響いて、私は大好きです。絶対聞いてほしいと思っています」(坂本)

「私もそう思います! 今回のアルバムでも、友亜ちゃんの声が1枚目に比べて大人っぽくなっていますし、とくに私は『Just believe in love』の歌声が好きなので、ライブで聞くのが今から楽しみです。歌っているときの表情もすごくいいし、声量にもビックリしますから、ぜひ、みなさんにもライブに来てもらって、生で聞いてほしいです」(杉岡)

待望のライブツアーは、これまでの大阪、東京に加え、福岡、宮城、愛知と初の全国5ヶ所の開催が決定している。

「5周年で5ヶ所回れることになって、本当にうれしいです。まずはZARDさんの楽曲のアレンジを原曲により近づけているので、『これがZARDだ!』という空気感を作りたいと思っていますし、私たちのオリジナルでは私たちの個性を存分に出していけたらと思っています」(神野)

 デビュー当時は、緊張のあまり「声帯自体が震えていて、自分の声が出せないような状態だった」と苦笑いする神野だが、5年間の経験を積み重ねたことで、今は「自分が歌いたいように歌えるようになった。これだけ変わったのだからまだまだ変われるな、と思っている」と目を輝かす。

ベースの杉岡泉美

ベースの杉岡泉美

写真ページを見る

■5年間の歩みで人としても成長「感受性が豊かになった気がします」

 さらに5年間の歩みから得た経験と自信から、3人は自身の成長についても、確かな手ごたえを感じている。

「私は人と話すことがあまり得意ではなかったのですが、最近、会話のラリーができるようになりました。ファンの方と話す機会が増え、人と関わることも多くなったことで成長できたのかな。演奏面では、最近、スタッフさんに『ベースの音がカッコよかったよ』と言ってもらえたことがうれしくて、自分でもデビュー当時より音色に深みが出てきたと思っています」(杉岡)

「私は何か起きたときにも動じなくなったというか、受け入れる心が大きくなったような気がします。その分、周りを見られる余裕ができたというか、視野が広がって、感受性のアンテナが増えたように思います。キーボードに関しては、弾けば弾くほどできない部分が見えてくるので、悔しくて、欲が出てきています。自宅では自分で弾いたものを録音して聞いて、また弾いて、を繰り返しています。上手な方の演奏を聞くと、まだまだだなって思うことばかりなので、もっと突き詰めて行きたいと考えています」(坂本)

「私も同じように感受性が増えたと感じています。でも、豊かになりすぎたことで、逆に戸惑うことも増えたような気がします。自分は歌詞を書いているので、いろいろな作品の歌詞を読んで、こんな考え方があるんだって思うと、それならもっと違った考え方もできるはず、とかいろいろ考えてしまうようになって(苦笑)。あれもこれも全部吸収しようとして欲張りになってきてしまっているのかもしれません」(神野)

 1つの壁を超えるとさらに高い壁が現れ、それを1つずつクリアしていくことで、人は成長していくと言われるが、3人は一歩ずつ着実に、その道を進んでいるということだろう。そんな3人の成長の軌跡は、同アルバムの初回限定盤の特典となっている2021、2022、2023のライブツアー映像「LIVE Best Selection」からも辿ることができる。

「年代順に見ると、私たちのまとまり感や、表情など、大人になったなっていう成長を感じてもらえると思います」(杉岡)

「ライブに来てくれた人は、そのときの様子を思い出して楽しんでもらえると思うし、何より、ライブならではの音や空気感を楽しんでもらえると思います」(坂本)

キーボードの坂本ひろ美

キーボードの坂本ひろ美

写真ページを見る

■三者三様の個性でSARD UNDERGROUNDならではのカラーを創出

 デビュー直後のインタビューで、「性格が違う3人が混ざることで私たちだけの色が出せるようになれたら」と語っていた3人。5年を経て、「その化学反応によって生まれた色は?」と聞くと、「私たちならではだと思うし、すべてがちょうどいい」と3人は笑顔で胸を張る。

「性格は本当に三者三様で、それが本当にちょうどいい感じなんです。たとえば、差し入れで3種類のケーキをいただいたとき、いつも全員が違うものを選ぶんです(笑)。5年間でお互いがわかればわかるほど違いが明確になってきて、それぞれの個性を尊重し合える、深い関係になっているなと感じています。演奏では、ろみさん(坂本)のピアノは本当に優しいし、杉岡さんもベースを弾いているクールな姿と、天然なMCとでは羨ましいくらいギャップがあるし(笑)。ステージでも3人の立ち位置で空気感が3分割されている感じですけど、そういう違いがSARD UNDERGROUNDらしさをすごく出している気がします」(神野)

