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BRADIO、原点回帰が導く“未知との遭遇” 新作に詰め込まれた“BAND MAGIC”を徹底解明

 3人組ロックバンド・BRADIOが3日、メジャー3rdアルバム『DANCEHALL MAGIC』をリリースした。本作はレーベル移籍後の第一弾作品であり、ファンクバンドとしての原点=“踊れる音楽”を改めて見つめ直した意欲作。ORICON NEWSではそんな1枚に込めた思いについて、真行寺貴秋(Vo)、大山聡一(Gt)、酒井亮輔(Ba)の3人に話を聞いた。

ニューアルバム『DANCEHALL MAGIC』をリリースしたBRADIO(左から)酒井亮輔、真行寺貴秋、大山聡一

ニューアルバム『DANCEHALL MAGIC』をリリースしたBRADIO(左から)酒井亮輔、真行寺貴秋、大山聡一

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 バンドは2010年の結成以降、ライブに重きをおいて活動しながらコンスタントに作品リリースを重ね、大型ロックフェスへの出演なども経て、2016年には初のZepp公演を成功。2018年に現体制となり、2020年にはホールツアーも開催するなど、着実に活動の規模を拡大させてきた。

 2023年元日に発売が予告された今作は、、従来のライブスタイルとは異なる内容で魅せた『DANCE PARTY』『ACOUSTIC NIGHT』などを開催する中で、制作が進められてきた1枚。はたして3人は、結成10周年を越えた今、どのように自身の音楽性に向き合い、この“新たなダンスミュージック”を完成させたのだろうか?

BRADIO『DANCEHALL MAGIC』通常盤

BRADIO『DANCEHALL MAGIC』通常盤

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■“ファンク”ではなく“ファンキー” 自ら突き詰めたバンドの音楽性

――『DANCEHALL MAGIC』の制作に入る前は、どんなことを考えていましたか?

【真行寺】『THE VOLCANOES-EP』のリリースツアーが終わった去年の夏頃、「次はなにをしようか」とみんなで話し合った結果、「ファンキーなアルバムが作りたい」ということになったんです。そこからレコーディングが始まる直前まで、「ファンキーってなんなのか?」「ファンクではなく“ファンキー”とは?」と、自分たちの中で突き詰めていく作業をずっとしていました。「もっといろいろなファンキーを探したい」と思いつつ、今回はその第一歩という印象ですね。

――そういう思いのもとに制作することで、心地よく気持ちを上げてくれるアルバムになっています。今回、曲作りはどんなふうに進められたのでしょう?

【真行寺】いろいろなパターンがありました。デモをしっかり作り込むときもあったし、誰かが持ってきた1フレーズからみんなで広げていったときもあったし…。でも、机の上(DTM※デスクトップミュージック/宅録)で進めていくことが多かったかな。

【大山】今回のアルバムで絶対的に変わったのは、貴秋と亮輔が僕の家によく来るようになったことだと思います。正直「よく来るなぁ」と思っていたんだけど(笑)、そのときにした話やアイディアをみんなが持ち帰って、またひとつ膨らんで返ってくるという流れが作れたので、すごく充実感がありました。

BRADIO・真行寺貴秋(Vo)

BRADIO・真行寺貴秋(Vo)

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――『DANCEHALL MAGIC』は柔らかみや温かさがあることが魅力になっていますが、それはみなさんが頻繁に顔を合わせたことも要因になっていると思います。では、それぞれ今作の収録曲の中でも特に印象の強い曲を挙げとしたら?

