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Roselia、“青薔薇の玉座”へ 最新作が鳴らす意志の強さとバンドの醍醐味

 アニメ、ゲーム、コミック、声優によるリアルライブなど、さまざまなメディアミックスを展開する次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』から生まれた第2のリアルバンド・Roselia(ロゼリア)が、4月26日に13thシングル『THRONE OF ROSE』をリリースした。

最新シングル「THRONE OF ROSE」をリリースしたRoselia(左から)志崎樺音、中島由貴 Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

最新シングル「THRONE OF ROSE」をリリースしたRoselia(左から)志崎樺音、中島由貴 Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

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 ORICON NEWSは同作の発売に際し、メンバーの中島由貴(Ba/今井リサ役)と志崎樺音(Key/白金燐子役)にインタビューを実施。収録される3曲と今後のライブに向ける思い、そしてRoseliaのベーシスト&キーボーディストとしてのこだわりを聞いた。

最新シングル「THRONE OF ROSE」をリリースしたRoselia(左から)志崎樺音、中島由貴 Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

最新シングル「THRONE OF ROSE」をリリースしたRoselia(左から)志崎樺音、中島由貴 Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

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■“頂点”から“玉座”へ…楽曲からみなぎる意志の強さ

――今作に収録される3曲の資料音源を最初に聴いた際、どんな感想を持ちましたか?

【志崎】1曲目の「THRONE OF ROSE」は、とにかく勇ましい曲だなと思いました。

【中島】<玉座>という歌詞からも“強さ”を感じました。

【志崎】“強さ”という点では、サウンド的にも古きよきメタル感といいますか…ハードさが増したなと思っています。

【中島】確かに! 特にギターとドラムのフレーズがよりメタルらしいものになっていますよね。

【志崎】うん、ギターソロの雰囲気も今までとちょっと違っていて、存在感が強まっているなぁ…と。

――この曲の間奏では、キーボードとギターがかけ合うセクションも登場します。

【志崎】はい。ユニゾンで弾くことは今までの楽曲でもありましたが、かけ合いという形は初めてなので、いつかライブで披露させていただくことが今から楽しみです。ギターとキーボードはステージ上の立ち位置が離れているので、このフレーズを弾く際には、普段以上にアイコンタクトを取りながらパフォーマンスしたいなとも思いますね。

Roselia・志崎樺音(Key) Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

Roselia・志崎樺音(Key) Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

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――すでにライブで披露されている2曲目「Dear Gleam」はいかがでしたか?

【中島】またとんでもない難曲が来たな…と(笑)。練習のしがいがあるなと感じました。

【志崎】耳に残りやすいというか、すごくキャッチーですよね。練習でも暗譜しやすかった記憶があります。

【中島】覚えやすいメロディーですし、サビがすごくかっこいいんです。個人的には<今に全てを懸けろ>という歌詞も新鮮で。ゲーム(スマートフォン向けゲーム「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」)のストーリーでは高校を卒業したメンバーもいて、プロとしてステージに立つようになったことで生まれた力強さが、曲にも出ているなと感じました。

【志崎】私は曲の展開もすごく印象的でした。冒頭はボーカルとピアノだけでしっかりと聴かせる感じになっていますが、バンドインした後のキメがすごくよくて。冒頭はちょっと緊張するんですけど、ほかのセクションは曲のノリに身を任せるといいますか…とにかく楽しんで弾いています。

【中島】この曲に限らず、キメってライブだとすごく緊張しちゃいます(笑)。「キメなきゃ!」って、つい力んじゃうよね?

【志崎】うん(笑)。でもその分、しっかりキメられるとすごく気持ちよくて、“バンドの醍醐味”みたいなものが感じられる瞬間でもあります。あと、この曲はベースソロがすごくかっこいいなと思っていて。ゆっきー(中島)がリハーサルでソロを弾くと、みんな「もう一回弾いて!」ってお願いするくらいです(笑)。

【中島】ギターソロの直前ですね。曲のセクション的にはソロっぽくないんですが、フレーズ的にはソロらしいといいますか。運指の練習としても活用できそうなフレーズです。ゆっくりだったらわりと簡単に弾けるんですけど、この曲はBPMが速いので難易度も上がっています。

――ベースのソロパートでは音色も変化させていますね。

【中島】はい、少しジャリジャリっとした音に。私は普段からどちらかというマイルドな音作りにしがちなので、ライブでこのフレーズを披露する際には、いつもスラップをするときに踏んでいるEQをかけて、音の質感を変えつつ存在感が出るようにしています。

Roselia・中島由貴(Ba) Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

Roselia・中島由貴(Ba) Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

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――3曲目「一逢のFull Glory」はいかがでしたか?