 そんな3人の個々の素顔を見られるのが、5周年を機に開設したYouTubeサブチャンネル。メンバーが3姉妹に扮してお婆ちゃんから生活の知恵を学び、さまざまなことに挑戦するお茶の間系バラエティープログラムだ。

「お婆ちゃんがいつも私たちの個性を引き出してくれているので、こんな子たちだったんだって思う人もいると思いますが、逃げずに見てほしいです(笑)」(神野)

 最後に、5周年記念イヤーに突入した今年、3人はどんな目標を立てているのか、聞いてみた。

「5周年ということで、今年は全力突破したいです。今までは怖いものはあるけど頑張って進んでいくという感じでしたが、今年は辰年ということで、辰(龍)のように壁を全部ぶち壊すイメージで、天に昇っていくように頑張ろうって、3人で話しています。そして、3人で口を揃えて言っているのは、『いい女性になろう!』ということです」(神野)

 オリジナル楽曲に関しては、「『空っぽの心』を演奏している私たちってすごくカッコイイ、イケてるなって思うので、同じようにライブ映えするような曲をもっと増やしたい」と意欲を語る。

“カッコよくて、いい女性” ―― 平成の歌姫・ZARDの背中を追って快進撃を続けるSARD UNDERGROUNDの3人が、どんな令和の音楽を奏でてくれるのか。まずはトリビュート・アルバム『ZARD tribute Best Selection』で確かめてみたい。

文・河上いつ子

<リリース情報>
5th Anniversary Album『ZARD tribute Best Selection』

【初回限定盤(CD+Blu-ray+カレンダー)】
品番:GZCA-5322 / [特典Blu-ray] GZXB-5322
価格:5,500円(税込)

5th Anniversary Album『ZARD tribute Best Selection』初回限定盤

5th Anniversary Album『ZARD tribute Best Selection』初回限定盤

写真ページを見る

<特典Blu-ray>
LIVE Best Selection
●LIVE TOUR 2021 [Cheers!]
 ・息もできない
 ・少女の頃に戻ったみたいに
●LIVE TOUR 2022 [in the twilight]
 ・世界はきっと未来の中
 ・IN MY ARMS TONIGHT
 ・永遠
 ・愛が見えない
 ・負けないで
●LIVE TOUR 2023 [hold me, my friend]
 ・揺れる想い [tribute 2023]

【通常盤(CD)】
品番:GZCA-5323
価格:2,750円(税込)

5th Anniversary Album『ZARD tribute Best Selection』通常盤

5th Anniversary Album『ZARD tribute Best Selection』通常盤

写真ページを見る

<CD収録曲>(共通)
01. あの微笑みを忘れないで [tribute 2024]
02. DAN DAN 心魅かれてく [tribute 2024]
03. Don't you see! [tribute 2024]
04. 負けないで [tribute 2024]
05. 心を開いて [tribute 2024]
06. 眠れない夜を抱いて
07. この愛に泳ぎ疲れても
08. 永遠 [tribute 2024] 
09. 運命のルーレット廻して
10. マイ フレンド [tribute 2024]
11. 揺れる想い [tribute 2023]
12. きっと忘れない [tribute 2024]
13. Just believe in love
14. GOOD DAY

<ライブ情報>
『SARD UNDERGROUND LIVE TOUR 2024』
9月 7日(土) トヨタホール スカラエスパシオ(福岡県)
9月14日(土)  仙台PIT(宮城県)
9月16日(月/祝)Zepp DiverCity(TOKYO)(東京都)
9月20日(金) ダイアモンドホール(愛知県)
9月22日(日/祝)Zepp Namba(OSAKA)(大阪府)

■SARD UNDERGROUND 公式サイト:https://sard-underground.jp/index.html

関連写真

  • SARD UNDERGROUND 写真左から 杉岡泉美(Ba)、神野友亜(Vo)、坂本ひろ美(Key)
  • ボーカルの神野友亜
  • ベースの杉岡泉美
  • キーボードの坂本ひろ美
  • 5th Anniversary Album『ZARD tribute Best Selection』初回限定盤
  • 5th Anniversary Album『ZARD tribute Best Selection』通常盤

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索