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【リリース】「横浜銀蝿」デビュー45周年記念 銀蝿ファミリートリビュートアルバム5月発売決定 銀蝿フェス 2DAYSも開催

 横浜銀蝿が2025年のデビュー45周年を控え、「45周年PRE-YEAR」を始動。その第1弾として、5月8日にリリースされるトリビュートアルバム『仏恥義理 斗璃美勇徒 Ginbae Family Tribute Album』の制作が進められている。

「45周年PRE-YEAR」がスタートした横浜銀蝿 

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■横浜銀蝿のロックンロールに純粋に向き合えるトリビュートアルバム

 横浜銀蝿の正式名称は、「THE CRAZY RIDER 横浜銀蝿 ROLLING SPECIAL」。嵐(Dr)、(Vo, Gt)、Johnny(Gt, Vo)、TAKU(Ba)の4人組バンドとして、1980年にアルバム『ぶっちぎり』、シングル「横須賀Baby」の同時リリースでデビュー。革ジャンに白いドカン(極端に裾幅の広い変形ワイドパンツ)、リーゼントといういで立ちで、昭和の“ツッパリ”文化を象徴するロックンロール・バンドとして大人気となり、「ツッパリHigh School Rock’n Roll(登校編)」(1981年)は累積売上56.6万枚という大ヒットを記録した。

 その後、テレビ、ラジオ、ライブ等の音楽活動だけでなく、映画・ドラマに出演するなど活動の場を広げ、わずか2年で当時ミュージシャンの誰もが憧れた日本武道館コンサートを成功させ、日本レコード大賞特別賞も受賞した。当初の目標を達成したとして、3年目の大晦日に潔く解散。わずか3年で時代を席巻する存在となり、活動を終えたのだった。

 横浜銀蝿の魅力は、当然ながらツッパリ文化を牽引した独自のファッション性や社会的なメッセージ性もさることながら、音楽的には極めてシンプルに構成されたロックンロール・サウンドが何よりも痛快だった。彼らが音楽シーンに登場した80年代初頭のベストテン番組はアイドル歌謡が全盛期を迎えており、他方、シンセサイザーを多用したデジタルなテクノポップ・ブームへと時代は大きく変貌を遂げ、70年代的なギターロックは古臭いものとなっていた。それにも関わらず、アイドルとテクノポップに混ざって、横浜銀蝿の3コードのロックンロールはカッコよく鳴り響いたのだ。

 聴くだけで心躍るメロディとビート。しかも、シンプルなのにカッコいい。そもそも中高生たちがそれほど深い音楽的知識を持っているわけがなく、それでも掃除道具のホウキをギターに見立てて、多くのツッパリ中高生たちに銀蝿の真似させる力を彼らのロックンロールは持っていたのだった。しかも、「自分たちにも弾けるのではないか」と思わせてくれる敷居の低さもあり、今にして思えば銀蝿ロックンロールは、リズム感のインパクト、一聴しただけで口ずさみたくなるメロディの宝庫と言えるものだった。そんなサウンドに、ツッパリの哀愁や心意気を歌った歌詞を乗せ、行間にちょこっとだけダサカワいい“ツッパリあるある”のパロディを散りばめることで、人肌を感じさせる等身大の「オレたちの兄貴・仲間」感をぐっと高めていたのだった。

 だからこそ横浜銀蝿のロックンロールは「昭和」や「80年代」という(今となっては特異な)時代性と切り離して語ることが難しく、それゆえこれまで音楽だけを真正面から捉える機会はあまり多くなかった。それが今回、彼らと同世代のアーティストやフォロワーバンド、さらには今の時代のアイドルが代表曲をカバーしたことで、純粋に横浜銀蝿のロックンロールに向き合えるという面白い体験を提供してくれている。

■横浜銀蝿の“ぶっちぎり”な45周年PRE-YEARがスタート

 参加アーティストは、五十音順でIKURA/横道坊主氣志團クレイジーケンバンドザ50回転ズ/The Biscats/JUN SKY WALKER(S)怒髪天山口智充 with 押尾コータロー/横浜私立恵比寿中学(私立恵比寿中学&横浜銀蝿)。「なるほど」というアーティストから、「待ってました!」と言わんばかりのバンド、さらには「えっ、この人が!?」という驚きのバラエティに富んだ面々であり、サウンド的にも、強いリスペクトを感じさせる直球のロック・サウンドから、ソウルやドゥワップ、さらにはアイドルソングへと大胆に変貌を遂げたカバーもあり、中には「これが銀蝿の曲!?」と、そのメロディアスさに驚かされるようなカバーもあり、懐かしさだけでなく、新たな発見も楽しめる内容となっている。

銀蝿ファミリートリビュートアルバム参加アーティスト(五十音順)

銀蝿ファミリートリビュートアルバム参加アーティスト(五十音順)

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 昨今のJ-POP界隈は、折からのシティポップ・ブームやアイドル歌謡の再評価など、80年代ポップスにスポットライトが当てられる機会が多い。だがいい意味で、それらいずれのカテゴリーにも属さない横浜銀蝿の昭和な“ツッパリ”ロックンロールに、今、令和という時代に改めて耳を傾けてみるというのは、なかなか面白い体験なのではないだろうか。