【中島】明るい曲だなというのが第一印象でした。この曲からも“決意”が感じられるんですが、ほかの曲と比べて明るい印象ですし、コーラスもキレイで、色で表すと白いイメージです。

【志崎】転調が多い曲だなと感じました。サビの途中でコード進行が変化して、少し切ない雰囲気に変わるところも好きです。全体的に爽やかな曲なんですが、そういう展開があることでエモーショナルさが増している気がします。

【中島】“エンディングテーマ感”がありますよね。<一期一会の歌>という歌詞もすごく素敵で…。ちょっと話が逸れちゃうんだけど、「一期一会」ってすごく懐かしく感じない?

【志崎】わかる! 学生の頃に、メモ帳の端に書いたりするのが流行ったよね?

【中島】やっぱりわかってくれた! この世代にとって「一期一会」って懐かしいフレーズなんです(笑)。そういう言葉が歌詞に入っているという点も、個人的にちょっとうれしくなったポイントです。

【志崎】「一期一会の曲なんです」と宣言しているようで…潔さも感じました。そう考えると、収録されている3曲とも意志が強いなと思います。

■「パズルをはめていく感覚」――中島由貴が考えるRoseliaのオリジナリティー

フレイムメイプルトップ+アルダーバックというボディー構成のESP BTL LISA II Nakashima Custom#3 (C)ORICON NewS inc.

フレイムメイプルトップ+アルダーバックというボディー構成のESP BTL LISA II Nakashima Custom#3 (C)ORICON NewS inc.

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――Roseliaのベースフレーズに関して、面白さを感じている部分は?

【中島】まず、ドロップDチューニングが多いというところでしょうか。私としてはごく普通の感覚だったんですが、世の中にある楽曲を見てみると、ベースでドロップDというのはそこまで多くないのかなと思います。あと、フレーズがすごく印象的というか、覚えやすいですね。キーボードやギターとユニゾンさせるフレーズもありつつ、ベースだけが動くような箇所も多くて。そうやって動いているフレーズにRoseliaらしさを感じますし、弾いていても楽しいです。

#3とチューニングの違いなどによって使い分けられるESP BTL LISA II Nakashima Custom#2 (C)ORICON NewS inc.

#3とチューニングの違いなどによって使い分けられるESP BTL LISA II Nakashima Custom#2 (C)ORICON NewS inc.

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――ルート弾きなどで純粋にビートを刻むよりも、メロディーフレーズの方が覚えやすいですか?

【中島】私の中ではそうですね。面白いフレーズがたくさんあると、パズルをはめていくような感覚で演奏できるんですよ。あと、自分の中で「こんなに複雑なフレーズが弾けた!」とテンションが上げられるというのも大きいです。挑戦することで成長にもつながっていると思いますし、ありがたいな、うれしいなって思います。

ピックアップはセイモアダンカン製SJB-1を2基搭載=ESP BTL LISA II Nakashima Custom (C)ORICON NewS inc.

ピックアップはセイモアダンカン製SJB-1を2基搭載=ESP BTL LISA II Nakashima Custom (C)ORICON NewS inc.

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――「Dear Gleam」のサビの前後で披露している和音弾きも挑戦だったのでは?

【中島】そうですね。アウトロにも登場しますが、BPMがすごく速い中で和音が出てきますし、直後にグリスも入るので…挑戦でした(笑)。Roseliaの曲で和音が出てくる機会はそこまで多くなくて…今までの楽曲だと「overtuRe」くらいでしょうか。なので、和音弾きの練習をするいい機会になりました。

6点止め式に変更されたボルトオンジョイントもESP BTL LISA II Nakashima Customならではのポイント (C)ORICON NewS inc.