【真行寺】「DANCEHALL MAGIC」かな。ダンスミュージックには機械的なカッコよさもあるじゃないですか。だから、特にサビの歌などではあえて同じトラックを貼り付けて作っていくこともあるんですけど、「DANCEHALL MAGIC」では最後に人間っぽさを入れたかったんですね。その結果、BRADIOっぽさも出せたのかなと思います。

――“人間っぽさ”という言葉が出ましたが、真行寺さんの生々しさや弾力感などをたたえたボーカルは本当に魅力的です。

【真行寺】僕はもともと“〇〇っぽい歌い方”を意識していないんですよ。自分はR&Bシンガーではないし、ロックボーカリストかと言われたらそうでもなくて。自分の中では結構フワフワしているけど、逆にそれがオリジナリティーかなと。今回は特にそういった意識が強くて、歌についても自信しかない。極端な話、「もうカラオケで歌われなくていいや」って(笑)。仮にカラオケでファンの人が歌えない歌だったとしても、俺は俺でいいという気持ちが、今までのどのアルバムよりも強かったですね。

BRADIO・大山聡一(Gt)

BRADIO・大山聡一(Gt)

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■細部にまで至るこだわりが導いたオリジナリティー

――大山さんの中で印象深い楽曲は?

【大山】僕は「Diamond Dust Popping Life」とか「Catch A Vibe」です。これらの曲ではクリーントーンのギターをステレオで鳴らしているんですけど、ステレオギターに対する解釈を今までとは少し変えてみたんです。

――というと?

【大山】ドラムとベースだけですでにリズムが成立しているところに、さらにカッティングギターを乗せるというのは、グルーヴをさらに強くさせる意味合いがあって、そこで求められるのはタイトさなんですね。で、タイトなギターを2本重ねるとなると、本当に微妙なズレでも“揺れ”が生じて、タイトさが削がれてしまうんです。ただ、その“揺れ”が絶妙なコーラス感につながることもあって。今回はそれを魅力的な輪郭感や立体感にできないかなと考えて、“揺れを持ったメロディー”としてカッティングを活かしてみました。

――新たなトライをされたんですね。それに、大山さんのカッティングは本当に心地よさにあふれています。

【大山】ありがとうございます。僕はカッティングのニュアンスや音色を曲によって変えているんですが、その辺は今回、いつも以上にかなり細かくやりましたね。

BRADIO・酒井亮輔(Ba)

BRADIO・酒井亮輔(Ba)

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――酒井さんはいかがでした?

【酒井】1曲だけあげるのは難しいなぁ…。でも、やっぱり「Catch A Vibe」かなと思います。今回は全体的にバックビートをかなり意識していて、「バックビートとは?」とか「リズムのポケットとは?」といったことを改めて深く考えてみたんです。

――結果、どのようなアプローチを?

【酒井】デモのドラムは打ち込みで作られているので、そこに対してベースを考えすぎると、たぶんレコーディングで合わなくなってしまうと思ったんですね。なので、生のドラムやほかの楽器が全部入った状態をイメージしつつ、「じゃあどういうところにポケットを置いたほうがいいんだろう」とアプローチしていきました。「Catch A Vibe」ではそれが結構上手にできたと思っています。

――酒井さんのベースはモータウンに近い雰囲気が絶妙で、かつとてもグルーヴィーですが、スラップ奏法をあまり採り入れていないことが少し意外でした。

【酒井】“歌う”という意味では、ジェームス・ジェマーソン(※1960〜70年代のモータウンシーンをけん引したアメリカのベーシスト)の歌い方や、フレージングからすごく影響を受けています。たとえば、AメロからBメロへ移る瞬間やBメロからサビに行くときのつなぎ方が、ジェマーソンはものすごく上手ですよね。流れるようでいて、でもちゃんと弾いているというか。すべてのパートに対する気遣いもすごくて、絶対にほかの楽器を邪魔しない。そこがすごく好きなので、自分のフレージングでもそういうところを1番考えているかもしれません。

■心地よいグルーヴと鋭さを描く大山&酒井の使用機材

――今作のアンサンブルからも、それぞれが細やかな気遣いをすることで、アッパーかつ心地よい音楽になると教えてもらいました。レコーディングで使用した主な機材も教えていただけますか?

大山のメインギターはKanji Guitar製トモ藤田モデル。アルダーボディ、メイプルネック、マダガスカルローズ指板という構成に、オリジナルPUのGRINNING DOG FunkmasterSTを搭載 (C)ORICON NewS inc.