 横浜銀蝿は1998年に再結成。音楽業界の裏方へ転身し、その職に徹していたJohnnyを除く、嵐、翔、TAKUの3人で断続的に活動を続けてきた。そしてデビュー40周年を迎えた2020年には、遂にJohnnyも本格的に参加し、オリジナルメンバー4人で「横浜銀蝿40th」として期間限定の活動を展開。当初は1年間限定の予定であったが、コロナ禍に見舞われたこともあり1年延長し、2021年末に「横浜銀蝿40th」としての活動は一旦終了となった。しかし残念なことに、翌年7月4日、リーダー嵐が67歳で逝去したことを受け、昨年、レコード会社社長職を退いたJohnnyが完全復帰。2023年10月18日にオリジナルアルバム『ぶっちぎりXI Vintage 3』をリリースした。

 当時20代で激動の歌謡界をツッパリ抜いた翔、Johnny、TAKUも、今や音楽界の超ベテランであり、社会的にも人生の機微も知り尽くした世代だ。そんな彼らが45年前に蒔いた種が、今、どのように育ったのかという視点でも興味深い1枚になっているし、一方で、そんな小難しい話は抜きにして、明るく楽しく躍らせてくれるご機嫌なロックンロールのカバーアルバムとしても十分にカッコいい仕上がりになっている。

 そのリリースを祝うべく、5月10日と11日には神奈川・KT ZEPP YOKOHAMAで銀蝿フェス 2DAYS「横浜銀蝿 斗璃美勇徒 笛洲帝罵琉 全員集合!〜Ginbae Tribute Festival』の開催も決定。このフェスへの出演者情報の他、チケット販売情報なども併せて発表されているのでチェックして欲しい。とにもかくにも、横浜銀蝿の“ぶっちぎり”な45周年PRE-YEARが、いよいよ幕を開けた。

文・布施雄一郎

<リリース情報>(予定)
『仏恥義理 斗璃美勇徒 Ginbae Family Tribute Album』
発売日:2024年5月8日

【初回限定盤】CD+DVD
品番:BZCS-91211/価格:6,600円(税込)
【通常盤】CD
品番:BZCS-1211/価格:3,520円(税込)

<CD収録曲>(共通)※楽曲発売日順に収録
01. クレイジーケンバンド「横須賀Baby」(1980.9.21)/作詞・作曲 : 横浜銀蝿
02. JUN SKY WALKER(S)「ぶっちぎりRock’n Roll」(1980.9.21)/作詞・作曲 : タミヤヨシユキ
03. 怒髪天「羯徒毘路薫'狼琉」(1981.06.23)/作詞 : 翔 作曲 : Johnny
  ※「路」の正式表記は「王」へんに「路」
04. IKURA「雨の湘南通り」(1981.07.07)/作詞・作曲 : 翔
05. 横道坊主「ジェームス・ディーンのように」 Johnnyソロ楽曲(1981.11.18)/作詞・作曲 : Johnny
06. The Biscats「ぶりっこROCK’N ROLL」 紅麗威甦 楽曲(1982.01.20)/作詞・作曲 : 翔
07. 氣志團「It's Only Rock'n Roll集会のテーマ (のれのれRock'n Roll) 」(1982.02.24) /作詞・作曲 : TAKU
08. 山口智充 with 押尾コータロー「男の勲章」 嶋大輔 楽曲(1982.04.28)/作詞・作曲 : Johnny
09. ザ50回転ズ「Rock'n Roll恋占い」 麗灑 楽曲(1982.09.21)/作詞・作曲 : 翔
10. 横浜私立恵比寿中学(私立恵比寿中学&横浜銀蝿)「ドリーム・ドリーム・ドリーム」 岩井小百合 楽曲(1983.01.12)/作詞・作曲 : TAKU
11. 仏恥義理 斗璃美勇徒 AII Stars「ツッパリHigh School Rock'n Roll(登校編)」(1981.01.12)/作詞・作曲:タミヤヨシユキ
BONUS TRACK. T.C.R.横浜銀蝿R.S. 新曲「昭和魂」

<DVD収録内容>
■トリビュートアルバム参加アーティスト全員集合による“仏恥義理 斗璃美勇徒 All Stars”「ツッパリHigh School Rock’n Roll(登校編)」 Music Video
■対談映像
横浜銀蝿メンバーとの対談映像
山口智充/宮田和弥(JUN SKY WALKER(S))/増子直純(怒髪天)
■レコーディングドキュメント
■配信限定“バレンタインデー・ラeve”(2024.2.13ファンクラブ限定配信)完全収録+未公開撮りおろし曲

<イベント情報>
横浜銀蝿 斗璃美勇徒 笛洲帝罵琉 全員集合!
Ginbae Tribute Festival!
2024年5月10日(金)&11日(土) KT Zepp Yokohama

<出演アーティスト(50音順)>
■DAY 1  5月10日(金)
クレイジーケンバンド /JUN SKY WALKER(S) /T.C.R.横浜銀蝿R.S.
Guest : 山口智充 with 押尾コータロー/T.C.R.横浜銀蝿R.S. with 横浜私立恵比寿中学(50音順)

■DAY 2  5月11日 (土)
横道坊主/氣志團/ザ50回転ズ/The Biscats /怒髪天/T.C.R.横浜銀蝿R.S.
Guest:T.C.R.横浜銀蝿R.S. with IKURA(50音順)

■トリビュートアルバム参加アーティスト全員集合 “仏恥義理 斗璃美勇徒 All Stars”「ツッパリHigh School Rock’n Roll(登校編)」 Music Video
URL:https://youtu.be/I_M-Iqg7vEs
■「T.C.R.横浜銀蝿R.S.」ホームページ:https://ginbae.jp/

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  • 「45周年PRE-YEAR」がスタートした横浜銀蝿 
  • 銀蝿ファミリートリビュートアルバム参加アーティスト(五十音順)

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