6点止め式に変更されたボルトオンジョイントもESP BTL LISA II Nakashima Customならではのポイント (C)ORICON NewS inc.

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――楽曲を通じて常に挑戦を続けてきたわけですから、加入当初から比べて新曲に取り組む際の着眼点も変わってきていますか?

【中島】確かに変わってきているかもしません。当初はフレーズをとにかく覚えて、そこから演奏するときのテンション感や、バンドでのバランスを探っていく…という流れだったんですが、今はわりと聴いたときに「ここは張り切って弾くところかな?」とか「ここは一歩引くような感じで弾いたほうがよさそう…」というふうに、予想が立てられるようになってきました。

■「聴感上で目立つフレーズを」――志崎樺音がこだわる音と見せ方のバランス

志崎がライブで使用しているローランド製FA-08(写真左)とJUNO-DS61(写真右) (C)ORICON NewS inc.

志崎がライブで使用しているローランド製FA-08(写真左)とJUNO-DS61(写真右) (C)ORICON NewS inc.

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――Roseliaの楽曲では、1曲の中でさまざまなキーボードフレーズが重なっていますが、志崎さんは自らライブで演奏するフレーズをどうセレクトしていますか?

【志崎】そうですね…。基本的に聴感上で目立っているフレーズを弾くようにしているんですが、ライブなので、見せ方も重視しています。例えばギターとシンセのかけ合いのような場面ではシンセを選びますが、シンセとピアノを交互に行き来するようなフレーズの場合、あまりにもバタバタとせわしなく移動しているように見えてしまう場合は、どちらかのフレーズに絞ったり…という感じでしょうか。ごく稀に、個人的に好きなフレーズがあるときは、スタッフさんとも相談して弾かせていただくこともあります(笑)。

FA-08にはエフェクトの有無なども含めた計5種類のピアノ音色をセット (C)ORICON NewS inc.

FA-08にはエフェクトの有無なども含めた計5種類のピアノ音色をセット (C)ORICON NewS inc.

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――「Dear Gleam」のサビではシンセストリングスの音色が目立っていますが、ライブではどのフレーズをチョイスされています?

【志崎】この曲のサビでは、後ろの方にうっすらと鳴っているピアノを弾いています。歌のメロディーとはまったく違うラインになっているピアノですね。

【中島】そのフレーズが好きだったの?

【志崎】あ、そうです!(笑) 目立っている音よりも、フレーズやパフォーマンスとして目立つほうを選んでいるパターンですね。音としてはストリングスのほうが前に出ていますが、あいあいさん(相羽あいな/Vo/湊 友希那役)のロングトーンの裏で符割の違うフレーズを弾いているので、よく聴くとすごく存在感のあるフレーズになっているんです。

JUNO-DSではRoseliaにおける定番トーンである“スーパーソー”やオルガンサウンドを鳴らす (C)ORICON NewS inc.

JUNO-DSではRoseliaにおける定番トーンである“スーパーソー”やオルガンサウンドを鳴らす (C)ORICON NewS inc.

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――一方で、「THRONE OF ROSE」のようにギターとピアノでソロをかけ合う場合は、ピアノのフレーズを選ばれる…と。

【志崎】はい。あのソロはリズム重視といいますか…今までのピアノソロとも少し雰囲気が違いますよね。先ほど言ったように、ピアノでギターとかけ合うのはこの曲が初めてなので、パフォーマンスの面でもどういう見せ方ができるのか楽しみにしています。それに、ソロ後のDメロではゆったりとしたメロディーに変わるので、演奏的にもパフォーマンス的にも、今までとは違うところに意識を置くべきなのかなと思っています。

ライブ時にはJUNO-DSにもダンパーペダルを接続し、足下でエフェクトを操作 (C)ORICON NewS inc.

ライブ時にはJUNO-DSにもダンパーペダルを接続し、足下でエフェクトを操作 (C)ORICON NewS inc.