大山のメインギターはKanji Guitar製トモ藤田モデル。アルダーボディ、メイプルネック、マダガスカルローズ指板という構成に、オリジナルPUのGRINNING DOG FunkmasterSTを搭載 (C)ORICON NewS inc.

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【大山】メインのギターはKanji Guitarのトモ藤田さんモデルと、Fender Custom ShopのMischief Maker(Ltd Mischief Maker Heavy Relic)というモデルです。カッティング系でハーフトーンがほしい曲でその2本を使いました。「ソウル・ギャラクシー」と「Buster!」は、GibsonのLes Paulにファズをぶっかけて録り(笑)、「運命」みたいなソウル系の曲ではGibsonのES-335、「69 Party」とかではFenderのLimited 60th Anniversary Tele-Bration Series '62 Telecasterのガリガリした音を活かしました。

酒井のライブ用5弦メインはAlleva-Coppolo製Classic LG-5。アルダーボディ―+シュガーメイプルネックという構成のJBスタイル。電装系は同社オリジナルで、コントロールは2ボリューム+1トーン+2バンドEQ (C)ORICON NewS inc.

酒井のライブ用5弦メインはAlleva-Coppolo製Classic LG-5。アルダーボディ―+シュガーメイプルネックという構成のJBスタイル。電装系は同社オリジナルで、コントロールは2ボリューム+1トーン+2バンドEQ (C)ORICON NewS inc.

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【酒井】ベースは4本使っていまして、今回のメインはWarwickでした。シンセベースで作ったデモをいつも使っているジャズベースなどで再現しようとすると、倍音がすごくてなかなかハマらなかったんですね。で、久しぶりにWarwickを引っ張り出してきたら、“ゴリップリッ”という感じで出るのがよくてメインで使いました。あとはFenderのJazz Bassが1本あって、「オワラナイ」はFender Custom Shopのアダム・クレイトンモデル、「運命へ」はFenderの1963年製のPrescision Bassを使いました。

――アンプやエフェクターは?

【大山】アンプはTwo-Rockをメインにしつつ、FenderのSuper-Sonicと1970年代のシルバーパネルのTwin Reverbも使いました。一番レンジの広い音がほしいときはTwo-Rockで、「69 Party」みたいに若干トラディショナルな音にしたいときはTwin Reverb、「Buster!」みたいにちょっとクレイジーなサウンドでいきたいときはSuper-Sonic…というふうに、今回は曲によって細かく使い分けていましたね。

【酒井】僕はAKIMA&NEOSで作ってもらったチューブアンプと、Tecampのトランジスタアンプの2台。Tecampではわりと現代的な幅広い音が作れて、AKIMA&NEOSはちょっとオールドな音になるので、キャラクターで使い分けていました。あと、今回はキャビネットを3台鳴らすという暴挙に出まして(笑)。キャビを3台鳴らすことで、より音のまとまりがよくなるんじゃないかなと思ってやってみたんですが…正解でした。

【大山】エフェクターは、基本の歪みをSHIGEMORIのRUBY STONE(オーバードライブ)で作りました。もうちょっとドライブ感がほしいときはVEMURAMのJan Rayをミックスしたり、ジョン・メイヤー的なサウンドがほしいときにはチューブスクリーマー(Ibanez TS10)とミックスさせたりと、曲によって歪みチョイスを変えていますね。ファズはNoelのCornetとVEMURAMのMyriad Fuzzを使いました。

大山の最新エフェクターボード (C)ORICON NewS inc.

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【酒井】エフェクターでポイントになっているのは、コンプかもしれません。僕は卓側でかけるコンプ感があまり好きじゃなくて、最初から自分で薄くかけて録りたいタイプなんです。なので、今回も本当に味つけ程度にコンプをかけています。ただ、1963年のプレベなどを使うときにはかけませんでした。ビンテージ特有の“整っていない倍音”みたいなものを活かしたかったんです。

酒井の最新エフェクターボード (C)ORICON NewS inc.

