■『第73回NHK紅白歌合戦』（12月31日　東京・渋谷 NHKホール）
　歌手で俳優の加山雄三（85）が特別企画で出演。年内でコンサート活動引退を表明しており、これが最後のライブパフォーマンスとなった。同時に『紅白』史上最高齢の出場となり、“新たな伝説”を刻んだ。

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　これまで17回出場し、うち3回司会を務めた“永遠の若大将”。1986年に白組司会を担った際には、初出場だった少年隊の「仮面舞踏会」を「仮面ライダー！」と紹介する“伝説”も残した。

　今回のリハーサルの際には「今から緊張してる。どうしたらいいかわかんない。困っちゃってんだ。助けて」と冗談を交えながら、「まさか出られるとは夢にも思わなかった。今年は最後だって、いろんなところに行った。それ（最後）が返ってよかったのかな」としみじみ。「精いっぱいやろう、それしかない」と心境を語っていた。

　迎えた本番では、これまでの軌跡を振り返るVTRが流れた。その中では「本当に愛することから生まれてくる音というのは、必ず人の心に響くものである」と揺るぎない信念を伝えた。

　司会の大泉洋（49）が加山を紹介。85年の代表曲「海 その愛」を悠々と歌った。「海よ俺の海よ　大きなその愛よ…」と噛みしめるように届けた。

　間奏では「音楽とともに歩んできて幸せいっぱいです。本当にありがとうございます」と感謝。紙吹雪が舞うなか歌い終えると、もう一度「ありがとうございました！」と手を振った。

　大泉は「ブラボー！」、加山も「ありがとー！」と声にならない絶叫で応えた。審査員席の黒柳徹子（89）は「素晴らしかった！」といいながら、「若大将、これで終わりだなんて残念。もっと歌ってほしかった」「ほんとにステキでした。ハンサムでした」と同世代のスターをたたえた。