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■“猪突猛進”で臨むリアルライブ 個人&バンドの“切磋琢磨”

――今後ライブで披露されることが期待される「THRONE OF ROSE」と「一逢のFull Glory」の2曲について、現時点でパフォーマンスの構想はありますか?

【中島】声出しが解禁になったら、ファンのみなさんにも「THRONE OF ROSE」のかけ声を歌ってほしいですね。そうやって気迫みたいなものが出せたら、この曲らしくなるかなと思います。

【志崎】一緒に走っていくというか、一体感を出したいですね。

Roselia・中島由貴(Ba) Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

Roselia・中島由貴(Ba) Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

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【中島】「一逢のFull Glory」では、メンバーのほうを見ながら弾いてみたいです。今までのライブで、しっかりとみんなのほうを向いて演奏した曲って「軌跡」くらいだと思うんです。ほかの曲でもキメの瞬間だけ顔を向き合わせたりしたことはありましたが、「一逢のFull Glory」は優しくみんなで包み込むように弾くのが楽しそうだなって思います。

【志崎】「以心伝心の歌」ですからね。

【中島】「一期一会の歌」でしょ?(笑)

【志崎】あ! 間違っちゃった…ごめんなさい(笑)。

【中島】みんなと以心伝心しながら弾いて、一期一会の思いを伝えるんだよね!

【志崎】そ、そういうことです!(笑)

Roselia・志崎樺音(Key) Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

Roselia・志崎樺音(Key) Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

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――5月に開催される『JAPAN JAM 2023』への出演も決まり、そういった音楽フェスの場ではまさに“一期一会”の精神で演奏をされると思うのですが、最後に四字熟語で意気込みをお願いします。

【志崎】私は「猪突猛進」にします。今回の曲も勢いがありますし、『JAPAN JAM』や『アニサマ(Animelo Summer Live 2023 -AXEL-)』にも出せていただきますし、単独ライブも決定していますので、Roseliaとして一丸になって突き進んでいきたいと思います。

【中島】私は「切磋琢磨」していきたいです。一丸となって突き進みつつ、それぞれのソロパートでは大いに目立って、かっこいい姿をお見せしていきたいなと。そのために自分で技術を磨くことは当然ですが、一番近くにいる存在として、メンバーと切磋琢磨していければいいなと思います。そろそろ5人でご飯に行く機会も復活させて(笑)、お互いに意識を高めていきたいです。

最新シングル「THRONE OF ROSE」をリリースしたRoselia(左から)志崎樺音、中島由貴 Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

最新シングル「THRONE OF ROSE」をリリースしたRoselia(左から)志崎樺音、中島由貴 Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.

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■13thシングル「THRONE OF ROSE」収録曲
01. THRONE OF ROSE
02. Dear Gleam
03. 一逢のFull Glory
04. THRONE OF ROSE -instrumental-
05. Dear Gleam -instrumental-
06. 一逢のFull Glory -instrumental-

撮影:江隈麗志

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  • 最新シングル「THRONE OF ROSE」をリリースしたRoselia(左から)志崎樺音、中島由貴 Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.
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  • 最新シングル「THRONE OF ROSE」をリリースしたRoselia(左から)志崎樺音、中島由貴 Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.
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  • Roselia・中島由貴(Ba) Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.
  • Roselia・中島由貴(Ba) Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.
  • Roselia・志崎樺音(Key) Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.
  • Roselia・志崎樺音(Key) Photo by 江隈麗志 (C)ORICON NewS inc.
  • フレイムメイプルトップ+アルダーバックというボディー構成のESP BTL LISA II Nakashima Custom#3 (C)ORICON NewS inc.
  • ESP BTL LISA II Nakashima Custom#3背面 (C)ORICON NewS inc.
  • #3とチューニングの違いなどによって使い分けられるESP BTL LISA II Nakashima Custom#2 (C)ORICON NewS inc.
  • ESP BTL LISA II Nakashima Custom#2背面 (C)ORICON NewS inc.
  • ピックアップはセイモアダンカン製SJB-1を2基搭載=ESP BTL LISA II Nakashima Custom (C)ORICON NewS inc.
  • 6点止め式に変更されたボルトオンジョイントもESP BTL LISA II Nakashima Customならではのポイント (C)ORICON NewS inc.

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