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■“BRADIOでしか感じられないもの”――ライブバンドならではの絶対的自信

――そういった機材を手にして作られた『DANCEHALL MAGIC』のリリースが待ち遠しいですが、5月に開催されるリリースパーティーや7月から始まるツアーも楽しみです。

【真行寺】ライブや演奏する機会を増やしたくて、今年に入ってから『DANCE PARTY』と題したライブを4本くらいやったんですね。『DANCE PARTY』では、DJのつなぎ方っぽいアレンジで曲をつないだり、今まで意外とやっていなかったようなことを深掘りした形にしていたんですが、楽しくて踊れてファンキーで…という自分たちの“推しポイント”を改めて押し出せたと思いますし、『こういうBRADIOもいいね」と言っていただけることも多かったんですよ。

――手応えがあったと?

【真行寺】はい。なので、その流れのままリリースパーティーとツアーに行けたらいいなと。それを大きな枠として、同時に「ファンキーなものを作りたい」と考えて作ったアルバムに寄り添ったライブにしたいなとも思っています。“BRADIOでしか感じられないもの”というところに自信があるので、ぜひそれを体感しにきてほしいです。

■BRADIOメジャー3rdアルバム『DANCEHALL MAGIC』収録曲
▼CD(※初回限定盤/通常盤共通)
01. ソウル・ギャラクシー
02. Diamond Dust Popping Life
03. DANCEHALL MAGIC
04. Catch A Vibe
05. オワラナイ
06. 69 Party
07. Buster!
08. YATARA Dance
09. 運命へ
10. BAN BAN TONIGHT

▼Blu-ray(※初回限定盤のみ)
・『BRADIO "FUN"TASTIC FESTIVAL 2022 〜野音 de OH!祭り〜』ライブ映像

■『DANCEHALL MAGIC Celebration Party』日程
5月13日(土) 大阪・UMEDA CLUB QUATTRO
5月18日(木) 東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO(※Sold Out)

■『DANCEHALL MAGIC Release Tour 2023』日程
7月5日(水) 宮城・仙台darwin
7月7日(金) 北海道・札幌Sound lab mole
7月14日(金) 福岡・福岡BEAT STATION
7月16日(日) 愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
7月20日(木) 大阪・心斎橋BIGCAT
7月25日(火) 東京・恵比寿LIQUIDROOM

文・村上孝之



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  1. 1. BRADIO、メジャー3rdアルバム『DANCEHALL MAGIC』5・3リリース決定 レーベル移籍も発表
  2. 2. BRADIO、『遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!』OP曲フル配信 “WAACKダンス”を踊るMVもプレミア公開へ
  3. 3. BRADIO、原点回帰が導く“未知との遭遇” 新作に詰め込まれた“BAND MAGIC”を徹底解明
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  • ニューアルバム『DANCEHALL MAGIC』をリリースしたBRADIO(左から)酒井亮輔、真行寺貴秋、大山聡一
  • BRADIO『DANCEHALL MAGIC』初回限定版
  • BRADIO『DANCEHALL MAGIC』通常盤
  • BRADIO・真行寺貴秋(Vo)
  • BRADIO・大山聡一(Gt)
  • BRADIO・酒井亮輔(Ba)
  • 大山のメインギターはKanji Guitar製トモ藤田モデル。アルダーボディ、メイプルネック、マダガスカルローズ指板という構成に、オリジナルPUのGRINNING DOG FunkmasterSTを搭載 (C)ORICON NewS inc.
  • 大山のメインギター・Kanji Guitar製トモ藤田モデル背面 (C)ORICON NewS inc.
  • 酒井のライブ用5弦メインはAlleva-Coppolo製Classic LG-5。アルダーボディ―+シュガーメイプルネックという構成のJBスタイル。電装系は同社オリジナルで、コントロールは2ボリューム+1トーン+2バンドEQ (C)ORICON NewS inc.
  • 酒井のライブ用メインベース・Alleva-Coppolo製Classic LG-5背面 (C)ORICON NewS inc.
  • 大山の最新エフェクターボード (C)ORICON NewS inc.
  • 酒井の最新エフェクターボード (C)ORICON NewS inc.

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